第1034回生物科学セミナー
細胞の老化を制御する細胞増殖シグナル
松浦 彰(千葉大学大学院融合科学研究科)
2015年09月16日(水) 16:50-18:35 理学部2号館 講堂
細胞の不可逆的な増殖停止現象は細胞老化と呼ばれ、哺乳類では癌抑制機構の一つであると考えられている。主に遺伝学的解析から、細胞老化過程を調整する機構が真核生物において広く保存されていることが明らかにされてきた。本セミナーでは、老化が通常より早く進行する疾患である早期老化症のモデル細胞、および単細胞真核生物の出芽酵母を用いた解析結果をもとに、細胞老化の分子機構とそれを制御するシグナルの実体を議論したい。
参考文献
Aiko Matsui, Yoshiaki Kamada, and Akira Matsuura. (2013) The role of autophagy in genome stability through suppression of abnormal mitosis under starvation. PLOS Genetics, 9: e1003245