濡木研公開ラボセミナー

アプタマーの立体構造と特徴

坂本 泰一 教授(千葉工業大学 先進工学部 生命科学科)

2024年02月16日(金)    15:00-16:00  理学部1号館中央棟341号室   

 近年,核酸医薬品は次世代型分子標的薬として開発が進められている.核酸医薬品の中でも,タンパク質を標的としたものはアプタマーとよばれ,世界初のアプタマー医薬品Macugenが2004年に米国で認可され,2023年にはIZERVAYが認可された.アプタマーは,試験管内人工進化法(SELEX法)とよばれる方法により作製され,標的タンパク質に非常に強く特異的に結合することによって,標的タンパク質の機能を阻害する.
 私は,このアプタマーの標的タンパク質に対する高い特異性と親和性に興味を持ち,NMR解析,X線結晶構造解析,ITC解析など物理化学的な視点からアプタマーの特徴について研究してきた.これまでに,アプタマーは柔軟な構造を持ち,標的タンパク質の表面にフィットすることによって,高い特異性と親和性を獲得していることが明らかとなってきた.本セミナーでは,アプタマーの立体構造と特徴について議論したい.

担当:東京大学大学院理学系研究科・生物科学専攻・濡木 理

※学内限定