人類学演習・談話会

法医学と古代DNA分析

水野 文月 先生(東邦大学医学部法医学講座)

2024年01月26日(金)    16:50-18:35  理学部2号館201号室   

法医学におけるDNA分析では、通常、証拠品から回収されたDNAを特定の個人に結びつけることを目的としている。災害時の身元確認や犯人の同定など、DNAプロファイルの照合だけでなく、個人の表現型や親族に関する情報が含まれることがある。これらのDNA情報を他の物的証拠と組み合わせることで探索範囲を狭めることができる。この時、対象となるDNAは、回収されたご遺体の環境条件によって劣化具合が大きく異なるDNAを扱う。劣化DNAの主な特徴は、DNA断片長が短いこと、DNAが微量であること、DNA損傷が多いことなどが挙げられる。したがって、法医遺伝学と古代ゲノム学の分野で直面する課題には共通点も多い。本発表では、法医学におけるDNA分析を古代DNA分析の取り組みとともに紹介する。

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来年度は談話会は、4/5(金)開始予定です。
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