人類学演習/人類学セミナーⅠ・Ⅱ

社会性と文化現象の定量的解析に関する雑多な話題

田村 光平(情報理工学系研究科)

2014年12月05日(金)    16:40-18:10  理学部2号館 323号室   

本発表は二部構成で行う.前半は,昆虫からヒトまでさまざまな生物の社会性研究の現状を概説する.これはもともと,人類学会のシンポジウムとして企画したものだが,諸般の事情でお蔵入りになったのを,今回もったいないからと発表の機会を頂いたものである.高度な社会性はヒトの顕著な特徴のひとつであり,その解明は人類学の大きな課題のひとつである.しかしながら,複雑な社会性を持つ動物はヒトに限らず,その起源と進化について,人類学以外の様々な分野でも大きく研究が進んでいる.様々な社会性研究の現在を知ることは,人類学におけるこの分野の発展,さらには社会性の起源と進化を解明する一助となるだろう.
 後半は,演者が現在取り組んでいる,文化現象の定量的解析について紹介する.ここでは,とくに考古遺物の形態解析から,定量的解析の利点と制約を概説し,今後の方向性について議論する.