第1451回生物科学セミナー

柔軟な環境応答からせまる植物の集団生活

山尾僚 教授(京都大学生態学研究センター)

2023年12月13日(水)    16:50-18:35  理学部2号館223号室及びZoom   

植物は、群落の中で互いにどのようなやり取りをしながら生活しているのだろうか?群落内には、同種や他種の植物のみならず、植食者や共生者など様々な生物が生息している。このような環境においては、植物たちが光や土壌環境などの非生物的環境のみならず、様々な生物的刺激に対して柔軟に応答することが適応的に作用してきた可能性がある。本セミナーでは、演者が取り組んできたオオバコに関する血縁認識現象、植食者認識現象に関する研究を中心に紹介し、植物の集団生活について考察したい。

参考文献
Yamawo A., Mukai H. (2020) Outcome of interspecific competition depends on genotype of conspecific neighbours. Oecologia. 193: 415-423.
Yamawo A., Mukai H. (2017) Seeds integrate biological information about conspecific and allospecific neighbours. Proceedings of the Royal Society B. 284: 1857

担当: 東京大学大学院理学系研究科・生物科学専攻・附属植物園