第1466回生物科学セミナー

ニュートリオミクスから迫るがん悪性化機構の解明と新規治療戦略

大澤 毅 先生(東京大学先端科学技術研究センター ニュートリオミクス・腫瘍学 分野・准教授)

2023年07月05日(水)    10:00-11:30  Zoomによるweb講義   

がんの病態解明には、核酸、糖質、脂質、タンパク質などの複雑な有機化合物の全体像いわゆるマルチオミクスを統合し理解することが必須である。近年、次世代シークエンサー、質量分析器の普及により、ゲノム配列、転写、翻訳、代謝、タンパク質複合体、など、がん細胞が網羅的にまた単1細胞やオルガネラレベルで解析されており、メガデータを取り扱わなければがんの病態解明が難しい時代を迎えている。我々は、ニュートリオミクスを用いたがん栄養・代謝の新しいオミクス統合解析から病態へ繋がる細胞の不可逆的な変化を捉え、がんの新しい治療法につながる代謝経路を見出してきた。近年、がん細胞自身のオミクス変動のみならず、細胞間の相互作用やオルガネラ間の相互作用もがん悪性化に重要な役割を果たすため、オルガネラ制御が新しい癌治療標的として注目を集めている。本セミナーでは、アミノ酸などの代謝物を中心とした各種のオミックス統合解析やがんや生活習慣病の本質的な原因となり得る細胞―多細胞間―オルガネラ間にわたる代謝連関・治療戦略について議論したい。

参加希望のかたは、UTASシラバス詳細情報の「オンライン授業内容」でzoomのURLをご確認ください。
学外で参加希望のかたは、info.kuroda-lab@bs.s.u-tokyo.ac.jpまでメールをいただければ、ZoomのURLを送付いたします。所属機関のメールアドレスでお願いいたします。個人のメールアドレスはお控えください。その際には、氏名と所属も合わせてお願いいたします。

主催: 理学系研究科 生物科学専攻