人類学演習・談話会

人間拡張

金原 秀行 先生(京セラ株式会社 フューチャーデザインラボ)

2023年06月16日(金)    16:50-18:35  理学部2号館201号室   

人間拡張とは、人間の能力をテクノロジーによって自由に増強・拡張させる技術のことを示す。「人機一体」とも言えるように、技術と人間の能力が自然に融合して一体化することが人間拡張の理想である。人間拡張の歴史はわずか50年程度であるが、本発表ではこれまで人間が手にしてきたモノやサービスを振り返って人間拡張として捉えなおす。特に、人間の機能である身体・知覚・認知・存在に分類して、それぞれの機能に対する貢献について考察する。
 京セラは新しい製品やサービスを開発する際の考え方として、人間拡張コンセプト“舞”を提唱した。このコンセプトは、さり気なく人に優しく寄り添う技術により、人の日常をもっと楽しく、快適で、ワクワクする体験に拡張することを目指すことを謳っている。本発表では身体の拡張として「歩行センシング&コーチングシステム」、存在の拡張として「フィジカルアバター」、知覚と認知の拡張として「聴覚拡張ヒアラブルデバイス」と呼ぶ、京セラの3つのプロトタイプを紹介する。特に、歩行センシング&コーチングシステムについては、実機プロトタイプを持参し、座談会の参加者にも体験いただく。このプロトタイプは、3つのセンサを身に着けて歩くことで歩行の特徴と美しさの印象をリアルタイムに提示し、カメラを使わなくても歩き姿までアニメーション表示する。最後に、紹介してきた事例を総括し、人間拡張がもたらす価値について議論する

-------------------------------------
<今後の予定>
6月  23日 海部 陽介 先生
7月  7日 未定
   14日 井原 泰雄 先生
   21日 早乙女 康作 先生(大橋研担当) ※Sセメ最終回