人類学演習Ⅳ/人類学セミナー4

アジアにおけるカワウソ研究とこれから

和久 大介 先生(東京大学 理学系研究科 ゲノム人類学研究室)

2019年10月04日(金)    16:50-18:35  理学部2号館 201号室   

 山脇尚徳(東洋)は、内臓構成が似ているとされていたカワウソを何匹も解剖した結果、当時の五臓六腑説に疑問をもったことから、人体解剖を実行し日本最古の人体解剖図誌「蔵志」を執筆した。このように、日本の解剖学の初期に関わっていたカワウソも、分類の混乱が続くなか絶滅してしまった。では、我々が「ニホンカワウソ」や「日本列島に棲息していたカワウソ」と呼んでいる動物の分類はどうなっているだろうか。その混乱と、ミトコンドリアDNAから見た分子系統学的位置づけ、そして分岐年代から推定される日本列島への移住の歴史について解説する。また、周辺国のカワウソも含めた研究の現状、そしてカワウソ研究の未来についても紹介する。
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<今後の予定>
 10月 11日 人類学会大会のため休講
    18日 覚張 隆史 先生
    25日 未定
 11月 1日 野外実習のため休講