人類学演習Ⅰ/人類学セミナー1

縦断的エクソン全領域関連解析による高血圧感受性遺伝子多型の同定

安河内 彦輝 先生(三重大学 地域イノベーション推進機構 ヒト機能ゲノミクス部門)

2018年07月06日(金)    16:50-18:35  理学部2号館 201号室   

次世代シーケンサーの登場以降、大量の情報解析技術を駆使した研究が飛躍的に増え、生活習慣病を含む様々な疾患感受性遺伝子が同定されている。しかし、それらの多くは横断的な研究によるもので、“ある時点”での対象集団における疾患の罹患率や生理検査値などの情報に依存している。そのため、後に罹患するリスクがある対象を健常者とするなどの不確実性を含んでいる可能性がある。この問題を解決する1つの方法として、“同一の対象者を経時的に追跡する”縦断的な研究が必要となる。これまでに我々は、2003年から2014年にかけてモニタリングした三重県いなべ市の6,027名から成るコホートを対象に、複数の生活習慣病に対する縦断的エクソン全領域関連解析を行なってきた。これらの研究から新規の疾患感受性遺伝子がいくつか同定されたが、本発表ではとくに高血圧に関する解析結果を紹介する。