新任教員紹介:土金勇樹

「藻類」をざっくり一言でまとめると、ほとんどが水中に生息する光合成生物の仲間であるといえます。この系統的に多様な生物である藻類の中でも、陸上植物と最も近縁な生物群である接合藻類に私は注目しています。接合藻類は陸上植物の基部となる重要な生物群ですが、そもそも研究者が少なく研究材料も乏しい状況でした。これまでフィールドから接合藻を採集し、系統保存株を確立することで研究を進めてきました。現在は、接合藻類ミカヅキモにおける自殖と他殖の進化に注目しています。どうやら自殖するミカヅキモと他殖するミカヅキモは、生育している環境が異なるようでフィールド調査を行っています。そして、ゲノム解析も進めることで、自殖の進化機構の解明を目指しています。また、陸上植物と接合藻類の比較は興味深く、あるいは接合藻類が陸上にはあがらず、水中に止まった理由が今後わかるやもしれません。

土金勇樹
東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻
植物進化生態学研究室 特任助教
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