2025/07/14

葉の尾状先端の発生機構の解明

植物の葉には尾状先端や鋭い先端を持つものがあり、その存在は数百年前から記録され、さまざまな生態的な役割が推測されてきましたが、その発生機構は長らく謎のままでした。

塚谷研究室は、この発生機構を細胞レベルで明らかにすることを試み、尾状先端を持つナンキンハゼの葉を対象に、葉の形態および細胞分裂・細胞伸長の観察を行ないました。その結果、尾状先端部分では偏った細胞分裂が認められ、基部では均一な細胞分裂が観察されました。さらに、観察された細胞分裂パターンに基づいてシミュレーションを実施したところ、尾状先端を持つ葉の形態を再現することに成功しました。これらの結果から、細胞分裂の方向性が葉の尾状先端形成に重要な役割を果たしていることが示されました。

詳しくはプレスリリースをご覧ください。

論文はこちら
Wang, Z., Inoue, Y., Mochizuki, A., Tsukaya, H. (2025) Biregionally differentiated growth generates sharp apex and concave joints in leaves. The Plant Journal 123(1):e70310.

研究の概要図