News - 多様性起源学研究室(野崎研)

ニュース News

多様性起源学研究室(野崎研)の出版や報道、受賞、イベントに関するお知らせです。

2019年09月02日


1988年5月の神奈川県の谷ケ原浄水場の斎藤昭二さんの手紙の一部



2018年7月24日の炎天下の相模湖で若き金原さんはサンプルを採取した


「相模湖・津久井湖の30年来のボルボックスの謎が解かれる」
当研究室の昨年度卒業研究生の金原僚亮さんらによる論文が2019年8月29日付けで国際科学誌 PLOS ONEに掲載されました。
 淡水環境は季節で大きく変化し、藻類は有性生殖をして寒冷や乾燥の環境に耐えうる休眠の接合子を形成します。 従って、淡水藻類ではフィールドで接合子等がしばしば見つかり、これらの形態は特徴的であり様々な淡水藻類で有性生殖の特徴が種や属レベルの重要な分類形質となっています。しかし、このような野外サンプル中の細胞同士や培養株との種の一致性を推測することは形態情報だけからは従来困難でありました。また、有性生殖の特徴が培養では再現されない場合も多いので、様々な淡水藻類では種が同定されない野外サンプルと培養株が存在します。
 今回のボルボックスは野崎久義准教授が1988年に神奈川県の谷ケ原浄水場の斎藤昭二さん(故人)からの質問を受け、神奈川県相模湖・津久井湖で採集している雌雄異体のボルボックス節の種であります。野外サンプル中には太い細胞質連絡をもつボルボックス節の種の4種類の群体(無性、オス、メス、雌雄同体)が認められます。雌雄同体のものは最近培養株の有性生殖誘導が成功し、水田産の Volvox ferissii に極めて近縁である Volvox sp.Sagamiと同定されました(Nozaki et al. 2016, PLOS ONE)。今回、これらの野外サンプル中のオス・メス群体と接合子をピペットで分離し、細胞粉砕だけでPCRを実施して直接塩基配列を取得することに成功しました。その結果、無性群体から確立したいくつかの培養株を含めた種の同一性を明らかにしました。これらの野外サンプルと培養株の形態情報と分子情報に基づくと本種はこれまでアフリカから報告されていた雌雄異体種 V. rousseletii と同定されました。
Kimbara R, Isaka N, Matsuzaki R, Kawai-Toyooka H, Kawachi M, Nozaki H (2019) Morphological and molecular identification of the dioecious “African species Volvox rousseletii (Chlorophyceae) in the water column of a Japanese lake based on field-collected and cultured materials. PLoS ONE 14(8): e0221632.

2019年08月16日



7月26日から29日に、東京大学本郷キャンパスで開催された 第5回国際ボルボックス会議(The fifth International Volvox Conferene)において、 当研究室の山本荷葉子さんが 若手最優秀発表賞 を、 高橋昂平さんと数口敦紀さんが若手優秀発表賞を、 それぞれ受賞しました。

行った発表は以下の通りです。
[口頭発表] 「Three sexes in the anisogamous volvocine alga Pleodorina starrii
Kohei Takahashi, Shota Yamashita, Kayoko Yamamoto, Hiroko Kawai- Toyooka, Yuki Tsuchikane, Hiroyuki Sekimoto and Hisayoshi Nozaki
「Revealing mating type locus evolution based on comparative genomics of heterothallic and homothallic Volvox species」
Kayoko Yamamoto, Takashi Hamaji, Hiroko Kawai-Toyooka, Hideki Noguchi, Yohei Minakuchi, Atsushi Toyoda and Hisayoshi Nozaki
[ポスター発表] 「Toward molecular bases of photoheterotrophy in the colonial volvocine species Astrephomene gubernaculifera and Volvulina steinii
Atsuki Suguchi, Shota Yamashita, Ryo Matsuzaki, Shigekatsu Suzuki, Haruyo Yamaguchi, Masanobu Kawachi, Hideki Noguchi, Yohei Minakuchi, Atsushi Toyoda and Hisayoshi Nozaki

2019年06月17日

当研究室博士課程3年の山下翔大さんらによる論文が6月11日付でBMC Evolutionary Biology誌にオンライン出版されました。
多細胞性進化の研究のモデル生物群であるボルボックス系列(volvocine algae)では、平面状群体から球状群体へのボディプランの進化が2つの系統で独立に起こったとされています。このうちボルボックス科(Volvocaceae)は発生過程において、細胞分裂期終了後に細胞の形状変化などによる「反転」という形態形成運動を行ない球状群体を形成しますが、もう一方の球状群体系統であるアストレフォメネ(Astrephomene)は発生過程で反転を行なわず、細胞分裂期の娘原形質体の回転によって細胞分裂面の角度を変え、球状群体を形成します。しかし、これら球状群体形成の細胞レベルのメカニズムが球状群体の進化以前にあったものかどうか、すなわち平面状群体をもっていた祖先にあったかどうかは不明瞭でした。
本論文では、現存するより祖先的な平面状群体をもつゴニウム(Gonium pectorale)とテトラバエナ(Tetrabaena socialis)に着目し、両種の光学顕微鏡タイムラプス撮影による発生の詳細な連続観察と、間接蛍光抗体法による細胞内の構造の観察を行ないました。ゴニウムでは細胞分裂期終了後に16細胞からなるカップ状の細胞層が徐々に広がって平面となる様子が、テトラバエナでは細胞分裂期終了後に4細胞からなる胚のうち、斜向かいの2細胞が前後に一度ずれ、ハッチ後に解消される様子がそれぞれ観察されました。これら平面状群体を持つ種の胚発生では、アストレフォメネの細胞分裂期にみられる娘原形質体の回転や、ボルボックス科の反転時にみられる細胞の形状変化はみられず、これらの球状群体形成メカニズムがそれぞれの系統での球状群体進化とともに新たに獲得されたものであることが示唆されました。今後はこれら球状群体形成メカニズムの分子基盤とその進化の解明が期待されます。
本論文で用いられた光学顕微鏡タイムラプス撮影による発生過程の動画は以下の雑誌のページで見ることができます。
Yamashita, S. and Nozaki, H. 2019.
Embryogenesis of flattened colonies implies the innovation required for the evolution of spheroidal colonies in volvocine green algae
BMC Evol. Biol. 19: 120. DOI: 10.1186/s12862-019-1452-x

2019年05月25日

当研究室の元特任研究員高野智之さん(2018年修士課程卒業)、野崎久義准教授と野尻湖水草復元研究会、兵庫県立大学、国立環境研究所、立命館大学の研究グループによる アオミドロ(Spirogyra)培養条件下で性を誘導して13種を分類した論文が5月23日付でScientific Reports誌にて公開されました。
詳しくはプレスリリース(別サイト)を御覧ください。
Tomoyuki Takano, Sumio Higuchi, Hisato Ikegaya, Ryo Matsuzaki, Masanobu Kawachi, Fumio Takahashi & Hisayoshi Nozaki
Identification of 13 Spirogyra species (Zygnemataceae) by traits of sexual reproduction induced under laboratory culture conditions Scientific Reports 9, Article number: 7458 (2019)
DOI:10.1038/s41598-019-43454-6

追記
2019年6月20日朝日新聞DIGITAL テック&サイエンスに以下のように掲載されました。
「身近な水面に広がる緑の… なぞ多きアオミドロ」

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このプレスリリースビデオが理学部Youtubeチャンネルにて公開されました。

東京大学大学院理学系研究科・理学部 School of Science, The University of Tokyo


2019年02月11日


Volvox dissipatrix が採集されたタイ国コンケン県のフィールド

ものさしでわかる径2 mmを超える世界最大級の Volvox dissipatrix

「径2 mmを超える世界最大級のボルボックスとその姉妹種 Volvox zeikusii sp. nov.
当研究室とタイのコンケン大学、山口大学、国立環境研究所等との国際共同研究による論文が2019年2月11日付けで国際藻類学会誌 Phycologiaにオンライン出版されました。
Smith (1944, Trans. Am. Microsc. Soc.) は世界のボルボックス(Volvox)を18種に分類したが、 径2 mm を超える巨大なものは細胞質連絡を欠く2種(V. gigas, V. powersii)と細胞質連絡が太い1種(V. rousseletii)としています。 最近筆者らは、タイのボルボックス類の調査を実施した結果、径 2 mm を超える巨大な群体を形成する株が得られました。本株の群体は細胞質連絡が細いタイプであり、雌雄同体の有性群体を形成しました。 これらの形態的特徴を原記載も含めた文献と比較検討した結果、本種は V. dissipatrix と同定されました。色素体5遺伝子を用いて系統解析した結果、 本株は “V. dissipatrix” と表示された豪州産株 (Starr 1968, PNAS) とインド産株 [NIES-731 (=UTEX 2184); Starr 1972, Br. Phycol. J.] と単系統群を形成し、 インド産株は他の2株と分離しました。これら3株の形態を光学顕微鏡と透過型電子顕微鏡で比較観察した結果、インド株の非生殖細胞の眼点は小さく、眼点顆粒の層の数が少ないことが明らかになりました。 インド産株はヘテロタリックであり(Starr 1972)、他の2株はホモタリック雌雄同体でありました(Starr 1968)。従って、前者を新種Volvox zeikusii として提唱しました。






Jeffrey A. Zeikus 博士(1993年UTEXにて撮影)






尚、本新種名はアメリカテキサス大学の藻類カルチャーコレクション(UTEX)のキュレターとして、脊髄性筋萎縮症という病魔と戦いながら車椅子で長年コレクションの管理と維持に貢献した 故Jeffrey A. Zeikus 博士に献名したものであリます。


Hisayoshi Nozaki, Mari Takusagawa, Ryo Matsuzaki, Osami Misumi, Wuttipong Mahakham ;amp Masanobu Kawachi (2019)
Morphology, reproduction and taxonomy of Volvox dissipatrix (Chlorophyceae) from Thailand, with a description of Volvox zeikusii sp. nov.,
Phycologia, DOI: 10.1080/00318884.2018.1540238

2018年9月13日


野崎研 W 受賞 !!

9月13日に広島県情報プラザにて開催された日本植物形態学会第30回大会において、当研究室の野崎久義准教授が学会賞を受賞しました。
また、山下翔大さんが以下のポスター発表を行ない、ポスター賞を受賞しました。

「平面状群体の胚発生の解析から探るボルボックス系列緑藻における球状群体への進化」 山下翔大、野崎久義







2018年8月31日

8月22日から25日に東京大学駒場キャンパスにて開催された日本進化学会第20回大会において、当研究室の山下翔大さんが以下のポスター発表を行ない、最優秀ポスター発表賞を受賞しました。
「ボルボックス系列における球状群体の平行進化の発生学的解明に向けて」
山下翔大、野崎久義






2018年4月7日

当研究室と台湾の中央研究院、山口大学、国立環境研究所等との国際共同研究による論文が2018年4月3日付けで Botanical Studies誌にオンライン出版されました。


調査に使用した中央研究院生物多様性中心の公用車。


Volvox carteriが採集された放置水田。ともかく暑かった!

 群体性ボルボックス目は性進化や多細胞化のモデル系統群として世界的に注目されつつあるが、ボルボックス(Volvox)属は 分子系統的に多系統であるため細胞数の増加とともに多起源的に卵生殖が誕生したと推測されています。しかし、多くの種に関する形態学的情報は希薄であり、 殆どの種が特定の地域だけから報告された固有種であり、種分類学的研究は立ち後れており、過去に確立された培養株は現在絶滅しているか、 長い継代培養で有性生殖能力が衰退したものが殆どであります。従って、本研究室では世界各地からボルボックスの様々な種を採集し新規培養株を確立する研究を実施しています。
 本論文では、台湾の共同研究者の現地情報と現地での採集協力の結果得られた台湾新産種であるVolvox carteriについて研究しました。 2016年調査した台北付近の数カ所の水田・放置水田の水サンプルから33株を確立し、核ITS-2領域の情報から全ての株がV. carteri f. nagariensisと同定されることが明らかになりました。 しかし、有性生殖を誘導するとオス群体の形態がこれまで報告された本分類群のものと異なることが判明しました。また、性特異的遺伝子(Ferris et al. 2010, Science)に着目したゲノムPCRを実施した結果、 メス特異的HMG1fを欠損している可能性のあるメス1株が明らかとなりました。今後、この株を用いた本遺伝子の機能推定が期待されます。
Hisayoshi Nozak, Noriko Ueki, Mari Takusagawa, Shota Yamashita, Osami Misumi, Ryo Matsuzaki, Masanobu Kawachi, Yin-Ru Chiang and Jiunn-Tzong Wu
Morphology, taxonomy and mating-type loci in natural populations of Volvox carteri in Taiwan
Botanical Studies (2018) 59:10 https://doi.org/10.1186/s40529-018-0227-9


2018年3月8日

当研究室の浜地貴志博士(現京都大学)、豊岡博子博士等と国立遺伝学研究所等とのグループによる、 全ゲノム解読で明らかにした同型配偶からオス・メスの出現と性染色体領域の進化に関する論文が3月8日付で Communications Biology 誌 (ネイチャー・リサーチの新刊オンライン版雑誌) で公開されました。
詳しくはプレスリリース を御覧ください。
Takashi Hamaji, Hiroko Kawai-Toyooka, Haruka Uchimura, Masahiro Suzuki, Hideki Noguchi, Yohei Minakuchi, Atsushi Toyoda, Asao Fujiyama, Shin-ya Miyagishima, James G. Umen and Hisayoshi Nozaki
Anisogamy evolved with a reduced sex-determining region in volvocine green algae
DOI:10.1038/s42003-018-0019-5


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このプレスリリースビデオが理学部Youtubeチャンネルにて公開されました。

東京大学大学院理学系研究科・理学部 School of Science, The University of Tokyo



東大SNSで報告されました。
▼Facebook(日本語)
https://www.facebook.com/UTokyo.News

▼Twitter(日本語)
https://twitter.com/UTokyo_News
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本論文に関連した豊岡博子博士撮影のユードリナ(Eudorina)のオスとメスの配偶子の写真がCommunications Biology 誌のFeatured Imageに採択されました。
また、本論文はNature Ecology and Evolution Community のブログ ”Behind the paper” で “A small blueprint of “Adam” unveiled based on de novo assemblies of four nuclear whole genomes” として紹介されました。

2017年12月28日


最も細胞数の少ない多細胞生物シアワセモ

「世界最小の多細胞生物シアワセモの全ゲノム解析」
当研究室とウィットウォーターズランド大学、アリゾナ大学、カンサス州立大学との国際共同研究による論文が2017年12月26日付けでMolecular Biology and Evolution誌のaccepted manuscriptとしてオンライン出版されました。
多細胞性の進化は、真核生物の様々な系統で独立に何度も生じています。しかし、多くの系統で単細胞性から多細胞性への中間段階の種が現存しないため、どのような進化的イベントにより多細胞性が獲得されたのか多くの謎が残されています。 これまでに、多細胞性進化のモデル生物群であるボルボックス系列藻類のうち、単細胞性のクラミドモナス (Chlamydomonas reinhardtii)、16細胞性のゴニウム (Gonium pectorale)、 500細胞以上からなるボルボックス (Volvox carteri) の3種の比較ゲノム解析から、細胞周期関連遺伝子群の改変が多細胞性に寄与した可能性が示されてきました (Hanschen et al. 2016 Nat. Commun.)。 そこで今回、より多細胞化初期での分子レベルの進化と多細胞性の関連を調べるべく、本系列で最も細胞数が少なく、最も初期に多細胞性の種として分岐した4細胞性のシアワセモ (Tetrabaena socialis) の全ゲノム解析を実施しました。 その結果、シアワセモを含む多細胞性の種では個体発生 (DNA修復や細胞接着など) に関する遺伝子群が拡大傾向にあり、200以上の遺伝子群が多細胞性の種で正の選択を受けていると推定されました。 さらに多細胞性の種では細胞周期関連遺伝子群の多様化に加え、ユビキチンプロテアソーム系の遺伝子群においてもゲノムレベルでの改変がみられ、これらの進化も多細胞性獲得の初期に貢献した可能性が示されました。
Featherston J., Arakaki Y., Hanschen ER., Ferris PJ, Michod RE., Olson BJSC., Nozaki H., Durand PM.
The 4-celled Tetrabaena socialis nuclear genome reveals the essential components for genetic control of cell number at the origin of multicellularity in the volvocine lineage.
Molecular Biology and Evolution. msx332. https://doi.org/10.1093/molbev/msx332

2017年12月15日

雌雄同体性ボルボックスを用いた当研究室の研究成果が以下の記事で紹介されています。
Another step toward understanding sex determination in Volvox https://freethoughtblogs.com/fierceroller/?p=3157

2017年12月06日


本研究で明らかになったDRP1局在パターンの単細胞性と多細胞性での違い

 当研究室の新垣陽子博士らと国立遺伝学研究所、東京工業大学、ウィットウォーターズランド大学 (南アフリカ共和国) との国際共同研究による論文が、2017年12月6日付でBMC Evolutionary Biology誌にて出版されました。
 ボルボックス系列緑藻は多細胞性進化のモデル生物群として注目されています (e.g. Kirk 2005 BioEssays)。 本系列の単細胞性と多細胞性の違いのひとつとして、細胞質分裂様式の違いがありますが、これまで分子レベルの知見はほとんどありませんでした。 そこで今回、陸上植物で細胞質分裂に関わるとされるダイナミン様タンパク質DRP1 (Hong et al. 2003 Plant Mol. Biol.) に注目し、 本系列の単細胞性のクラミドモナス (Chlamydomonas) と多細胞性のうち最も細胞数少ない4細胞性のシアワセモ (Tetrabaena)、16細胞性のゴニウム (Gonium) を用いて比較解析を行いました。 その結果、第二分裂時に単細胞性と多細胞性で局在パターンが異なることが明らかとなりました。DRP1は本系列の多細胞化にともなって局在の変化した分子のひとつであるといえます。 また、本研究はボルボックス系列の細胞質分裂と多細胞性の関連をはじめて分子レベルで示すものであり、ボルボックス系列における多細胞性の進化を明らかにする上で、重要な知見となるでしょう。
Arakaki Y., Fujiwara T., Kawai-Toyooka H., Kawafune K., Featherston J., Durand PM., Miyagishima S. and Nozaki H. 2017.
Evolution of cytokinesis-related protein localization during the emergence of multicellularity in volvocine green algae.
BMC Evol. Biol. 17:243. DOI:10.1186/s12862-017-1091-z

2017年09月12日


切り立った谷間にある酸性河川を尾根から見渡す樋口、廣岡、宮城島の3先生(2013年9月)。

国立遺伝学研究所・豊橋技術科学大学・東京農業大学・野尻湖水草復元研究会との共同研究による論文が、米国科学誌「米国科学アカデミー紀要(PNAS)」のオンライン速報版(Early Edition)に掲載されました。
材料は本研究室が車軸藻類ホシツリモの保全生物学的研究で長年共同研究を実施してる野尻湖水草復元研究会の樋口澄男先生が発見した長野県の廃鉱の酸性河川に生育するクラミドモナスの1種です。 本藻の全ゲノム解析から酸性環境への適応の分子メカニズムとその遺伝子水平伝達による獲得進化を明らかにしたものです。 詳しくは 国立遺伝学研究所からのプレスリリースを御覧ください。
Shunsuke Hirooka, Yuu Hirose, Yu Kanesaki, Sumio Higuchi, Takayuki Fujiwara, Ryo Onuma, Atsuko Era, Ryudo Ohbayashi, Akihiro Uzuka, Hisayoshi Nozaki, Hirofumi Yoshikawa, Shin-ya Miyagishima
Acidophilic green algal genome provides insights into adaptation to an acidic environment
PNAS September 11, 2017 DOI:10.1073/pnas.1707072

2017年08月04日

以下のように野崎研究室が主導した研究の2個の論文が最近出版されています。
Hamaji, T., Kawai-Toyooka, H., Toyoda, A., Minakuchi, Y., Suzuki, M., Fujiyama, A., Nozaki, H. and Smith, D. R. 2017.
Multiple independent changes in mitochondrial genome conformation in chlamydomonadalean algae.
Genome Biology and Evolution 9: 993-999. DOI: https://doi.org/10.1093/gbe/evx060

Yamamoto, K., Kawai-Toyooka, H., Hamaji, T., Tsuchikane, Y., Mori, T., Takahashi, F., Sekimoto, H., Ferris, J. P. and Nozaki, H. 2017.
Molecular evolutionary analysis of a gender-limited MID ortholog from the homothallic species Volvox africanus with male and monoecious spheroids.
PLoS ONE 12(6): e0180313. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0180313.

2017年06月30日


尚、P. sphaericaの写真が Phycologia 56巻
4号の表紙を飾りました。

「幻のプレオドリナ65年ぶりの再発見」
 コンケン大学・山口大学・国立環境研究所・モンタナ大学との共同研究による論文が国際藻類学会誌 Phycologia に掲載されました。
2鞭毛型の遊泳細胞が集合し、多細胞化したボルボックス系列の最も進化段階の高いものがボルボックス(Volvox)属で、その直前がプレオドリナ(Pleodorina)属と伝統的に考えられていました。 ボルボックスは500以上の細胞をもち、非生殖細胞が球体の前端から後端までほぼ均一に分布していますが、プレオドリナは細胞数が200以下で非生殖細胞は球体の前半だけに通常分布します。 しかし、Pleodorina sphaerica は通常のボルボックスと同様に球体の前端から後端まで非生殖細胞が均等に分布しますが、細胞数は200未満であるという両属の中間的な形態をもち、 ボルボックスの祖先的な種であると議論されていました (Iyengar 1933, J. Linn. Soc. London Bot. 49: 323–375.)。 これまでに本種はインドから2回報告されただけであり、1951年以来採集記録もありませんでした(Iyengar & Ramanathan 1951, Phytomorphology 1: 215–224.)。 今回65年ぶりにタイ王国からP. sphaerica が採集され、培養株を用いて分子系統学的解析を実施しました。 その結果、本種は非生殖細胞が群体の前半だけに分布する他の種のプレオドリナ(P. californica, P. japonica)の姉妹種であることが明らかになりました。 これら3種のプレオドリナはボルボックッス8種と大きな単系統群を形成し、その末端の系統に位置しました。従って、P. sphaericaはボルボックスの祖先種というより、プレオドリナの祖先種である可能性が議論されました。
Nozaki, H., Mahakham, W., Athibai, S., Yamamoto, K., Takusagawa, M., Misumi, O., Herron, M. D., Rosenzweig, F. and Kawachi, M. 2017.
Rediscovery of the ‘ancestral Volvox' species: morphology and phylogenetic position of Pleodorina sphaerica (Volvocales, Chlorophyceae) from Thailand.
Phycologia 56: 469-475. http://dx.doi.org/10.2216/17-3.1

2017年03月01日

多細胞化のモデル生物群である群体性ボルボックス目を用いた当研究室の多細胞化に関する研究成果が以下の記事で紹介されています。
「ボルボックスの仲間から多細胞化を探る」
生命誌ジャーナル92号 http://www.brh.co.jp/seimeishi/journal/

2016年11月24日

金平糖
2005年6月に発生した神奈川県相模湖の “赤い金平糖” のようなボルボックス節の接合子。

当研究室が主幹する東京工業大学・国立環境研究所との共同研究による論文が国際科学誌 PLOS ONEに掲載されました。
ボルボックス属は4個の独立した系統群からなる多系統群であります。その中でボルボックス節はタイプ種を含む ”本物のボルボックス” であり、刺で覆われた “金平糖のような” 赤褐色の接合子壁をもつことを特徴しています。水田や沼から採取された本節の培養材料と遺伝子情報を用いた分類学的研究は我々の研究室が世界に先駆けて実施しています (Isaka et al. 2012, J. Phycol., Nozaki et al. 2015, Phycologia)。しかし、大型湖沼産の本節の同様の研究はなく、大型の湖で夏期に発生する “赤い金平糖” の正体は不明でありました。
今回、神奈川県相模湖と津久井湖のボルボックス節の1種 “Volvox sp. Sagami” の実態が培養実験と遺伝子情報から明らかになりました。本種は形態的には新型であり、姉妹種の日本の水田に生育する Volvox ferrisii とは核コードrDNAのITS領域とpsbC遺伝子で1塩基ずつ異なり、psbC遺伝子には他のボルボックス節では認められないgroup IA イントロンの挿入があり、Volvox sp. Sagamiは単一起源であると推測されました。しかし、Volvox sp. SagamiとV. ferrisii との遺伝的差異が他のボルボックス目の同一種の変異程度であることから、形態的変異の大きい同一種の2型であることも考えられ、暫定的にVolvox sp. Sagami と表示しました。Volvox sp. Sagami は滋賀県の小型の池からも採取されており、V. ferrisii は水田以外に伊佐沼に連結した小さな池からも採取されています。
これら2型は非常に近縁なグループでありますが、大型湖、池、水田に生育し、生態的には大きく異なります。したがって、遊泳速度が生態的差異で異なると思われたので、各株の球体の遊泳速度を測定しました。その結果、遊泳速度は大型湖、池、水田の順で高く、遊泳速度に影響していると考えられる球体の大きさ (Solari et al. J. Phycol. 2008) の差異は認められませんでした。

調査
2015年6月神奈川県相模湖での調査。この調査で今回の ”泳ぎが得意な” Volvox sp. Sagamiのサンプルが得られました。

野崎研究室が1999年から学生実習で毎年調査している相模湖・津久井湖の “泳ぎの得意” なボルボックス節の正体がようやく明らかになって来たようです。これらの湖には少なくとももう1種のボルボックス節がいるようです(未発表)。今後の研究に期待しましょう。

Nozaki H, Ueki N, Isaka N, Saigo T, Yamamoto K, Matsuzaki R, Takahashi F, Wakabayashi K, Kawachi M. 2016
A New Morphological Type of Volvox from Japanese Large Lakes and Recent Divergence of this Type and V. ferrisii in Two Different Freshwater Habitats.
PLoS ONE 11(11): e0167148. doi:10.1371/journal.pone.0167148

2016年11月15日

当研究室修士課程2年の山下翔大さんらと法政大学との共同研究による論文が11月9日付でBMC Evolutionary bsogy誌にオンライン出版されました。
多細胞化の進化学的研究のモデル生物群として近年注目されているボルボックス系列(volvocine algae)のうち、平板状群体から球状群体への進化は、ボルボックス科(Volvocaceae)と、ゴニウム科のアストレフォメネ属(Astrephomene)の、2つの系統で独立に起こったとされています。このうちボルボックス科は発生過程において、自身の細胞層を裏返す「反転」(inversion)という特徴的な形態形成運動を行ないますが、アストレフォメネは発生過程で反転を行なわずに球状群体を形成することが知られていました。しかし、反転の分子・細胞生物学的メカニズムが詳細に解析されているボルボックス科とは対照的に、これまでアストレフォメネの詳細な発生学的解析は行なわれておらず、球状群体形成のメカニズムも全くの未知でした。
本論文では、野外試料より確立したアストレフォメネの新規培養株と、ボルボックス科の比較対象としてユードリナ(Eudorina)を用いて、光学顕微鏡タイムラプス撮影による発生の詳細な連続観察を行ないました。アストレフォメネでは各細胞質分裂の間に娘原形質体の回転が起こり、それによって細胞分裂面の角度が変化することで細胞層が徐々に球状となっていくことが示唆されました。一方、ユードリナでは娘原形質体の回転は起こらず、球状の群体は細胞分裂後の反転によって形成されました。間接蛍光抗体法による細胞内の構造の観察からもこの娘原形質体の回転の有無が支持されました。本論文により、球状群体を進化させた2つの系統はそれぞれ細胞レベルで異なる球状群体形成のメカニズムを獲得したことが明らかとなりました。今後はこの2つの球状群体形成のメカニズムの分子レベルでの相違性、共通性の解明が期待されます。
本論文で用いられた光学顕微鏡タイムラプス撮影による発生過程の動画は以下の雑誌のページで見ることができます。
Yamashita, S., Arakaki, Y., Kawai-Toyooka, H., Noga A., Hirono M. and Nozaki, H. 2016.
Alternative evolution of a spheroidal colony in volvocine algae: developmental analysis of embryogenesis in Astrephomene (Volvocales, Chlorophyta)
BMC Evol. Biol. 16: 243. DOI: 10.1186/s12862-016-0794-x

2016年7月15日

ヨゴレコナハダ図
紅藻ヨゴレコナハダ (Otohimella japonica) の日本海側での生存を確認

当研究室の元特任研究員の鈴木雅大博士らと神戸大学・山梨大学・東京工業大学・北海道大学・国立科学博物館等との共同研究による論文が7月7日付で PLOS ONE からオンライン出版されました。
紅藻ヨゴレコナハダ (Liagora japonica) は、神奈川県三浦半島三崎で記載された海藻ですが、三崎では1927年以降、本州太平洋沿岸では1960年以降採集記録が無く、この地域では絶滅種と考えられています。著者らは新潟県佐渡島と島根県隠岐の島でヨゴレコナハダに近似するサンプルを採集しましたが、日本海側のサンプルと、ヨゴレオコナハダの原記載の記述とが完全には一致せず、同一種かどうか確証を得ることが出来ませんでした。そこで、北海道大学大学院理学研究院植物標本庫 (SAP) に収蔵されている1927年に採集されたヨゴレコナハダのトポタイプ標本と、1958年に和歌山県で採集された押し葉標本からDNAを抽出しました。古い標本のDNAは断片化していると考えられ、従来のサンガー法シーケンスでは配列決定が難しいことから、次世代シーケンサIllumina MiSeqを用いて解析し、両サンプルの核、色素体、ミトコンドリアにコードされる7遺伝子の塩基配列を決定しました。トポタイプとその他のサンプルの遺伝子の配列は98.5%以上近似していました。また、タイプ標本を水に戻して観察し、原記載と日本海側のサンプルとの記載の不一致が、過去の観察の間違いである可能性を示しました。以上の結果から、日本海側のサンプルはヨゴレコナハダであり、ヨゴレコナハダは太平洋側では絶滅の可能性が高いものの、日本海側では生存していることが明らかとなりました。
佐渡島と隠岐の島のヨゴレコナハダの生殖器官の構造を詳細に観察したところ、ヨゴレコナハダの生殖器官の構造は、コナハダ属 (Liagora)及びコナハダ科 (Liagoraceae) に所属しているどの属とも一致せず、遺伝子を用いた分子系統解析においても独立の属であることが示唆されたことから、ヨゴレコナハダ属Otohimellaを設立し、ヨゴレコナハダをコナハダ属から移しました。
タイプ産地での採集が困難な種や絶滅種は、50年から100年以上前に作られた標本しか残されていないことが多いのですが、本研究により古い標本であっても、DNAの抽出、遺伝子配列を決定することで分類学的検討が可能であることが示されました。次世代シーケンサの普及により、これまで分類学的研究が困難であった種の問題解決が進むことが期待されます。
Suzuki, M., Segawa, T., Mori, H., Akiyoshi, A., Ootsuki, R., Kurihara, A., Sakayama, H., Kitayama, T., Abe, T., Kogame, K., Kawai, H. and Nozaki, H. 2016. Next-generation sequencing of an 88-year-old specimen of the poorly known species Liagora japonica (Nemaliales, Rhodophyta) supports the recognition of Otohimella gen. nov. PLoS One 11: e0158944.

2016年7月11日

平成27年度に当研究科博士課程を修了した当研究室所属であった高橋紀之博士らによる、大阪大学・理化学研究所・国立科学博物館との共同研究の論文が以下のように掲載されました。これまで遺伝的多様性は認められていましたが、形態的な識別基準がなかったために原始的一次植物灰色藻類 Glaucocystis 属の種レベルの分類は停滞していました。しかし、今回の論文では超高圧電子顕微鏡と低電圧超高解像走査型電子顕微鏡等の複数の形態観察手法で Glaucocystis 属の遺伝的に異なる6隠蔽種 (Chong et al.2014, Mol. Phylogenet. Evol. 76) が形態的に異なる種であることを明らかにしました。今後、このようなハイテクを用いた次世代の微細生物の種分類が普及していくものと期待されます。
Takahashi, T., Nishida, T., Tuji, A., Saito, C., Matsuzaki, R., Sato, M., Toyooka, K., Yasuda, H. and Nozaki, H. 2016. Delineation of six species of the primitive algal genus Glaucocystis based on in situ ultrastructural characteristics. Scientific Reports 6: 29209. doi:10.1038/srep29209
Takahashi, T., Nishida, T., Saito, C., Yasuda, H. and Nozaki, H. 2016. A new type of 3-D peripheral ultrastructure in Glaucocystis (Glaucocystales, Glaucophyta) as revealed by ultra-high voltage electron microscopy. J. Phycol. 52: 486-490. DOI: 10.1111/jpy.12412

2016年4月28日

産經新聞 当研究室の浜地貴志博士、野崎久義准教授、豊岡博子博士と国立遺伝学研究所、アリゾナ大学、カンザス州立大学等の国際研究グループによるゴニウム(Gonium pectorale)の全ゲノム解読に関する論文が4月22日付でNature Communications誌にて公開されました。 詳しくはプレスリリースを御覧ください。
Erik R. Hanschen, Tara N. Marriage, Patrick J. Ferris, Takashi Hamaji, Atsushi Toyoda, Asao Fujiyama, Rafik Neme, Hideki Noguchi, Yohei Minakuchi, Masahiro Suzuki, Hiroko Kawai-Toyooka, David R. Smith, Halle Sparks, Jaden Anderson, Robert Bakarić, Victor Luria, Amir Karger, Marc W. Kirschner, Pierre M. Durand, Richard E. Michod, Hisayoshi Nozaki & Bradley J. S. C. Olson.
The Gonium pectorale genome demonstrates cooption of cell cycle regulation during the evolution of multicellularity.
doi:10.1038/ncomms11370

追記:2016年5月25日
同論文の記事は以下のように掲載されました。

産経新聞2016年5月23日号
産経ニュース 2016.5.23 10:37【科学】「東大チームが単細胞→多細胞への進化の鍵を発見 がん抑制遺伝子が初期段階で働く」
マイナビニュース 「東大など、生物の「多細胞化」のカギを握る遺伝子を解明」デイビー日高 [2016/05/06]
サイエンスジャーナル 2016年05月09日23:38「生物はいつから『多細胞化』したのか?カギを握る遺伝子をボルボックスで解明!」
大学ジャーナル 2016年5月1日「生物の多細胞化はがん抑制遺伝子が原因 ゲノム解読で解明 東京大学など」大学ジャーナルオンライン編集部
日経バイオテクOnline 「Kansas州立大と東大など、癌抑制遺伝子は単細胞生物の多細胞化に寄与/国立遺伝研が緑藻ボルボックスの全ゲノム解読を推進」2016年4月27日 11:30 河田孝雄

2016年3月1日

群体性ボルボックス目緑藻における性決定領域と性決定遺伝子のゲノム進化について論じた論文がオンライン公開されました(2016年2月26日・G3誌)。
本論文は当研究室卒業の浜地貴志博士の博士論文の主要部をなす内容を中心に、国立遺伝学研究所の「ゲノム支援」によるデノボ全ゲノムデータから判明した側面を追加した国際共同研究の結果出版されたものであり、 当研究室元特任研究員の茂木祐子博士らによるプラス型配偶子特異的に発現する細胞接着因子FUS1ホモログの局在解析によって、同型配偶緑藻配偶子間の種特異的な「アロ認証」における分子基盤の進化の解明に向けた糸口が開かれました。
Hamaji T, Mogi Y, Ferris PJ, Mori T, Miyagishima S, Kabeya Y, Nishimura Y, Toyoda A, Noguchi H, Fujiyama A, Olson BJ, Marriage TN, Nishii I, Umen JG, Nozaki H.
Sequence of the Gonium pectorale Mating Locus Reveals a Complex and Dynamic History of Changes in Volvocine Algal Mating Haplotypes. G3 (Bethesda) (2016). doi: 10.1534/g3.115.026229

2016年1月6日

Pyrobotrys elongata
77年ぶりに発見されたPyrobotrys elongata の光学顕微鏡写真。
矢印が眼点で、後方のものが巨大である点が特異的である。
足立区の舎人公園の池から採取された材料。スケールバーはすべて5ミクロンメートル。

平成26年度に当研究科修士課程を修了した、当研究室出身の菅澤瑞穂さんらによる論文が国際細胞学雑誌キトロギア(Cytologia)の12月号に掲載されました。 緑藻綱ボルボックス目のスポンディロモルム科は膨潤しない細胞壁で細胞同士が接続した群体を形成することで他のグループと区別されています。 4属15種が記載されていますが、稀産であることや培養が困難なことから研究が遅れていました。 この論文では新規培養法を確立し、本科のPyrobotrys 属3種8株の新規培養株を確立し、形態と分子系統解析で分類しました。 この中で原記載 (Korshikov 1938, Proc. Kharkov A. Gorky State Univ.) 以来採集報告のなかった特異な巨大眼点をもつP. elongataの存在が培養株で確認されました。 P. elongataP. casinoensis と栄養群体の細胞数が同じで細胞形態も類似していますが、培養株の比較観察で眼点の形態に明らかな差異が認められ、系統的位置も分離したため、両種は別種とするのが妥当であると結論しました。
Sugasawa, M., Matsuzaki, R., Kawafune, K., Takahashi, T., Kawachi, M., Krienitz, L. and Nozaki, H. 2015.
Taxonomic study of Pyrobotrys (Spondylomoraceae, Chlorophyceae) based on comparative morphological and molecular analyses of culture strains established using novel methods. Cytologia 80: 513-524.

2015年11月14日

2014琵琶湖調査
新種のボルボックスが採集された時の琵琶湖調査

 当研究室と立命館大学、国立環境研究所との共同研究による論文が11月12日付で PLOS ONE からオンライン出版されました。
 群体性ボルボックス目は性の進化研究のモデル生物群と考えられており、卵生殖で500以上の細胞をもつボルボックス(Volvox)が頂点であると考えられています。 本属は形態的に4節に分類され (Smith 1944, Trans. Am. Microsc. Soc.)、細胞間の原形質連絡を欠くMerrillosphaera節のV. carteriが最も良く研究されています。 Starr (1971, Cont. Phycol.)はMerrillosphaera 節の “V. africanus”を世界各地から収集し、有性生殖の4タイプを報告し、Coleman (1999, PNAS) はITS2配列の解析からヘテロタリック雌雄異体の "HeDタイプ" がホモタリックの3タイプと姉妹群を形成することを明らかにしました。 しかし、現在ホモタリック株は入手できず、入手可能なHeDタイプの株も古いので、更なる研究は停止していました。
 最近、我々は琵琶湖から無性群体の形態からV. africanus と同定される複数の培養株を確立しました。 有性生殖はStarr (1971)のホモタリックで同一の株で雌雄同体群体と雄群体を作る "HoM+mタイプ" とHeDタイプの2タイプでした。今回、両タイプは分子情報ならびに接合子と群体の細胞外基質の形態で識別されました。 Starr (1971)は接合子と群体の細胞外基質の形態を観察していないが、Smith (1944) 以前の原記載を含む世界各地からのV. africanusの報告を基にすると、今回のHoM+mタイプはV. africanusで、HeDタイプは新種 V. reticuliferusであると結論されました。 また、この論文では従来Merrillosphaera節が系統解析すると多系統になるので、節レベルではそれぞれが単系統になるように分類学的に再編成しました。
 しかし、Volvox 属はいまだ多系統であります。いったい誰がこの属レベルの問題を整理するのでしょうか。
Nozaki, H., Matsuzaki, R., Yamamoto, K., Kawachi, M. and Takahashi, F. 2015.
Delineating a new heterothallic species of Volvox (Volvocaceae, Chlorophyceae) using new strains of “Volvox africanus”. PLoS One 10: e0142632. doi: 10.1371/journal.pone.0142632.

2015年10月06日

当研究室博士課程3年の高橋紀之さん、野崎久義准教授らによる、大阪大学との共同研究の成果論文が2015年10月にScientific Reports誌に公開されました。 詳しくはプレスリリースをご覧下さい。
Takahashi, T., Nishida, T., Saito, C., Yasuda, H., Nozaki, H. 2015.
Ultra-high voltage electron microscopy of primitive algae illuminates 3D ultrastructures of the first photosynthetic eukaryote.
Sci.Rep. doi:10.1038/srep14735
screenshot of 研究.com
追記:2015年10月13日
日本の研究.com で同じ日 10/6 のノーベル賞受賞を超えて「プレスリリースアクセスランキング1位」(10/6-10/12)となりました

2015年09月19日

野崎研から平瀬賞ダブル受賞

 平成27年度日本植物形態学会(第20回)平瀬賞が以下のように決定され、9月5日に新潟市朱鷺メッセで開催された日本植物形態学会第27回大会で授賞式が実施されました。 同賞は、イチョウの精子を発見した平瀬作五郎の功績を讃えてその名を冠したもので、植物形態学の進歩に寄与する独創的で優れた論文に与えられるものです。
→日本植物形態学会のページヘ
受賞論文は以下の2個です。

Takahashi, T., Sato, M., Toyooka, K., Matsuzaki, R., Kawafune, K., Kawamura, M., Okuda, K. & Nozaki, H. 2014.
Five Cyanophora (Cyanophorales, Glaucophyta) species delineated based on morphological and molecular data. Journal of Phycology. Volume 50, Issue 6, pages 1058–1069. DOI: 10.1111/jpy.12236.
[当研究室博士課程3年高橋紀之さん、松崎令博士、川舩かおる博士(昨年度野崎研)、野崎久義准教授と独立行政法人理化学研究所、高知大学との共同研究の論文]
→東京大学のニュースページヘ

Maruyama, D. Völz, R. Takeuchi, H., Mori, T., Igawa, T., Kurihara, D., Kawashima, T., Ueda, M., Ito, M., Umeda, M., Nishikawa, S., Groß-Hardt, R. and Higashiyama, T. 2015.
Rapid elimination of the persistent synergid through a cell fusion mechanism. Cell volume 161: 907-918. doi: 10.1016/j.cell.2015.03.018.
[当研究室の森稔幸博士と名古屋大学、千葉大学との共同研究の論文]

2015年09月19日

 当研究室の松崎令博士、豊岡博子博士、野崎久義准教授らによる論文が国際藻類学会誌(Phycologia)にオンライン掲載されました。
 山岳地域や極域の雪が緑や赤に彩られる現象(彩雪)は、アリストテレス(BC 384-BC 322)の「動物誌」や、平安時代に編纂された「続日本紀」に記述がみられるように、 古くから人類の興味を惹きつけてきました。彩雪を引き起こす主な原因は、単細胞遊泳性の緑藻クロロモナス属(Chloromonas)の接合子や栄養細胞と考えられています。 特に C. brevispinaC. nivalis は、それぞれの接合子として同定できるサンプルが日本を含む世界各地の彩雪から報告されていることから、コスモポリタン種とされています。 しかしながら、それらの接合子の発芽誘導はこれまで成功しておらず、また、分子同定の実施に十分な塩基配列データを獲得することも難しいため、彩雪中の接合子の実際の種はほとんど分かっていませんでした。
 この論文では、単一彩雪サンプルに由来し、光学顕微鏡レベルで形態の一致する50細胞を集めて抽出した DNA を使用することで、 C. brevispina または C. nivalis の接合子として形態的に同定される日本産のサンプルから、 6遺伝子・DNA領域(約7,500塩基対)の塩基配列データを獲得することに成功しました。 これらの分子データを用いて、接合子サンプルと正確に種を識別した氷雪性クロロモナス属の培養株(松崎博士らが昨年発表した手法に基づく) との比較分子解析を実施したところ、日本産の “C. brevispina” 接合子は日本産の新種 C. krienitzii の培養株と、日本産 “C. nivalis” 接合子の一部は 日本産 C. miwae の培養株と、それぞれ分子レベルで同一種であると考えられました。 本論文により、アリストテレス以来の謎だった、彩雪の原因となる接合子の種の実体が、分子データで初めて明らかになりました。

Matsuzaki R., Kawai-Toyooka H., Hara Y. and Nozaki H. 2015.
Revisiting the taxonomic significance of aplanozygote morphologies of two cosmopolitan snow species of the genus Chloromonas (Volvocales, Chlorophyceae).
Phycologia 54: 491-502.

2015年09月02日

 当研究室の森稔幸博士、豊岡博子博士、野崎久義准教授らの総説論文が国際植物学誌Molecular Plantにオンライン掲載されました。 森博士らによる、真核生物に普遍的な配偶子融合因子GENERATIVE CELL SPECIFIC 1 (GCS1)の論文発表からおよそ10年の間に、緑藻と被子植物における配偶子融合の分子機構は劇的に解析が進みました。 特に近年は、被子植物の精細胞が卵細胞との融合前に活性化され、GCS1分子を細胞表面に移行させることや、融合には精細胞側の膜タンパク質GEX2による配偶子接着行程が伴うことなどがわかり、 GCS1の保存性以外にもボルボックス科緑藻の接合様式との共通性が多くあることが分かってきました。 ボルボックス科緑藻は、同形配偶から異形配偶、卵生殖までの進化を現代において追跡できる材料であり、その接合様式の変遷は、全緑色植物ひいては真核生物全般における受精様式進化を反映する縮図と見なすことができるかも知れません。
Toshiyuki Mori, Hiroko Kawai-Toyooka, Tomoko Igawa and Hisayoshi Nozaki Gamete Dialogs in Green Lineages.
Mol. Plant 8: 1442-1454. doi: 10.1016/j.molp.2015.06.008.
screenshot of Mol plant
追記:2015年10月6日
上記の論文は、Molecular Plant 8巻10号のEditor's Choiceに選ばれ、Featured Articleとして掲載されました。

2015年09月02日

「世界最小の多細胞生物で世界一のポスター賞受賞」
8月19日から22日に英国ケンブリッジのケンブリッジ大学で開催された第3回国際ボルボックス会議(The Third International Volvox Conferene)において、 当専攻博士課程3年の新垣陽子さんが以下のポスター発表で “The 2015 Prize for Best Poster” を受賞しました。
写真はポスターを前にしてカナダと南アフリカの研究者と一緒の新垣さんです。
世界最小の多細胞生物 Arakaki, Y., Sugasawa, M., Matsuzaki, R., Kawai-Toyooka, H. and Nozaki, H. “Unveiling the initial stage of multicellularity within the Volvocales”

2015年08月13日

 平成26年度に当研究科修士課程を修了した、当研究室出身の菅澤瑞穂さんらによる論文が国際藻類学会誌(Phycologia)の8月号に掲載されました。  緑藻綱ボルボックス目のスポンディロモルム科は膨潤しない細胞壁で細胞同士が接続した群体を形成することで他のグループと区別されています。4属15種が記載されていますが、稀産であることや培養が困難なことから研究が遅れていました。 この論文では採集時期や培養法を検討した結果、4細胞性のPascherina tetrasの新規培養株を世界で初めて確立することができたため、それらの形態学的な観察と分子系統解析を実施しました。分子系統解析の結果、Pascherina と同じスポンディロモルム科に分類されていたPyrobotrysとは系統的に分離し、スポンディロモルム科は多系統であることが明らかになりました。また、緑藻ボルボックス目の中で単細胞から群体・多細胞へ進化したことが少なくとも4回独立に起きたことが推測されました。 Pascherinaはシアワセモ(Tetrabaena)と同じ最も細胞数の少ない4細胞性群体をもちます。しかし、Pascherinaの場合は近縁な生物が単細胞性のものしかないので、ごく最近4細胞化したことが推測され、本生物を用いた多細胞化の初期に関する今後の研究が期待されます。
 Pascherinaの和名はまだありません。4個の細胞は2個ずつ食い違って並び、節をあわせているようなので、「節合わせ藻(フシアワセモ)」という意見もありました。
Mizuho Sugasawa, Ryo Matsuzaki, Yoko Arakaki, and Hisayoshi Nozaki (2015)
Morphology and phylogenetic position of a rare four-celled green alga, Pascherina tetras (Volvocales, Chlorophyceae), based on cultured material.
Phycologia: 2015, Vol. 54, No. 4, pp. 342-348. doi: http://dx.doi.org/10.2216/15-27.1
 本論文は国際藻類学会(International Phycological Society)のFacebookで菅澤さんと彼女のお手製の「スポンディロモルム科のケーキ」の写真と一緒に紹介されています。 facebookphycol

2015年06月19日

 当研究室の森稔幸博士と名古屋大学、千葉大学との共同研究の論文が、米生物学誌Cellに掲載されました。
 被子植物特有の重複受精は、胚珠に誘引された花粉管の内容物である2つの精細胞がそれぞれ卵細胞・中央細胞と融合することを基盤としています。この花粉管誘引を直接的に制御するのが卵細胞に隣接する2つの助細胞であり、花粉管の内容物放出には1つの助細胞の破壊を伴うことが知られています。その結果、花粉管受容に関わらなかった方の助細胞は残存することになるわけですが、この残存助細胞が花粉管誘引を止める仕組みは長年謎でした。
 本研究ではシロイヌナズナの配偶子マーカー株を用いて、受精に成功した中央細胞が胚乳として発達する際に残存助細胞と融合するという新規の現象を明らかにしました。胚乳と融合した残存助細胞は、1)花粉管誘引因子の胚乳への分散、2)胚乳核分裂由来のシグナルによる核の破壊、3)受精卵・胚乳からのエチレンシグナル伝達機構が誘引する細胞死、という3重の要素によって即座に花粉管誘引を停止させられることが示されました。これまで、植物細胞間の自然融合は受精に見られる配偶子融合に限られると考えられてきましたが、残存助細胞と胚乳が細胞壁の障害をものともせず融合することが初めて曝かれたわけです。
Daisuke Maruyama, Ronny Völz, Hidenori Takeuchi, Toshiyuki Mori, Tomoko Igawa, Daisuke Kurihara, Tomokazu Kawashima, Minako Ueda, Masaki Ito, Masaaki Umeda, Shuh-ichi Nishikawa, Rita Groß-Hardt and Tetsuya Higashiyama
Rapid Elimination of the Persistent Synergid through a Cell Fusion Mechanism
Cell. 2015 May 7;161(4):907-918. doi: 10.1016/j.cell.2015.03.018.

2015年06月15日

 当研究室が主幹する日本と米国の国際共同研究による論文が国際藻類学会誌 (Phycologia) の6月号で出版されました。
 ボルボックス(Volvox)属は約20種から構成され、4個の節に形態分類されています(Smith 1944, Trans. Am. Microscp. Soc.)。多くの種または種以下分類群は産地が限定されており、例えばモデル分類群V. carteri f. nagariensis はインド〜日本にかけて分布していますが、ヨーロッパやアメリカ大陸からの報告はありません (Nozaki 1988, Phycologia)。従って、世界各地でのボルボックスの調査が望まれます。今回のVolvox capensisはボルボックス節(Volvox sect. Volvox)に分類され、本節は群体の細胞間に太い原形質連絡をもつことを特徴としており、他のボルボックスの節およびユードリナ・プレオドリナとは系統的に分離します。V. capensis は1933年の原記載以来、南アフリカからの報告しかない種であり、Starr et al. (1980, PNAS) は南アフリカ産の培養株を観察しています。今回,アメリカ合衆国モンタナ州より採取したサンプルから確立した培養株の無性群体と雌雄同体の有性群体の形態から,本株はV. capensis と同定されました。しかし、今回の米国産の株の雌雄同体の有性群体の精子束の数が少ないことと配偶子の接合様式がこれまでの南アフリカ産のV. capensisの報告と異なりました。今回の株のITS-2核rDNA の配列は南アフリカ産の V. capensisと1塩基が異なるだけであり、生殖様式の速い進化が推測されました。今後、今回の材料を用いた生殖様式の進化研究が期待されます。
Hisayoshi Nozaki, Noriko Ueki, Osami Misumi, Kayoko Yamamoto, Shota Yamashita, Matthew D. Herron and Frank Rosenzweig (2015)
Morphology and reproduction of Volvox capensis (Volvocales, Chlorophyceae) from Montana, USA.
Phycologia Vol. 54, No. 3, pp. 316-320.

2014年7月米国モンタナ州
2014年7月米国モンタナ州での調査。
この調査地付近から今回のVolvox capensis のサンプルが得られました。

2015年02月11日

 当研究室の川舩かおるさん、野崎久義准教授と、当研究室出身の浜地貴志博士、および東京工業大学、奈良先端科学技術大学院大学、国立遺伝学研究所との共同研究成果の論文が2月11日付で PLOS ONE からオンライン出版されました。
 球状の群体をつくる緑藻、ボルボックス・カルテリ(Volvox carteri)には、日本やアメリカなど世界各地から採集された培養株が存在します。先行研究ではそのうち、アメリカ・カンザス州から採集されたただ一つの株にだけ、細胞内に "リケッチア科" に属する細菌、"MIDORIKO" が共生していることが発見されています。一方、日本産のボルボックス・カルテリの株 EVE は、モデル生物として分子生物学的研究によく用いられ、ゲノムが解読されていますが、EVE には MIDORIKO は共生していないことが確認されていました。
 本論文では、ボルボックス・カルテリの株 EVE のゲノム情報と、新たに解読した MIDORIKO のドラフトゲノム情報を比較することで、EVE のゲノム中に MIDORIKO の遺伝子に由来する配列が含まれていることを発見しました。この発見は、過去に EVE の細胞内に MIDORIKO が生息していたことがあり、現在までに消えてしまったことを明らかにしています。このような現象は EVE 以外にも多くのボルボックス・カルテリの株で発見されました。さらに、過去にボルボックス・カルテリの細胞内に生息していたとされる MIDORIKO は、現在カンザス州産の株と共生しているものとは異なり、別の緑藻プレオドリナ(Pleodorina japonica)に共生している MIDORIKO により近縁であることが系統解析により示されました。
 本論文により、これまでごく限られた緑藻にのみ共生していると考えられていた MIDORIKO が、様々な緑藻に感染し、消失するという複雑な生態を持つ可能性が示唆されました。今後、様々な緑藻のゲノム情報が明らかになることで、さらに MIDORIKO による「隠れた共生」の証拠が発見されることが期待されます。

Kaoru Kawafune, Yuichi Hongoh, Takashi Hamaji, Tomoaki Sakamoto, Tetsuya Kurata, Shunsuke Hirooka, Shin-ya Miyagishima and Hisayoshi Nozaki (2015)
Two Different Rickettsial Bacteria Invading Volvox carteri.
PLoS ONE 10(2): e0116192. doi:10.1371/journal.pone.0116192

2014年12月19日

 当研究室の森稔幸博士らによる総説論文(ミニレビュー)が2014年12月にアメリカ植物学誌Signaling and Behaviorにオンライン公開されました。 森らが2014年1月にアメリカ生物科学誌Current Biologyに発表した、被子植物の配偶子接着因子GAMETE EXPRESSED 2 (GEX2)を中心とした内容で、 これまでほとんど分かっていなかった植物配偶子融合の分子機構に関する新たな知見である“配偶子接着”について詳述されています。GEX2は被子植物の雄性配偶子 (精細胞)で特異的に発現する膜貫通型タンパク質で、シロイヌナズナGEX2変異株においては、精細胞が雌性配偶子と接着できないという表現型が示されています(Mori et al. 2014, Curr. Biol.)。 発見当初は被子植物特異的タンパク質と思われていたGEX2ですが、その後の解析でヒカゲノカズラ植物門に属するイヌカタヒバ(Selaginella moellendorffii)にも推定オルソログがあることが分かりました。 このことはGEX2が、(1)維管束植物の出現時にはすでに存在していたこと、(2)運動性を持つ精子から運動性を持たない被子植物精細胞へ受け継がれたことを示唆しており、 精子の受精においてもGEX2が同様の働きをもつことが期待されます。また興味深いことに、GEX2はイムノグロブリン様ドメインを分子内部に有しており、 緑藻Chlamydomonas reinhardtiiの配偶子接着因子FUS1や哺乳類の精子側接着因子IZUMO1と共通していることが分かっています。独立に進化したこれらの分子がいずれも1回貫通型の膜タンパク質であり、 イムノグロブリン様ドメインを持ち、さらに接着因子として機能するのは偶然か?必然か?今後の解析が待たれるところです。
Mori, T. and Igawa, T. 2014.
Gamete attachment process revealed in flowering plant fertilization.
Plant Signal. Behav. doi: 10.4161/15592324.2014.977715

2014年09月29日

 当研究室博士課程2年の高橋紀之さん、野崎久義准教授らによる、独立行政法人理化学研究所、 高知大学との共同研究の成果論文が2014年9月にアメリカ藻類学会誌Journal of Phycologyにオンライン公開されました。 灰色植物門(10億年程前の太古の植物形態を未だ留めているとされ、「生きた化石」とも称される一次植物の珍しい1群)の1属である、 単細胞遊泳性のキアノポラCyanophora属の種多様性が、新規株を含む多くの培養株を用いて、 光顕観察・超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡(FE-SEM SU8020)観察・透過電子顕微鏡観察(TEM)等による形態比較 及び分子生物学的手法を併用することで明らかとされました。比較形態観察と分子系統解析の結果、本属は細胞が中央の深い溝で 左右に分かれる双葉群と、楕円体状の単葉群に大きく分かれました。FE-SEM による外被表面の模様と色素体分裂様式から双葉群で 新種C. sudae Tos.Takah. & NozakiとC. bilobaとを明らかにしました。 単葉群を構成する培養株は細胞形状に基づき、新種C. cuspidata Tos.Takah. & Nozaki, 新種C. kugrensii Tos.Takah. & Nozaki, C. paradoxaの3種に分類されました。 これら3新種の記載に伴いCyanophora属が従来の3種から6種に再編されたことから、これまで小さな系統群とされてきた 灰色植物の微細構造レベルでの種多様性が指摘されています。

Takahashi, T., Sato, M., Toyooka, K., Matsuzaki, R., Kawafune, K., Kawamura, M., Okuda, K., Nozaki, H. 2014.
Five Cyanophora (Cyanophorales, Glaucophyta) species delineated based on morphological and molecular data.
J. Phycol. doi: 10.1111/jpy.12236

screenshot of J Phycol 追記:2015年2月9日
 上記の論文は、Journal of Phycology 50巻6号の "Featured" に選抜されました。

2014年07月02日

 当研究室博士課程2年の高橋紀之さん、野崎久義准教授らによる、独立行政法人理化学研究所CSRSとの共同研究の成果論文が2014年7月に国際細胞学雑誌Cytologiaから出版されました。
 本論文では灰色藻(10億年程前の太古の植物形態を未だ留めているとされ、「生きた化石」とも称される一次植物の珍しい1群)の一種で単細胞遊泳性のキアノポラ(Cyanophora paradoxa NIES-547)の細胞表面微細構造を、二重固定法を用いた超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡(FE-SEM SU8020)観察及び透過電子顕微鏡観察(TEM)によって明らかにしました。Cyanophoraは先行研究によって、細胞壁を持たず、プレートと呼ばれる固い板様構造を包んだ扁平な小胞である「プレート小胞」が幾重にも原形質膜を裏打ちする特異な細胞外被構造を為している事が知られていましたが、従来の高電圧SEM観察では細胞の外形が分かるだけで細胞表面の構造は解き明かされていませんでした。本研究の超高分解能FE-SEM観察により初めて、細胞表面は「嶺」によって縁取られる模様が確認され、更にこの「嶺」はTEM観察によりプレート小胞の重なりによって形成されると示唆されました。この他、粘液胞から放出されている粘液状物質と推定される構造も捉えられており、単細胞性藻類に於けるFE-SEM観察の有用性が指摘されています。

Takahashi, T., Sato, M., Toyooka, K. and Nozaki, H. 2014.
Ornamentation of Cyanophora paradoxa (Cyanophorales, Glaucophyta) cells as revealed by ultra-high resolution field emission scanning electron microscopy.
Cytologia 79(1): 119-123. doi: 10.1508/cytologia.79.119

2014年06月27日

 平成25年度に当研究科博士課程を修了した、当研究室出身の楊億博士らによる論文が、6月27日に PLoS ONE に掲載されました。
 光合成真核生物の色素体は過去の細胞内共生の結果であり、細胞内共生すると共生体の遺伝子がホストの核ゲノム中に転移します。その結果、核ゲノム中には色素体と同じ祖先の光合成型遺伝子が多く存在し、色素体の活動を支えています。ところが、本研究室の最近の研究で、緑色系二次共生色素体をもつミドリムシの核ゲノム中に紅藻類由来の遺伝子が探索され、ミドリムシでは紅色系の色素体を二次共生により獲得した祖先生物に、緑藻類が共生した可能性が示唆されました(Maruyama et al. 2009, BMC Evol. Biol.)。クロルアラクニオン藻は同様の緑色系二次共生色素体をもつ微細藻類であり、その1種 Bigelowiella natans では、ESTやゲノム解読によって紅色系の核遺伝子が報告されていますが、他の種では解析が行われていませんでした(Arichbald et al. 2003, PNAS; Curtis et al. 2012, Nature)。
 この論文では、クロルアラクニオン藻で B. natans とは系統的に離れている Amorphochlora amoebiformis の 次世代シーケンサー・RNAseqによる核コード配列を加えた網羅的な単遺伝子系統解析を実施しました。その結果、10遺伝子はシアノバクテリア型の一次共生由来で、クロルアラクニオン藻が紅色系に位置しました(BV≥75% and PP≥0.95)。10遺伝子中7遺伝子ではクロルアラクニオン藻の2種が単系統となり、2種の共通の祖先で紅色系遺伝子が獲得されたと推測されました。このことは本二次植物の共通の祖先で紅藻の二次または三次共生が起きていた可能性を示唆します。過去に現在とは異なる系統の色素体が共生した可能性は、緑色系二次植物であるミドリムシ(Maruyama et al. 2009)、渦鞭毛藻(Minge et al. 2010, BMC Evol. Biol.)、そして紅色系二次植物である珪藻(Moustafa et al. 2009, Science)の解析からも示唆されています。従って、多くの二次植物において、現在の色素体は過去のものと入れ替わったこと、さらに将来的には別の色の色素体をもつことが考えられます。

Yi Yang, Motomichi Matsuzaki, Fumio Takahashi, Lei Qu, Hisayoshi Nozaki (2014)
Phylogenomic analysis of "red" genes from two divergent species of the "green" secondary phototrophs, the Chlorarachniophytes, suggests multiple horizontal gene transfers from the red lineage before the divergence of extant Chlorarachniophytes.
PLoS ONE 9(6): e101158. doi:10.1371/journal.pone.0101158

2014年05月22日

緑雪と赤雪
左:青森県八甲田山に出現した緑雪
右:山形県月山に出現した赤雪

 当研究室博士課程3年の松崎令さんらによる論文が、5月22日付で国際藻類学会誌(Phycologia)から出版されました。
 微細藻類には極度に寒冷適応し、残雪や氷河中の融雪水に生息するものがいます。それらは氷雪藻(または雪上藻; snow algae)と呼ばれ、高密度に繁殖すると雪を緑や赤などに彩ります。この現象は "彩雪(colored snow)" と呼ばれ、紀元前のアリストテレスの時代から知られていました(アリストテレス/島崎三郎 訳、「動物誌」第5巻 第19章、岩波文庫)。野外でみつかる緑雪の多くは、緑藻クロロモナス属の遊泳細胞が大量に繁殖することによって引き起こされます。これまでに世界の氷雪環境から約10種のクロロモナス属が報告され、休眠接合子の形態が重要な種の識別形質とされてきました。しかしながら、培養条件下で休眠接合子の形成を誘導することは難しく、野外試料や培養株中の遊泳細胞の種を識別することは困難でした。そのため、接合子形態以外の識別形質を用いた、新たな種分類法が求められていました。
 この論文では、細長い、または楕円形の遊泳栄養細胞(氷雪性のクロロモナス属の多くの既知種にみられる; Muramoto et al. 2010, Eur. J. Phycol.)をもつ日本産とアメリカ産の氷雪性クロロモナス属の10培養株に対し、遊泳栄養細胞の形態的な特徴を詳細に比較観察し、複数の遺伝子の配列情報を用いた分子系統解析と組み合わせることで分類学的研究を行いました。その結果、光学顕微鏡・蛍光顕微鏡・透過型電子顕微鏡で観察した遊泳栄養細胞と無性生殖の形態形質などが氷雪性のクロロモナス属の種分類に有効であることが明らかとなり、10培養株は2新種を含む6種に分類されました。また、本研究で識別された種は、核 ribosomal DNA internal transcribed spacer 2の二次構造の比較(Coleman 2009, Mol. Phylogenet. Evol.)、および核と葉緑体にコードされている複数の遺伝子の遺伝的距離の比較(Matsuzaki et al. 2013, Phycologia)からも支持されました。
 本論文において世界で初めて確立した、培養株から得られる情報のみに基づく氷雪性のクロロモナス属の種分類法は、世界各地の氷雪緑藻類の種の実体や多様性を解明する上でのブレイクスルーとなることが期待されます。

Ryo Matsuzaki, Yoshiaki Hara, Hisayoshi Nozaki (2014)
A taxonomic study of snow Chloromonas species (Volvocales, Chlorophyceae) based on light and electron microscopy and molecular analysis of cultured material.
Phycologia 53: 293-304. doi:10.2216/14-3.1

2014年05月20日

 当研究室の森稔幸博士研究員ら(共著)による論文が、2014年JPR論文賞 Best Paper 賞を受賞しました。JPR論文賞は植物学の進歩に寄与する独創的な研究成果を、日本植物学会が刊行する国際誌 Journal of Plant Research に発表した著者に対して授与されます。受賞式は日本植物学会第78回大会(2014年9月13日、明治大学生田キャンパス)で行われる予定です。
詳細は日本植物学会 Webページをご覧下さい。

受賞論文
Tomoko Igawa, Yuki Yanagawa, Shin-ya Miyagishima, Toshiyuki Mori (2013)
Analysis of gamete membrane dynamics during double fertilization of Arabidopsis.
Journal of Plant Research 126: 387–394. doi:10.1007/s10265-012-0528-0
(シロイヌナズナ重複受精における配偶子膜ダイナミクス解析、和文要旨

2014年05月07日

 当研究室で平成22年度博士課程を修了した浜地貴志博士(アメリカ、Donald Danforth Plant Science Center)が、優れた研究を行う若手研究者に授与される「2014年度日本植物学会 若手奨励賞」を受賞しました。受賞式は日本植物学会第78回大会(2014年9月13日、明治大学生田キャンパス)で行われる予定です。また学会中には受賞講演が行われます。
詳細は日本植物学会 Webページをご覧下さい。

浜地 貴志 (ドナルド・ダンフォース植物科学センター、申請時所属:京都大学大学院理学研究科)
「雌雄二極化のモデル系統群・群体性ボルボックス目緑藻における性決定遺伝子領域の比較ゲノム学的研究」

2014年04月26日

 2014年4月26日に開催された 東京大学 第14回 生命科学シンポジウム に野崎研のメンバーが参加し、特任研究員 豊岡博子さんの発表が優秀ポスター賞を受賞しました。

○豊岡 博子, 森 稔幸, 鈴木 雅大, 野崎 久義
群体性ボルボックス目ゴニウムにおける配偶子融合因子 GCS1 の性特異的制御

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2014年03月14日

ゴニウム両交配型配偶子におけるGCS1の挙動  当研究室の豊岡博子博士らと、早稲田大学、京都大学、カンザス州立大学、国立遺伝学研究所との共同研究成果の論文が3月14日付で Eukaryotic Cell からオンライン出版されました。
 私たちヒトを含む多くの真核生物には、雄と雌という二つの性が存在します。雄は小さくて運動性をもつ配偶子(精子)を、雌は大きくて動かない配偶子(卵)を作ります。精子と卵が出会い、融合することで新しい個体が生まれます。この生殖様式は卵生殖と呼ばれ、真核生物の進化の歴史の中で、同じ大きさの配偶子同士の接合(同型配偶)から独立に複数回、生じたと考えられます。近年陸上植物から、配偶子の融合に働くタンパク質GCS1(GENERATIVE CELL SPECIFIC 1)が発見されました(Mori et al. 2006 Nat. Cell Biol.)。GCS1は、高等動植物を含む真核生物の幅広い系統で保存されているため、真核生物に共通する配偶子融合メカニズムの解明の糸口として注目されています。このGCS1は、多くの生物で雄側の配偶子で働くことが知られていましたが、「どのようなメカニズムによってGCS1の働きが雄側に限定されているのか」に焦点を当てた研究はありませんでした。
 本論文では、二つの性(プラス/マイナス)の間で配偶子のかたちに差異のない同型配偶の緑藻ゴニウム(Gonium pectorale)を用いて、GCS1タンパク質がそれぞれの性で異なった制御を受けていることを明らかにしました。ゴニウムでは両性の配偶子は、活性化するとそれぞれ前方部に突起状の構造(接合突起)を伸ばし、両性の接合突起が接着し融合することで接合が始まります。本研究の成果により、マイナス交配型(雄に相当)配偶子では、活性化前はGCS1タンパク質が細胞の前方部(接合突起の原基)に局在し、活性化されると接合突起の表面に移行することが分かりました。これに対し、プラス交配型(雌に相当)配偶子では、活性化前はGCS1タンパク質が細胞の内部に留まり、活性化に伴って消失することが分かりました。これらの制御メカニズムにより、GCS1はマイナス交配型特異的に働くことができると考えられます。このゴニウムで見出されたGCS1の挙動の性差は、真核生物における雌雄差の根源的性質である可能性もあり、今後の研究の進展が期待されます。

Kawai-Toyooka H., Mori T., Hamaji T., Suzuki M., Olson B.J.S.C., Uemura T., Ueda T., Nakano A., Toyoda A., Fujiyama A., and Nozaki H. (2014)
Sex-specific post-translational regulation of the gamete fusogen GCS1 in the isogamous volvocine alga Gonium pectorale.
Eukaryotic Cell, Published ahead of print, doi:10.1128/EC.00330-13

2014年03月03日

伊佐沼での採集風景 2010年7月
伊佐沼での採集風景

 当研究室の野崎久義准教授、博士課程3年の松崎令さん、元修士課程の山田敏寛さんと、立命館大学、慶應義塾大学との共同研究成果の論文が3月3日付で BMC Evolutionary Biology から出版されました。
 群体性ボルボックス目は多細胞化や有性生殖の進化を研究する上で格好の生物群です。この中のボルボックス科は、娘群体形成初期に典型的な反転(inversion)を行うことと、群体全体を包む連続した細胞壁構造をもつことを特徴とします。この科に含まれる藻類の内、パンドリナ(Pandorina)やボルボックス(Volvox)の群体は回転楕円体ですが、プラチドリナ(Platydorina)1属だけは平板状の群体を持っています。2000年から行っている葉緑体5遺伝子系統解析により、群体性ボルボックス目の基本的な系統関係が明らかにされた一方、プラチドリナの姉妹群については不明でした(Nozaki et al. 2000, MPE; Herron et al. 2009, PNAS)。
本論文では埼玉県伊佐沼より採取したサンプルから、ボルボックス科の新属 Colemanosphaera (コルマノスファエラ)2種を分離培養しました。両種とも、32細胞性である点、回転楕円体の栄養群体を持ち、非生殖細胞の分化が認められない点でボルボックス科のユードリナ(Eudorina)やヤマギシエラ(Yamagishiella)と類似していましたが、細胞の形態的特徴では区別されました。葉緑体5遺伝子系統解析の結果では、Colemanosphaera の2種は姉妹種となり、プラチドリナと強固な単系統群を形成しました。また、Colemanosphaera の細胞形態や、2種の Colemanosphaera のうち1種で観察された特異な体外受精型の異形配偶接合過程は、プラチドリナと類似していました。これらの結果から、新属 Colemanosphaera は、プラチドリナが平板群体に進化する直前の祖先的な形態を保持している "ミッシングリンク" であると考えられます。Colemanosphaera は稀産ですが、過去のDNA配列データや形態学的記載と今回の培養株を比較したところ、ヨーロッパにも2種分布することが明らかになりました。世界の淡水域には、未発見の生物がまだまだ沢山存在すると考えられます。

Hisayoshi Nozaki, Toshihiro K Yamada, Fumio Takahashi, Ryo Matsuzaki, Takashi Nakada (2014)
New "missing link" genus of the colonial volvocine green algae gives insights into the evolution of oogamy.
BMC Evolutionary Biology 14: 37. doi:10.1186/1471-2148-14-37

2014年03月03日

 ラジオ沖縄「立川志ぃさーのヤマトde沖縄タイム」のパーソナリティであるうちな〜噺家の立川志ぃさーさんと、アシスタントで歌手のシーサー玉城さんが、当研究室博士課程1年の新垣陽子さんと研究成果であるシアワセモ(詳細)を取材するために当研究室に来訪されました。お二人は番組収録後、研究室居室にて絶妙なトークを披露して下さり、研究室メンバーを大いに楽しませて下さいました。
取材内容はポッドキャスト配信中です。
ラジオ沖縄 立川志ぃさーのヤマトde沖縄タイムポッドキャスト配信あり

集合写真
上段左から:立川さん、新垣さん、野崎准教授、落語研究会所属の4年生 泉さん、玉城さん
立川さん、玉城さん、どうもありがとうございました!

※2014年04月07日 ポッドキャスト配信が開始されました。

2014年02月11日

Cover image of Sexual Reproduction in Animals and Plants  当研究室の野崎久義准教授が執筆に加わった総説集、「Sexual Reproduction in Animals and Plants」がオンライン公開されました。
この総説は2012年11月12日から16日にかけて名古屋で開催された国際学会 International Symposium on the Mechanisms of Sexual Reproduction in Animals and Plants新学術領域研究 動植物アロ認証 主催)のプロシーディングとして作成されたものです。動物、植物、単細胞生物といった広範囲な生物群を対象とした、生殖研究の最新の知見が集められています。本総説集の全ての記事は現在 Open Access となっており、誰でも閲覧することができます。

Hitoshi Sawada, Naokazu Inoue & Megumi Iwano (Eds.) (2014)
Sexual Reproduction in Animals and Plants
Springer Japan, doi:10.1007/978-4-431-54589-7

野崎久義准教授 担当記事
Hisayoshi Nozaki (2014)
Origin of Female/Male Gender as Deduced by the Mating-Type Loci of the Colonial Volvocalean Greens.
In: Sexual Reproduction in Animals and Plants, pp 215-227, doi:0.1007/978-4-431-54589-7_19

2014年02月03日

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左:Volvox carteri コロニー全体像
右:DNAを染色したV. carteri の細胞、
△は共生細菌を示す

 当研究室の川舩かおるさん、野崎久義准教授と東京工業大学 本郷研究室との共同研究の成果論文が2月3日付で国際藻類学会誌 Phycologia から出版されました。
 本論文では緑藻ボルボックス・カルテリ(Volvox carteri)の細胞内に共生している細菌の分子同定を行い、細菌がミトコンドリアの起源に近縁なグループである "リケッチア科" に含まれる事を明らかにしました。
ボルボックス・カルテリから発見されたリケッチア科の細菌は、先行研究においてボルボックス目の緑藻であるカルテリア(Carteria cerasiformis)やプレオドリナ(Pleodorina japonica)から発見された細菌 "MIDORIKO" に非常に近縁である一方、調査した9株のボルボックス・カルテリのうち細菌を保有している株は1株しかありませんでした。"MIDORIKO" の感染を媒介する経路は未発見ですが、これらの結果から "MIDORIKO" が異なる3種の緑藻に個別に感染した事が示唆されました。

Kaoru Kawafune, Yuichi Hongoh, and Hisayoshi Nozaki (2014)
A rickettsial endosymbiont inhabiting the cytoplasm of Volvox carteri (Volvocales, Chlorophyceae).
Phycologia 53(1): 95-99. doi:10.2216/13-193.1

2014年01月09日

 2014年1月8日から10日にかけて開催された新学術領域研究 動植物アロ認証 第8回領域会議に野崎研のメンバーが参加し、特任研究員 豊岡博子さんの発表が最優秀ポスター賞を受賞しました。

○豊岡 博子, 森 稔幸, 鈴木 雅大, 野崎 久義
同型配偶ゴニウムにおける配偶子融合因子 GCS1 の性特異的制御

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授賞式の様子/賞状と副賞の特製マグカップ

2013年12月18日

日経新聞  当研究室の鈴木雅大特任研究員、野崎久義准教授と、筑波大学、国立科学博物館による、岩手県山田町から発見された新種の紅藻、ナンブワツナギソウに関する共同研究の成果が東京大学理学系研究科からプレスリリースされました。関連記事が日本経済新聞(2013年12月19日付朝刊)及び各社Webニュースに取り上げられ、また岩手めんこいテレビでも紹介されました。
 なお、本研究成果は国際藻類学会誌 Phycologia に掲載されています。
 詳細は以下のリンク先をご覧ください。

Masahiro Suzuki, Tetsuo Hashimoto, Taiju Kitayama and Hisayoshi Nozaki (2013)
Morphological and molecular evidence support the recognition of Champia lubrica sp. nov. (Champiaceae, Rhodophyta) from Japan. Phycologia 52(6):609-617. DOI: 10.2216/13-128.1
東京大学理学系研究科 プレスリリース:
三陸山田町で発見した新種ナンブワツナギソウ — 岩手県からの新種海藻75年ぶりの発見 —

2013年12月12日

 当研究室の新垣陽子さんら、東京大学理学系研究科と、名古屋大学、米国カンザス州立大学による、緑藻「シアワセモ」(テトラバエナ Tetrabaena socialis)の多細胞性に関する共同研究の論文が12月11日付で国際一般科学誌PLOS ONEからオンライン出版されました。また、研究成果が東京大学理学系研究科のプレスリリースに掲載され、関連記事が朝日新聞(2013年12月12日付夕刊)や各社Webニュースに取り上げられました。
 詳細は以下のリンク先をご覧ください。

Yoko Arakaki, Hiroko Kawai-Toyooka, Yuki Hamamura, Tetsuya Higashiyama, Akira Noga, Masafumi Hirono, Bradley J. S. C. Olson, Hisayoshi Nozaki (2013)
The Simplest Integrated Multicellular Organism Unveiled. PLOS ONE, e81641. DOI: 10.1371/journal.pone.0081641
東京大学理学系研究科 プレスリリース:
世界最小の多細胞生物の発掘 — 4細胞で2億年間ハッピーな生きた化石 "しあわせ藻" —
朝日新聞 2013年12月12日夕刊 総合面
朝日新聞デジタル 2013年12月12日:「シアワセモ」世界最小の多細胞生物と確認 その姿は…(リンク先に動画あり)
興南学園Web:新垣陽子さん「シアワセモ」世界最小の多細胞生物と確認
日経産業新聞 2013年12月17日
沖縄タイムス 2014年1月24日 社会面
沖縄タイムスプラス 2014年1月24日:世界最小多細胞生物確認 東大の新垣さんら
Newton 2014年3月号 SCIENCE SENSOR
(同記事は日経プレスリリース、Yahooニュース等にも掲載されました)

朝日新聞東大プレス

2013年08月02日

 2013年7月31日から8月3日の4日間、カナダ・ニューブランズウィック大学で開催されたSecond International Volvox Conference (第二回国際ボルボックス会議)に、野崎研のメンバーが参加し、特任研究員である豊岡博子さんの発表がBest Poster賞を受賞しました。

○Hiroko Kawai-Toyooka, Toshiyuki Mori, Takashi Hamaji, Masahiro Suzuki, Bradley J.S.C. Olson and Hisayoshi Nozaki
MATING TYPE-SPECIFIC TWO-STEP REGULATION FOR THE FUSOGEN GCS1 IN THE ISOGAMOUS VOLVOCINE ALGA GONIUM PECTORALE

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授賞式の様子

2013年05月16日

 当研究室と京都大学、シンガポール、アメリカの研究室との共闘研究の論文が5月16日付で国際一般科学誌 PLoS ONE に出版されました。
 今回、緑藻ゴニウム属のうち、国立環境研究所微生物系統保存施設(NIES)で利用できる全種から性決定因子 MID ホモログを同定し、本ホモログの有無と同型配偶のプラスとマイナスの交配型を客観的に対応付けすることで、初めて種間で統一した交配型(MID mating type, non-MID mating type)を提案することができました。また、緑藻系統群のホモタリック(自殖)株での性決定因子ホモログを初めて報告しました。

Hamaji T., Ferris P.J., Nishii I., Nishimura Y. & Nozaki H. 2013.
Distribution of the Sex-Determining Gene MID and Molecular Correspondence of Mating Types within the Isogamous Genus Gonium (Volvocales, Chlorophyta).
PLoS ONE 8(5): e64385. doi:10.1371/journal.pone.0064385

2013年05月03日

 当研究室博士課程3年の松崎令さんらによる論文が5月3日付の国際藻類学会誌(Phycologia)に掲載されました。
  この論文では、神奈川県海老名市の水田から単離された微細緑藻クロロモナス属の新規培養株に対し、光学・電子顕微鏡による比較形態解析、複数の遺伝子配列を用いた系統解析、及び核 ribosomal DNA internal transcribed spacer 2(ITS2)二次構造の比較を行いました。光学顕微鏡下において、本株は狭義の Chloromonas reticulataMatsuzaki et al. 2012, Phycologia 51: 74-85)及び C. serbinowii とよく似ていましたが、比較電子顕微鏡観察から、眼点の微細構造(眼点を構成する顆粒の層数)でそれぞれを識別できることが明らかになりました。また、分子系統では、本株は C. reticulata と異なる系統に位置しました。本株と C. serbinowii の系統関係は解けませんでしたが、ITS2 二次構造を比較したところ、それらが別種に相当する遺伝的差異をもつことが示唆されたことから、本株はクロロモナス属の新種であると結論付けられました。
  本新種は国立環境研究所微生物系統保存施設で長年にわたり微細藻類培養株コレクションの発展に尽力された笠井文絵博士に敬意を表し、Chloromonas kasaiae と命名されました。

Matsuzaki R., Nakada T., Hara Y. & Nozaki H. 2013.
Description of Chloromonas kasaiae sp. nov. (Volvocales, Chlorophyceae), based on comparative electron microscopy and molecular data.
Phycologia 52: 239-245.

2013年03月16日

 2013年3月15-17日に行われた日本植物分類学会第12回大会で、当研究室の特任研究員鈴木雅大博士が研究発表を行い、若手ポスター発表賞を受賞しました。

○鈴木雅大、橋本哲男、野崎久義
「日本産紅藻ベニスナゴは複数の隠蔽種を含む」

JSPS2013 peanuts senbei
受賞ポスター前にて/ 副賞の「千葉大ピーナッツせんべい」

2013年02月26日

 細胞数の増加とともにオルガネラゲノムは増大する:
 群体性ボルボックス目藻類の比較ゲノム

 群体性ボルボックス目は約2億年で多細胞化し、単細胞クラミドモナス(Chlamydomonas reinhardtii)様祖先から多細胞ボルボックス(Volvox carteri)に至る中間段階に相当する様々な生物が現存しているため、多細胞化や雌雄性の進化研究のモデル生物群と考えられています。当研究室は最近、本生物群の比較ゲノム解析を主軸とした多細胞化や雌雄性の進化の国際共同研究を開始しています。
  当研究室とカナダ・米国・南アフリカの国際共同研究チームは64細胞性の緑藻プレオドリナ(Pleodorina starrii)のミトコンドリア・色素体DNA(mtDNA, ptDNA)の完全配列を解読し、その結果の論文が2013年1月、Molecular Biology and Evolutionからオンライン出版(Advance Access)されました(1)。さらに今回、当研究室と国立遺伝学研究所 藤山研究室の共同研究によって、16細胞性のゴニウム(Gonium pectorale)のmtDNAと ptDNA配列が完全解読され、2012年2月26日にPLoS ONEより論文が出版されました(2)
 これまでのボルボックス(Volvox carteri)等の研究結果 (Smith and Lee 2010, Mol. Biol. Evol. 27: 2244-2256) も含めて考えると、細胞数の増加と共にオルガネラゲノムの非コード領域が増加しており、この現象は1個体あたりの細胞数が増加すること=集団サイズが縮小することが原因であるとするミューテーショナルハザード説(mutational-hazard hypothesis)で説明されることが、本論文では議論されています。

1. プレオドリナ オルガネラDNA完全配列解読
Smith, D. R., Hamaji, T., Olson, B. J.S.C., Durand, P. M., Ferris, P., Michod, R. E., Nozaki, H., Featherston, J. and Keeling, P. J. 2012.
Organelle genome complexity scales positively with organism size in volvocine green algae.
Mol. Biol. Evol. Advanced Access online.

2. ゴニウム オルガネラDNA完全配列解読
Hamaji, H., Smith, D. R., Noguchi, H., Toyoda, A., Suzuki, M., Kawai-Toyooka, H., Fujiyama, A., Nishii, I., Marriage, T., Olson, B. J. S. C. and Nozaki, H. 2013.
Mitochondrial and plastid genomes of the colonial green alga Gonium pectorale give insights into the origins of organelle DNA architecture within the Volvocales.
PLoS ONE 8:e57177.

2013年01月31日

 はじめて明らかになった性染色体領域 shared geneの同型配偶から卵生殖における進化:
 雌雄性の誕生はMAT3/RBの両極化以前

 平成23年度生物学科植物学コース最後の卒業研究生の平出林太郎さん (現・Imperial College London) らの論文がMolcular Biology and Evolution のearly view でオンライン出版されました。
 同型配偶から異型配偶・卵生殖への進化を分子レベルで比較研究できる系統群は生物界で唯一、群体性ボルボックス目だけでした。最近、近縁な単細胞同型配偶のクラミドモナス (Chlamydomonas reinhardtii) と2000以上の細胞からなる卵生殖ボルボックス (Volvox carteri) の性染色体領域 (MT: 性決定遺伝子が存在し、遺伝子組成と配列が両性で異なる) のゲノム解読と比較の結果、ボルボックスのMTは拡大・両極化し、15個の雌雄に特異的な遺伝子が発見されました (Ferris et al. 2010, Science)。また、ボルボックス両性のMTに存在する遺伝子 (shared genes)で、配列が著しく異なるものが数多く認められました。その一つMAT3 遺伝子はがん抑制遺伝子RBのホモログであり、クラミドモナスで細胞周期を制御するので(Umen & Goodenough 2001, Genes & Development)、ボルボックスのオスで両極化した本遺伝子ホモログが小さい雄性配偶子(精子)を数多く作り出すことに直接的に関与している可能性が示唆されました (Ferris et al. 2010)。しかし、他の群体性ボルボックス目のMAT3ホモログに関する報告はこれまでにはありませんでした。また、Charlesworth (1978, J. Theoret. Biol.) の理論的研究によればMT の様な両性で組み換えの起こらない染色体領域の細胞サイズ決定遺伝子が雌雄性の進化(同型配偶から異型配偶への)の原因になると予想されていたものの、MTに存在する遺伝子の同型配偶から異型配偶・卵生殖の包括的な比較研究はこれまで存在しませんでした。
 本研究では群体性ボルボックス目の同型配偶(Gonium, Yamagishiella)、異型配偶(Eudorina, Pleodorina)、卵生殖(Volvox africanus)の生物のヘテロタリック株の両性からMAT3ホモログの全長配列を縮重プライマー法やBACライブラリ等を用いて決定し、比較しました。その結果、V. carteri に認められたMAT3 遺伝子の両性での著しい置換は本種の系統だけに生じており、同型配偶の生物のみならず異型配偶および卵生殖のV. africanus においても認められませんでした。また、系統解析の結果、MAT3の両極化はV. carteriV. africanus と分岐した以降急激に起こったことが推測されました。MTでは遺伝子の組み換えはないと考えられますが、この結果は本群のV. carteri 以外の生物においては ”gene conversion” 等で両性の遺伝子が均一化していることを示しています。また、V. carteri で認められた両性のMAT3の両極化(Ferris et al. 2010)は、群体性ボルボックス目の系統内における雌雄性の誕生以降においてgene conversion が抑制され著しく拡大されたものと推測されました。今後、卵生殖 V. carteri より進化段階の低い異型配偶の生物の MT のゲノム解読を実施し、雌雄性の進化に直接関与した両極化した( gene conversion していない)遺伝子の探索を実施する予定です。

Hiraide, R., Kawai-Toyooka, H., Hamaji, T., Matsuzaki, R., Kawafune, K., Abe, J., Sekimoto, H., Umen, J. and Nozaki, H. 2013.
The evolution of male-female sexual dimorphism predates the gender-based divergence of the mating locus gene MAT3/RB. Mol Biol Evol (2013) 30 (5): 1038-1040.

追記: 2013年04月16日
MBE2013 30(5) cover
上記の論文がMolcular Biology and Evolution (2013) Volume 30 Issue 5の表紙に採択されました。
ボルボックスの過去に遡るタイムマシンをイメージしているそうです。

2012年11月30日

 当研究室の野崎久義准教授、博士課程2年の楊億さんと、神戸大学、ダルハウジ大学(カナダ)との共同研究の論文が11月30日付けで国際一般科学誌PLoS ONE に出版されました。
 ランブル鞭毛虫(Giardia)やマラリア原虫(Plasmodium)等の細胞内寄生虫の遺伝子の進化速度が特異的で系統解析に悪影響をもたらすことは10年前から報告されていました。しかし、最近の多くの多遺伝子系統解析ではこれが無視されており、海洋生態系で重要な位置を占めるハプト藻(Haptophyta;紅藻を二次共生色素体としたグループ)の系統的位置は最近でも出版論文によって異なっていました。本研究ではハプト藻の系統的位置に着目し、異なる2個の多遺伝子データマトリックスで細胞内寄生虫/繊毛虫(転写と翻訳が通常でない)を解析から排除する場合としない場合で比較しました。その結果、両データマトリックスでこれらを排除するとハプト藻は紅藻を二次共生色素体とした他のグループ(渦鞭毛藻、不等毛藻類等からなるクロムアルベオラータ)と高い信頼度で近縁であるという結果になりました。また、用いたデータの分子進化を調査した結果、細胞内寄生虫/繊毛虫の分子が繰り返し変化することが系統解析に悪影響することが示唆されました。
 本研究成果は紅藻由来の二次共生色素体をもつグループの系統進化の研究に大きく貢献するばかりではなく、寄生虫は医学的価値があり、分子・ゲノムデータが古くから公開されているという理由でそれらの分子データを安易に使用することへの警告になるものと思います。研究/解析する生物の生物学的特性を正しく認識すべきという当たり前のことが21世紀の系統研究にもやはり重要であることを示しています。

Nozaki H, Yang Y, Maruyama S, Suzaki T. 2012.
A case study for effects of operational taxonomic units from intracellular endoparasites and ciliates on the eukaryotic phylogeny: phylogenetic position of the haptophyta in analyses of multiple slowly evolving genes. PLoS ONE 7(11):e50827. doi:10.1371/journal.pone.0050827

2012年11月26日

 当研究室博士課程2年の川舩かおるさん、野崎久義准教授らによる、独立行政法人理化学研究所 植物科学研究センターとの共同研究の成果論文が2012年11月26日付で国際誌Protoplasmaからオンライン出版されました。
 本論文では緑藻の一種カルテリア(Carteria cerasiformis)に共生している細菌 MIDORIKO の超微細構造を、高圧凍結法・凍結置換法を用いた透過電子顕微鏡観察によって明らかにしました。MIDORIKO は分子データを用いた先行研究によって、細胞内小器官ミトコンドリアの起源に近縁である細菌のグループ、"リケッチア科"に含まれる事が分かっていましたが、本研究により、形態的にもリケッチア科の特徴を有している事が明らかになりました。リケッチア科の細菌の特徴の一つに、他の細胞内共生細菌とは異なり、宿主細胞に取込まれた際食胞膜を消失し、細胞質内にそのまま浮遊して存在する事が挙げられますが、本研究では MIDORIKO が細胞質内に直接存在している様子をとらえる事に初めて成功しました。食胞膜を失った細菌は細菌を構成する二枚の脂質二重膜に囲まれており、ミトコンドリアや葉緑体と同様の膜トポロジーを有しているため、MIDORIKOの研究によって二重膜オルガネラの起源の解明が進む事が期待されます。

Kawafune, K., Sato, M., Toyooka, K. & Nozaki, H. 2012.
Ultrastructure of the rickettsial endosymbiont “MIDORIKO” in the green alga Carteria cerasiformis as revealed by high-pressure freezing and freeze-substitution fixation. Protoplasma Published online: 23 November 2012

2012年09月4日

 2012年9月4日、当研究室特任研究員の鈴木雅大博士らによる論文が国際藻類学会誌 (Phycologia) に掲載されました。
 海産紅藻トゲナシマダラ(Gloiocladia leptophylla)は、1941年に採集されたタイプ標本と、同年に昭和天皇が採集された標本の2例しか知られていない稀産種でした。近年,鹿児島大学水産学部の寺田竜太博士が鹿児島県錦江湾の水深10~20 mで本種の生育を確認され、2010年4月に寺田博士と鈴木博士が行った調査でも、桜島袴腰の水深約15 mにて本種の生育が確認されました。
 今回の論文ではトゲナシマダラの外形、体構造、雄性配偶体、雌性配偶体、四分胞子体の詳細な形態観察を行うとともに、LSU rRNAを用いた分子系統解析を行いました。その結果、トゲナシマダラがマダラグサ属(Gloiocladia)ではなく、Leptofauchea属のメンバーであることが明らかとなり、属の組み換えが成されました。また、本種が水中で光の干渉によって青白く見えること、果皮の内側の細胞が糸状に伸長すること、四分胞子体がネマテシアを形成することなど、これまで知られていなかった様々な特徴を報告しました。北太平洋西岸におけるLeptofauchea属の生育はSuzuki et al. (2010, Phycol. Res. 58: 116-131) によるヘイゴコロ(L. rhodymenioides)の報告に次いで2例目となります。

Suzuki, M., Nozaki, H., Terada, R., Kitayama, T., Hashimoto, T. & Yoshizaki, M. 2012.
Morphology and molecular relationships of Leptofauchea leptophylla comb. nov. (Rhodymeniales, Rhodophyta) from Japan. Phycologia 51: 479-488.

トゲナシマダラの写真はこちらから (外部リンク:生き物好きの語る自然誌)
関連記事(トゲナシマダラ・ヘイゴコロのエッセイ) みちのくのハート (外部リンク:生き物好きの語る自然誌)

2012年06月28日

 2012年6月28日、当研究室のメンバーが日本微生物資源学会第19回大会で研究発表を行い、博士課程2年の川舩かおるさんがベストプレゼン賞を受賞しました。

○川舩かおる・本郷裕一・浜地貴志・野崎久義
「緑藻培養株に感染していたリケッチア科新規細胞内共生バクテリア "MIDORIKO"」

JSCC2012副賞
賞状と副賞の地酒

2012年05月18日

 当研究室の野崎久義准教授、豊岡博子博士、卒業生の井坂奈々子さんらによる論文が5月3日付で国際誌Journal of Phycologyでオンライン発表されました。また、研究成果が東京大学理学系研究科のプレスリリースに掲載され、関連記事が日本経済新聞や各社Webニュースに取り上げられました。
 詳細は以下のリンク先をご覧ください。

Nanako Isaka, Hiroko Kawai-Toyooka, Ryo Matsuzaki, Takashi Nakada, Hisayoshi Nozaki (2012)
DESCRIPTION OF TWO NEW MONOECIOUS SPECIES OF VOLVOX SECT. VOLVOX (VOLVOCACEAE, CHLOROPHYCEAE), BASED ON COMPARATIVE MORPHOLOGY AND MOLECULAR PHYLOGENY OF CULTURED MATERIAL Journal of Phycology, DOI: 10.1111/j.1529-8817.2012.01142.x (Article first published online: 3 MAY 2012)
東京大学理学系研究科 プレスリリース:ボルボックスの2新種、DNA配列データに基づき世界で初めて発見 - 「日本産ぼるぼつくすニ就テ」百年来の謎を解く -
日本経済新聞 2012年5月22日 科学技術欄
日本経済新聞Web版 2012年5月22日:ボルボックス、国内生息は新種 東京大学など
(同記事はYahoo!ニュース、ニコニコニュース、2ちゃんねるなう等にも掲載されました)

日経新聞日経Web

2012年03月24日

 本年3月23-24日、当研究室の現旧メンバーが日本植物分類学会第11回大会で研究発表を行い、野崎研OBの加藤将博士(H22年3月博士課程卒業・現神戸大学)が若手ポスター発表賞を受賞しました。

○加藤将・川井浩史・柴田葵・坂山英俊
「オオシャジクモ種内(シャジクモ目シャジクモ科)の新規系統に関する分類学的研究」

2012年02月22日

 当研究室博士課程1年の川舩かおるさんらによる論文が、2月21日付で国際誌PLoS ONEで発表されました。内容は東京大学理学系研究科のプレスリリースに掲載され、関連記事が時事通信社などのWebニュースに取り上げられました。
 詳細は以下のリンク先をご覧ください。

Kaoru Kawafune, Yuichi Hongoh, Takashi Hamaji, Hisayoshi Nozaki. (2012)
Molecular Identification of Rickettsial Endosymbionts in the Non-Phagotrophic Volvocalean Green Algae. PLoS ONE 7(2): e31749. doi:10.1371/journal.pone.0031749
東京大学理学系研究科 プレスリリース:はじめて分子同定された植物細胞内感染性リケッチア - 宿主共存性リケッチア科バクテリア "MIDORIKO" の発見 -
時事通信社 時事ドットコム:植物細胞にも「リケッチア」=共生細菌、緑藻で発見-感染症研究に応用期待・東大
(同記事は化学工業日報、Yahoo!ニュース、gooニュース、ニコニコニュース等にも掲載されました)

2012年04月05日 追記
 上記で紹介している論文が、PLoS HUBS に掲載されました。

2012年01月31日

 当研究室博士課程1年の松崎令さんらによる論文が1月31日付の国際藻類学会誌 (Phycologia) に掲載されました。
 この論文では、種の境界に問題のあった微細緑藻クロロモナス属のタイプ種 “Chloromonas reticulata” の複数の培養株に対し、光学・電子顕微鏡による比較形態解析と複数の遺伝子配列を用いた系統解析を行いました。その結果、細胞形態、眼点と葉緑体の微細構造、及び高解像度の系統樹から、“C. reticulata” が狭義の C. reticulataC. chlorococcoidesC. rosaeC. typhlos の4種からなることを明らかにしました。また、核 ribosomal DNA internal transcribed spacer 2 (ITS) 二次構造にみられる差も本研究の種分類を支持し、電子顕微鏡レベルの比較形態解析と解像度の高い分子系統解析が、クロロモナス属の種分類に極めて有効であることを示しました。
 本論文は Phycologia の 2012年第51巻第1号のFeatured Article に選出されました。さらに特例のOpen Access Content となり、一定期間無料公開されました。

Matsuzaki, R., Hara, Y. & Nozaki, H. 2012. A taxonomic revision of Chloromonas reticulata (Volvocales, Chlorophyceae), the type species of the genus Chloromonas, based on multigene phylogeny and comparative light and electron microscopy. Phycologia 51: 74-85.

2011年12月04日

第一回国際ボルボックス会議に参加・野崎研OBが口頭発表賞受賞!
 2011年12月1日から4日の間アリゾナ大学で開催されたFirst International Volvox Conference (第一回国際ボルボックス会議)に、野崎研のメンバーが参加しました。本会議で唯一の undergraduate student(大学生)であった、当研究室の卒業研究生 平出林太郎さんが立派に口頭発表し、質疑応答を行いました。また、昨年度当研究室で博士課程を終了した浜地貴志さん(現学術振興会PD研究員、京都大学)は当研究室との共闘研究の成果を発表し、Best Student/Postdoc Talkを受賞しました。
 博士課程の楊億さん、野崎久義准教授の口頭発表の詳細と、「雪降るアリゾナの砂漠」での会議の様子は会議のウェブサイトからご覧下さい。

MAT3 DIVERGENCE AFTER THE EVOLUTION OF ANISOGAMY IN THE COLONIAL VOLVOCALES
○Rintaro Hiraide, Hiroko Kawai-Toyooka, Takashi Hamaji, James Umen and Hisayoshi Nozaki

MATING TYPE LOCUS OF GONIUM PECTORALE
○Takashi Hamaji, Yuko Mogi, Patrick Ferris, James Umen, Ichiro Nishii, Yoshiki Nishimura and Hisayoshi Nozaki

111204-1
受賞に大喜びの野崎研OB 浜地貴志さん

2011年09月16日

 当研究室の川舩かおるさんと野崎久義准教授が、2011年度日本植物形態学会第23回大会においてポスター賞を受賞致しました。発表者の川舩さんは、学会直前まで、『レイアウトの美しさ』と、『いかに人に伝えるか』を追求しておりました。ポスターのタイトルは以下の通りです。

川舩かおる・野崎久義
「細胞内バクテリアを保有する緑藻カルテリアとその近縁種における比較形態学的観察」

2011年09月07日

「緑アメーバも昔は紅かった」
 当研究室博士課程1年の楊億さんの論文が9月7日に国際一般科学誌 BMC Research Notesに出版されました。
この論文では、PRK (Phosphoribulokinase) 遺伝子を多くの藻類で系統解析しています。その結果、緑色の二次共生色素体を持つ2系統(ミドリムシ植物門とクロララクニオン植物門 -緑色のアメーバ細胞の生物-)において、PRK 遺伝子の由来が緑藻ではなく、ミドリムシ植物門では不等毛藻(紅色2次共生色素体をもつ褐藻類や珪藻類を含む)からの、またクロララクニオン植物門は紅藻からの、HGT(遺伝子水平伝達)に由来していたことを明らかにしました。今回の解析結果は、ミドリムシ植物の過去における紅色色素体の獲得の仮説(Maruyama et al. 2011, BMC Evol. Biol. 11: 紹介記事はこちら)を支持し、さらにクロララクニオン藻で初めて過去の紅藻の細胞内共生を示唆しました。すなわち、クロララクニオン植物(緑のアメーバ)も昔は紅かったかも知れません。
このように、真核植物が現在の色素体を獲得する以前に全く異なる色素体を持っていたことが、最近の進化生物学の研究によって次々と明らかになっています。
Yi Yang, Shinichiro Maruyama, Hiroyuki Sekimoto, Hidetoshi Sakayama, Hisayoshi Nozaki
An extended phylogenetic analysis reveals ancient origin of "non-green" phosphoribulokinase genes from two lineages of "green" secondary photosynthetic eukaryotes: Euglenophyta and Chlorarachniophyta.
BMC Research Notes 2011, 4:330.

2011年04月29日

 本年3月に修士課程を修了した瀬戸東有香さんの論文が4月29日にPLoS ONEに出版されました。
この論文は元修士課程学生の葉山真歩子さんが最近記載した新種 Gonium maiaprilis の特徴を生かし、緑藻ボルボックス目で初めて、生殖的隔離のほとんどない (遺伝的にあまり異ならない) 野生株を用いて、色素体DNA の遺伝を調査することに成功しました。その結果、自然界では色素体DNA の片親遺伝の例外はあまり起こらない可能性が示唆されました。
Setohigashi, Y., Hamaji, T., Hayama, M., Matsuzaki, R. and Nozaki, H. 2011.
Uniparental Inheritance of chloroplast DNA is strict in the isogamous volvocalean Gonium.
PLoS ONE 6: e19545.

Hayama, M., Nakada, T., Hamaji, T. and Nozaki, H. 2010.
Morphology, molecular phylogeny and taxonomy of Gonium maiaprilis sp. nov. (Goniaceae, Chlorophyta) from Japan.
Phycologia 49: 221-234.

2011年04月20日

 当研究室の野崎久義准教授と当研究室OBの丸山真一朗博士(現在カナダ、ダルハウジー大学博士研究員)の共同研究が国際誌BMC Evolutionary Biologyで発表され、その内容が東京大学理学系研究科のプレスリリースに掲載されました。また、関連記事が4月21日付の朝日小学生新聞1面に掲載されました。
 詳細は以下のリンク先をご覧ください。
 BMC Evolutionary Biology 当該記事:Eukaryote-to-eukaryote gene transfer gives rise to genome mosaicism in euglenids.
 東京大学理学系研究科 プレスリリース:むかしむかし、ミドリムシは紅かった? - 遺伝子水平伝達がもたらした光合成生物のゲノム進化 -

2011年05月10日 追記
 上記で紹介している、研究室OB 丸山真一朗博士の論文、「ミドリムシは紅かった?」が、掲載誌であるBMC Evolutionary Biology の30日間アクセスランキング(Most viewd)10位以内にランクインしました。
強敵ひしめくランキング争いでいつまで生き残れるか、今後が楽しみです。

2011年03月16日

 当研究室の松崎令さんが2010年度理学系研究科研究奨励賞を受賞しました。賞状は3月24日の学位授与式において授与されます。「理学系研究科研究奨励賞」は理学系研究科において、研究に最も優れた修士・博士修了生に授与されます。詳細は東京大学理学部・理学系研究科—研究奨励賞をご覧下さい。

2011年02月18日

 当研究室の野崎久義准教授の研究が、2011年2月18日付の日本経済新聞(夕刊)「らしさの科学—性別とは」に掲載されました。

2010年06月02日

2010年度日本植物学会若手奨励賞:当研究室からダブル受賞

 当研究室で平成19年度博士課程を終了した仲田崇志博士(現慶応義塾大学先端生命科学研究所、特任助教)と当研究室所属の丸山真一朗博士(学術振興会PD研究員、カナダ留学中)が「2010年度日本植物学会若手奨励賞」を受賞することが決定しました。受賞式と受賞講演は本年9月9日(木)~11日(土)、中部大学(春日井市)で開催される日本植物学会第74回大会で行われる予定です。「日本植物学会若手奨励賞」は優れた研究を行う満32歳未満の若手研究者に贈られます。受賞内容に関しては日本植物学会のホームページ(http://bsj.or.jp/osirase/osirase_open.php?shu=1&did=326)をご覧下さい。

仲田崇志
「単細胞性オオヒゲマワリ目(緑藻植物門緑藻綱)の多層的分類研究」
丸山真一朗
「下等植物および原生生物におけるゲノム進化と葉緑体の起源」

2010年05月28日

 当研究室と理研植物科学研究センター植物免疫研究グループとの共同研究の成果がScience誌に発表されました。
 この論文では、単子葉類の宿主植物から双子葉類の寄生植物へと核遺伝子が水平伝達したことがゲノム進化解析により初めて示されました。アフリカ地域で甚大な被害をもたらしている寄生植物の進化史を理解し、食糧・環境問題解決への糸口がつかめるものと期待されます。
Yoshida S, Maruyama S, Nozaki H, Shirasu K. (2010)
Horizontal gene transfer by the parasitic plant Striga hermonthica. Science. 328:1128.
理研プレスリリース:イネ科の宿主から寄生植物へ、核内遺伝子が水平伝播する現象を発見 -寄生植物が、栄養源に加えて遺伝子も宿主植物から獲得-

2010年04月19日

 当研究室の外国人客員共同研究員であったPatrick Ferris博士(The Salk Institute for Biological Studies)との共同研究の論文が以下のように発表され、プレスリリースされました。

Patrick Ferris, Bradley J. S. C. Olson, Peter L. De Hoff, Stephen Douglass, David Casero, Simon Prochnik, Sa Geng, Rhitu Rai, Jane Grimwood, Jeremy Schmutz, Ichiro Nishii, Takashi Hamaji, Hisayoshi Nozaki, Matteo Pellegrini, James G. Umen,
Evolution of an Expanded Sex-Determining Locus in Volvox
Science (2010) 328:351-354
(Abstract) Evolution of an Expanded Sex-Determining Locus in Volvox

(東京大学)   ゲノム解読がはじめて明かすメスとオスへの進化 - メスらしさのはじまり"HIBOTAN"遺伝子群の発見 -
(NHK)     オスとメス別に進化 証拠発見(リンク切れ)
(読売新聞)   生物の雌雄は最初から、「雌が先」覆す発見(リンク切れ)
(日本経済新聞) 「メスらしさ」決める遺伝子を特定、東大などの研究グループ(リンク切れ)

2010年04月05日

当研究室からダブル受賞:日本植物分類学会奨励賞・学会賞

 当研究室で平成19年度博士課程を終了した仲田崇志博士(現慶応義塾大学先端生命研究所、特任助教)が「日本植物分類学会奨励賞」、野崎久義准教授が「日本植物分類学会賞」を本年3月27日に愛知教育大学で開催された日本植物分類学会において受賞し、それぞれ受賞講演がありました。「日本植物分類学会奨励賞」は満38歳以下で優れた研究業績をあげた将来有望な研究者に、日本植物分類学会賞」は植物分類学および日本植物分類学会の発展に特に顕著な貢献が認められた者に贈られます。
 仲田崇志博士は、緑藻類オオヒゲマワリ目(ボルボックス目)の混乱していた種以上の分類体系をより客観的で自然なものにしようと、当研究室で修士課程から研究を開始しました。培養株を基本とする比較形態と分子系統を組み合わせ、熟知した植物国際命名規約を基に、新種や新属を続々と発表しています。また、オオヒゲマワリ目の属を超えた分類の混乱を解決するためにPhyloCode を基に本目全体を系統的に整理し、命名するという微細藻類分野では画期的な論文を発表し、高い評価を得ています。既に筆頭の英文原著論文(審査員付き)は10を超えるという高い研究能力を示しています。(http://www2.tba.t-com.ne.jp/nakada/takashi/profile.html)今後も微細藻類をはじめとする全生物の分類学的研究(本人は500歳まで生きて全生物の分類を制覇すると宣言しています)で重要な研究成果をあげることが期待されます。
 さらに、進化生物学の普及・啓蒙のために独自のウェブサイト「きまぐれ生物学」を大学院生時代から執筆し続けており、これも今回の受賞の理由となりました。
 野崎准教授の受賞理由は理学系研究科のウェブサイトをご覧下さい。

2010年3月18日

最近、続々と以下のような野崎研究室関係の論文が出版されました。

1. 修士課程卒業の村元京平さんの修士論文の一部で、日本産の氷雪緑藻類で従来Carteria miwaeとされてきた種がCarteria属ではでなかったという論文です。
Muramoto, K., Nakada, T., Shitara, T., Hara, Y. and Nozaki, H. 2010.
Re-examination of the snow algal species Chloromonas miwae (Fukushima) Muramoto et al., comb. nov. (Volvocales, Chlorophyceae) from Japan, based on molecular phylogeny and cultured material.
Eur. J. Phycol. 45: 27-37.
http://www.informaworld.com/smpp/content~db=all~content=a919785894

2. 2010年度現在博士課程の浜地貴志さんのゴニウムの性特異的遺伝子に関する論文です。
Hamaji, T., Ferris, P., Nishii, I. and H. Nozaki, H. 2009.
Identification of the mating type minus specific gene MTD1 from Gonium pectorale (Volvocales, Chlorophyta).
J. Phycol. 45: 1310-1314.
http://www3.interscience.wiley.com/journal/122612693/abstract

3. 野崎久義准教授による、グロエオモナス(ナマズミドリモ)という、鞭毛がなまずの鬚のように離れている緑藻の微細構造と系統の研究です。
Nozaki, H., Nakada, T. and Watanabe, S. 2010.
Evolutionary origin of Gloeomonas (Volvocales, Chlorophyceae), based on ultrastructure of chloroplasts and molecular phylogeny.
J. Phycol. 46: 195-201.
http://www3.interscience.wiley.com/journal/123209179/abstract

4. 博士課程卒業の仲田崇志さんのヤリミドリ属の新種記載の論文です。第一著者の審査員付き英文原著論文はこれで11報目になります。
Nakada, T., Soga, T., Masaru M. and Nozaki, H. 2010.
Chlorogonium complexum sp. nov. (Volvocales, Chlorophyceae), and morphological evolution of Chlorogonium..
Eur. J. Phycol. 45: 95-107.
http://www.informaworld.com/smpp/content~db=all~content=a919783899

2010年01月18日

Delwiche 先生が再び野崎研訪問!公開セミナー実施!!

 2008年11月に「国際シンポジウム Bacteria made Organelles made Eukaryotic Cells」に招待講演者として来日し、野崎研究室に訪問した米国メリーランド大学(University of Maryland)のCharles F. Delwiche 准教授が2010年1月に野崎研究室に再び戻って来ました。Delwiche 先生は緑藻類、特に車軸藻類の系統進化研究の第一人者で、今回の来日で Delwiche 准教授は東京大学理学部2号館を訪問し、緑藻、特に車軸藻の分類・系統進化・ゲノムに関する研究打ち合わせを野崎研究室のメンバーと実施しました。1月18日(月)には東京大学理学部2号館で公開のセミナー講演(第43回進化多様性生物学セミナー)を開催されました。
 以下、当研究室院生の感想です。
「私はDeiwiche先生の多くの論文を教科書として学んでいます。
その先生から直接ご指導いただけて誠に光栄でしたし、これからの励みになりました。」

2009年12月19日

 当研究室の丸山らによる論文が Molecular Biology and Evolution 誌オンライン版に掲載されました。
 遺伝子情報をタンパク質 へと翻訳する上で主要な役割を果たす転移RNA(tRNA)の 遺伝子には様々な種類のものがありますが、遺伝子の前半と後半が逆順 になっていて、転写された後に正しい順序に置き換えられる“逆順 tRNA”遺伝子(permuted tRNA)という奇妙な遺伝子の存在が紅藻の一種で知られていました。この論文では、この非常に特殊な例だと考えられていた逆順tRNAが、実は植物に広く保存された因子であること、またヌクレオモルフと呼ばれる痕跡的な細胞核のゲノムにも存在することを示しています。そして、真核生物の進化の過程で、組み換えやサイズ縮小などによりゲノム(染色体)が複雑に再構築される際、このような“逆順”遺伝子を作ることで効率的にゲノム構造を変化させてきたのではないかという説を提唱しています。

Maruyama S, Sugahara J, Kanai A, Nozaki H.
Permuted tRNA genes in the nuclear and nucleomorph genomes of photosynthetic eukaryotes. Mol Biol Evol. 2009; doi: 10.1093/molbev/msp313

2009年11月29日

 当研究室の野崎らによる論文が Molecular Phylogenetics and Evolution 誌に掲載されました。
この論文では、寄生虫等の遺伝子進化が特異な生物を排除したゲノムデータ等の大規模な系統解析をスーパーコンピュータで実施した結果、黄色植物(不等毛植物やハプト植物)は緑色植物と近縁であり、元々は緑色植物のような色素体をもっていた可能性を明らかにしました。これが、最近続々と報告される黄色植物のもつ緑色植物型遺伝子(例えば Moustafa et al. 2009, Science 324: 1724-1726)の原因であると考えられます。真核生物全体の系統関係、特に灰色藻類・緑色植物・ハプト藻類の関係に注目した今回の解析は、一次共生色素体を持つ植物(緑色植物・紅藻・灰色藻)はこれまで考えられていたよりもずっと岐が深いことが示され、これら「植物」は非常に多様な真核生物を含む一大系統群(“超”植物界)であるという我々の従来の仮説(例えば Nozaki 2005, J. Plant Res. 118: 247-255)を補強する新たな結果が得られました。

Nozaki H, Maruyama S, Matsuzaki M, Nakada T, Kato S, Misawa K.
Phylogenetic positions of Glaucophyta, green plants (Archaeplastida) and Haptophyta (Chromalveolata) as deduced from slowly evolving nuclear genes. Mol Phylogenet Evol. (2009) 53:872-80.

2009年9月7日

 当研究室の丸山らによる論文(Maruyama et al. BMC Evol Biol (2009) 9:197.)がBMC Evolutionary Biology誌の"Most viewed paper in past 30 days"上位10位にランクインしました。

2009年7月7日

 当研究室の丸山真一朗が日本進化原生生物研究会(JSEP)第4回研究会にて Best Presentation Award を受賞しました。

 丸山真一朗、野崎久義:ミドリムシはかつて紅かった?緑色系二次共生藻における紅色系色素体型遺伝子の起源, 日本進化原生生物研究会 (JSEP) 4th conference 宮城教育大学 2009 Jul 4-5.

2009年3月31日

 当研究室の群体性ボルボックス目の性の進化に関する研究内容に関する一般向けの記事が、以下のNikonのWebサイトに掲載されました。
 和文 「生命と光 男になる遺伝子」
 英文 "Life and Light: The male gene"
(2009年03月31日。文責:野崎)

2008年06月25日

 昨年度学位を取得した仲田崇志(現・慶應義塾大学)らによる論文が Molecular Phylogenetics and Evolutionの 2008 年 07 月号に掲載されました。
 緑藻綱オオヒゲマワリ目(Volvocales)の組成と系統関係を明らかにするために,データベース中の18S rRNA 配列を網羅的に解析し,400 配列以上の系統関係を推定した研究です。この過程で 18S rRNAの大規模かつ正確なアラインメントを作成し,また多数のキメラ配列(誤って複数の生物の配列を結合した配列)がデータベースに登録されていることを見つけました。オオヒゲマワリ目の内部分類については現在も問題が多く,形態に基づく分類体系の構築にはまだ年月を要すると考えられているため,本論文中では PhyloCode に従った,系統関係に基づく分類も提唱しています。(2008年06月25日。文責:仲田)
 Nakada, T., Misawa, K. & Nozaki, H. Molecular systematics of Volvocales (Chlorophyceae, Chlorophyta) based on exhaustive 18SrRNA phylogenetic analyses. Mol. Phyl. Evol. 48,281-291 (2008).

2008年05月19日

 当研究室の丸山らによる論文がBMC Evolutionary Biology誌に掲載されました。
 この論文では、色素体を持たない「無色」の原生生物が持つシアノバクテリア型の遺伝子(gndという遺伝子)が、太古の一次共生または真核生物が多様化する過程のかなり初期に起こった水平伝達によって獲得されたことを分子系統学的に示しています。こうした遺伝子の解析は、葉緑体の一次共生が真核生物進化のどの段階で起こったのかを考える上で重要な手掛かりになると考えられます。

 Maruyama S, Misawa K, Iseki M, Watanabe M, Nozaki H. Origins of a cyanobacterial 6-phosphogluconate dehydrogenase in plastid-lacking eukaryotes. BMC Evol. Biol. (2008) 8:151

2008年04月17日

当研究室に在籍する丸山、加藤の二名が、それぞれ学会のポスター賞を受賞しました。

 国際プロティスト生物学シンポジウム2008 最優秀ポスター賞受賞: 丸山 真一朗
 Shinichiro Maruyama, Kazuharu Misawa, Mineo Iseki, Masakatsu Watanabe and Hisayoshi Nozaki, Origins of a cyanobacterial 6-phosphogluconate dehydrogenase in plastid-lacking eukaryotes. International Symposium on Protist Biology: Cellular Functions, Evolution, and Environmental Impact; University of Tsukuba, Tsukuba, Japan, 25-26 Mar. 2008.

 日本植物分類学会大会発表賞(ポスター部門): 加藤 将
 加藤将,坂山英俊,三沢計治,佐野郷美,笠井文絵,渡邉信,田中次郎,野崎久義 複数の核DNA領域による日本産 Chara braunii (シャジクモ目)の種内解析 日本植物分類学会第七回大会,首都大学東京,八王子,東京,20-23 Mar. 2008.

2008年02月12日

 以前に当研究室に所属していた高橋文雄(現・東北大学)らよる論文が Journal of Phycology の 2007 年 12 月号に掲載されました。
 緑色の二次共生藻であるユーグレナ藻類とクロララクニオン藻類の色素体の由来を調べた研究です。
 色素体にコードされた遺伝子では一次共生色素体と二次共生色素体で進化速度に違いが生じるおそれがあるため、核にコードされた色素体遺伝子である psbO が調べられました。系統解析と輸送ペプチドの特徴に基づき、ユーグレナ藻類の色素体は原始的な緑色植物で,クロララクニオン藻類の色素体はおそらくテトラセルミス(Tetraselmis)の仲間から進化したと推測されました。(2008年02月12日。文責:仲田)。
 Takahashi, F. et al.. Origins of the secondary plastids of Euglenophyta and Chlorarachniophyta as revialed by an analysis of the plastid-targetting, nuclear-encoded gene psbO. J. Phycol. 43, 1302-1309 (2007).

2007年10月16日

 当研究室の仲田崇志と野崎久義准教授による論文が植物研究雑誌の 2007 年 8 月号に掲載されました。
 コナミドリムシ属(Chlamydomonas)という微細藻の仲間 2 種(チョビコナミドリ:C. perpusilla とアリスガワコナミドリ:C. pumilio)を光学顕微鏡観察の結果と共に日本新産種として報告し、両種の分子系統の結果も初めて紹介しています。コナミドリムシ属は数百種が含まれる巨大なグループですが,日本産のメンバーは 30 種以下しか報告されておらず、今後の研究が必要です(文責:仲田)。
 Nakada, T. & Nozaki, H. Two species of Chlamydomonas (Volvocales, Chlorophyceae) new to Japan. J. Jpn. Bot. 82, 179-189 (2007).

2007年09月11日

 当研究室の野崎久義准教授(代表受賞者)らによる論文が日本植物形態学会第19回総会・大会(2007年9月6日)において「平瀬賞」を受賞しました。受賞が決定した論文は以下の通りです。
 Nozaki,H., Mori,T., Misumi,O., Matsunaga,S. & Kuroiwa,T. Males evolved from the dominant isogametic mating type. Curr. Biol. 16, R1018-R1020 (2006).

2007年09月03日

 当研究室の仲田崇志が日本進化学会(2007:09月01日)において,教育啓蒙賞を受賞しました。受賞タイトルは以下の通りです。

 「ウェブサイト〈きまぐれ生物学〉の運営と進化研究の紹介・啓蒙活動」

2007年08月22日

 当研究室の加藤将がアメリカ藻類学会/国際原生生物学会合同学会(PSA/ISOP 2007:8月05~11日)において、PSA Student Poster Award を受賞しました。受賞した発表演題と著者は以下の通りです。

 演題:Analyses of the ubiquitous species Chara braunii (Charales) in Japan, based on the morphology, chloroplast and nuclear DNA sequences.
 著者:Syou Kato, Hidetoshi Sakayama, Kazuharu Misawa, Satomi Sano, Fumie Kasai, Makoto M. Watanabe, Jiro Tanaka and Hisayoshi Nozaki.

2007年08月22日

 当研究室の丸山真一朗ら(共著)による論文が 2007年度JPR論文賞に選ばれました。
 授賞式は日本植物学会第71回大会にて行われます(09月08日)。受賞が決定した論文は以下の通りです。
 Iwamoto, A., Satoh, D., Furutani, M., Maruyama, S., Ohba, H. & Sugiyama, M. Insight into the basis of root growth in Arabidopsis thaliana provided by a simple mathematical model. J. Plant Res. 119, 85-93 (2006).

2007年08月03日

 当研究室の野崎久義准教授らによる論文が Molecular Biology and Evolution の 8 月号に掲載されました(文責:仲田)。
 Nozaki, H., Iseki, M., Hasegawa, M., Misawa, K., Nakada, T., Sasaki, N. & Watanabe, M. Phylogeny of primary photosynthetic eukaryotes as deduced from slowly evolving nuclear genes. Mol. Biol. Evol. 24, 1592-1595 (2007).
 オンライン出版時の記事はこちら

2007年07月31日

 当研究室の丸山と野崎准教授による論文が Journal of Eukaryotic Microbiology に掲載されました。
 Naegleria gruberi というアメーバ鞭毛虫(近縁な N. fowleri は病原性がある)においては、rDNA が染色体ではなく,環状のプラスミドにコードされていることが知られていました。本論文ではこの環状プラスミドの全長配列を決定し,同時にこのプラスミドの細胞内での局在を観察し、rDNA プラスミドが核内の特定の領域に局在している、おそらくは組織化されていることを明らかにしました。このようなプラスミドは,将来遺伝子導入系として利用できる可能性があります(文責:仲田)。
 Maruyama, S. & Nozaki, H. Sequence and intracellular location of the extrachromosomal rDNA plasmid of the amoebo-flagellate Naegleria gruberi. J. Eukaryot. Microbiol. 54, 333-337 (2007).

2007年07月10日

 当研究室の野崎久義准教授らによる論文が BMC Biology(オンライン版)に掲載されました。
 Cyanidioschyzon merolae(シゾン)は温泉性の単細胞紅藻で、極めて単純な細胞構造をしていることからモデル生物として研究されています。本種についてはは 2004 年に真核藻類として初めてゲノム配列が報告されていますが、実は 99.98% が解読された状態でした。他の真核生物のゲノム解読においても解析が難しい領域が放置されており,完全に解読された例はありませんでした。
 今回,シゾンにおいて初めて、染色体の末端から末端まで、また核、ミトコンドリア、色素体の 3 ゲノム全てについて 1 塩基余さず 100% の配列が決定されました。このことによって、シゾンが真核生物の中では最小のヒストン遺伝子クラスターを持つことやトランスポゾンの数が非常に少ないこと、独特のテロメア構造が全ての染色体に存在することなどが疑いなく示されました(文責:仲田)。
 Nozaki, H., Takano, H., Misumi, O., Terasawa, K., Matsuzaki, M., Maruyama, S., Nishida, K., Yagisawa, F., Yoshida, Y., Fujiwara, T., Takio, S., Tamura, K., Chung, S. J., Nakamura, S., Kuroiwa, H., Tanaka, K., Sato, N. & Kuroiwa, T. A 100%-complete sequence reveals unusually simple genomic features in the hot-spring red alga Cyanidioschyzon merolae. BMC Biol. 5, 28 (2007).

 東京大学大学院理学系研究科・理学部 プレスリリース:世界で初めて真核生物のゲノム配列情報の100%完全解読に成功 - 日本の研究グループのDNA塩基配列決定が世界のゲノム研究に先立つ -
 報道など:毎日新聞時事通信

2007年06月18日

 当研究室の野崎久義准教授らによる論文が Molecular Biology and Evolution のオンライン版に掲載されました。
 色素体(葉緑体など)はもともと細胞内に共生した別の生物に由来しています。そしてシアノバクテリアに由来する色素体を持つ植物は一次共生植物と呼ばれています(対して一次共生植物に由来する色素体を持つ植物は二次共生植物と呼ばれます)。2005 年に Rodrí guez-Ezpeleta et al.. (2005) は 143 遺伝子を用いた大規模な系統解析を行い、一次共生植物は定説どおり単系統群であると主張しました。ところがこのデータには進化速度が速すぎるものが多数含まれていて系統解析に悪影響を及ぼす可能性が考えられました。
 そこで当研究では、より適切な 19 遺伝子を選び直して系統解析を行ったところ、一次共生植物は単系統群とはならず、一部の植物が光合成を行わない原生動物と近縁であることが示されました。このことは同時に、多くの原生動物が色素体を失った一次共生「植物」である可能性を示唆しています。この結果をもとに、植物の範囲を一次共生「植物」の子孫である原生動物にも拡大することを提案しています(Nozaki et al.., 2003 でも 4 遺伝子のみの解析から同様の結論を導いています)。(文責:仲田)
 Nozaki, H., Iseki, M., Hasegawa, M., Misawa, K., Nakada, T., Sasaki, N. & Watanabe, M. Phylogeny of primary photosynthetic eukaryotes as deduced from slowly evolving nuclear genes. Mol. Biol. Evol. doi:10.1093/molbev/msm091 in press.
東京大学大学院理学系研究科・理学部 プレスリリース:植物の出生20億年の秘密を解き明かす - "超"植物界 ("Super" Plant Kingdom) の復権 -
 報道:東京大学新聞

2007年05月18日

 当研究室の仲田らによる論文が European Journal of Phycology の 2007 年 5 月号に掲載されました。
 ヤリミドリ属(Chlorogonium) に分類される 3 種の藻類(C. euchlorumC. elongatum および C. capillatum)では、核にコードされた 18S rRNA 遺伝子ではそれぞれが単系統群とならず、それぞれの種の独立性に疑問がもたれていました。
 今回の研究では、3 種の独立性を検証するため 18S rRNA 遺伝子の系統解析を見直しました。その結果、これまでの 18S rRNA の結果は培養株の取り違えや誤同定に基づいていて、これらを修正した解析では 3 種がそれぞれ独立した種であることが裏付けられました。(文責:仲田)

Nakada, T. & Nozaki, H. Re-evaluation of three Chlorogonium (Volvocales, Chlorophyceae) species based on 18S ribosomal RNA gene phylogeny. Eur. J. Phycol. 42, 177-182 (2007).

2007年03月30日

 当研究室の仲田らによる論文が Journal of Phycology の 2007 年 4 月号に掲載されました。
 Hafniomonas という、単細胞 4 鞭毛性のボルボックス目藻類の分類の論文です。Hafniomonas 属はボルボックス目の中でも比較的に初期に分岐した系統群と見られますが、観察例が少なく、培養株に基づいた分類が遅れていました。この論文では新規株 6 株と、国立環境研究所に保存されていた 2 株の微細構造と分子系統などを比較し、種レベルの分類を見直しました。タイプ種の H. reticulata の再発見、新種 H. laevisH. turbinea などを報告しています。(文責:仲田)
 Nakada, T., Suda, S. & Nozaki, H. A taxonomic study of Hafniomonas (Chlorophyceae) based on a comparative examination of cultured material. J. Phycol. 43, 397-411 (2007).

2006年12月19日

 当研究室の野崎久義准教授らの論文が Current Biology の 2006 年 12 月 19 日号に掲載されました。
 ボルボックス科 Pleodorina starrii(10 月に新種記載)から、性決定に関与すると見られる MID 遺伝子を見つけたとの報告です。ボルボックス科では同形配偶から異形配偶、卵生殖への進化が見られるため、有性生殖の進化の研究に最適な分類群と考えられます。なお、この遺伝子は通称「OTOKOGI(侠)」と名づけられました。(文責:仲田)
 Nozaki, H., Mori, T., Misumi, O., Matsunaga, S. & Kuroiwa, T. Males evolved from the dominant isogametic mating type. Curr. Biol. 16, R1018-R1020 (2006).

 東京大学大学院理学系研究科・理学部 プレスリリース:はじめて明らかにされた"メスとオス"のはじまり - オス特異的遺伝子"OTOKOGI"の発見 -
 報道など(掲載時順):読売新聞、産経新聞、時事通信