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現在の研究

 私達は、ホモ・サピエンスの拡散と環境適応を古代ゲノム情報を中心に明らかにしたいと考えています。サピエンスは、どのような経路でユーラシア大陸の東側へたどりつき、さらにオセアニアやアメリカ大陸へ拡散していったのでしょうか?日本列島へはどのように到達したのでしょうか?こうした集団史から、現代の東アジア人や現代日本人のゲノムがどのように形成されてきたのかを探ります。
 サピエンスの拡散には、さまざまな環境への適応が必要だったと考えられます。出アフリカ後、高緯度地域への進出した際には、日照時間が変化しました。サピエンスがアフリカの外へ拡散した時期は、最終氷期にあたります。このような環境の変化に、どのように適応したのでしょうか?
 そして、約1万年前に始まった農耕牧畜がサピエンスに与えたインパクトについて考えます。農耕牧畜は、それ以前、食料を狩猟採集によって得ていた時代からサピエンスの生活を大きく変化させました。自分達で食料を生産することにより、より多くの人口を養うことができるようになりました。一方、富の偏在が生じ、家族を基本単位とする社会構造が父系的かつ階層的に変化したと言われています。こうした変化は、地域や社会階級における遺伝子頻度の分布にも影響したと考えられます。農耕牧畜は、摂食物にも変化をもたらしました。それは、腸内細菌叢の変化、寄生虫や病原体の変化を引き起こしたと推定されます。すると、これらの変化に伴う生物学的な変化をサピエンスは経験したかもしれません。ヒトの進化における様々なエポックが、ヒトのゲノムに与えた影響はいかなるものだったでしょうか?これらの「問い」に対し「答え」を導き出すために設定された研究課題を以下の表にまとめてみました。

研究課題一覧表
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古代ゲノム解析プロジェクト

  1. 古人骨ゲノム解析
     サピエンスは、どのような経路をたどって東ユーラシア、日本列島に到達したのでしょうか?縄文人など、過去に生きていた人々の骨からDNAを抽出し、ゲノム配列解読を進めます。
  2. 糞石ゲノム解析
     過去に生きていた人々は、どのようなものを食べていたのでしょうか?腸内環境はどうだったのでしょうか?糞便の化石である糞石に残るDNAを抽出し、ゲノム解析をおこないます。
  3. 古代土壌ゲノム解析
     骨や糞石は出土しない遺跡はたくさんあります。過去に生きていた人々の活動を、遺跡の土壌に残るわずかなDNAを手がかりに、明らかにしようとする試みです。

縄文人iPS細胞プロジェクト

 縄文人ゲノム情報を活用し、縄文人がどのような生物学的特徴をもつ人々だったのか明らかにしようというプロジェクトです。現代日本人のゲノム中には、縄文人から受け継いだゲノム断片(縄文人ハプロタイプ)が推定で約10~20%存在しています。縄文人ゲノム断片を持つ現代日本人の細胞からiPS細胞を構築します。こうした「縄文人iPS細胞」から二次元分化誘導(神経上皮細胞,肝細胞など)あるいは三次元分化誘導(脳オルガノイド、肝オルガノイド、腸管オルガノイド)を行い,発生動態・細胞表現型の網羅的及び経時的解析を行います。