本研究室では、ヒトおよび霊長類の運動機能と、身体構造の進化メカニズムを、力学的視点から明らかにすることを目指して研究を進めています。 現在は、ヒトを含む生物の不思議やおもしろさを解き明かす理学的研究が中心ですが、今後、その知見や技術を製品設計や身体運動に関わる医療分野などへ応用することも推進していきます。
研究手法としては、実計測データに基づく動物の運動と身体構造の生体力学的分析、および計算機シミュレーションを主に用いています。他大学との共同研究も盛んに行っています。
ヒトを含む霊長類の精密筋骨格モデルと、歩行生成に関与する感覚運動神経系の数理モデルを構築し、二足歩行運動の生成を行っています。
二足歩行運動の逆動力学的解析を行い、移動効率と筋骨格構造のデザインの関係を調べています。
スプリット・ベルト・トレッドミルを用いてヒトの二足歩行運動中に外乱を与え、歩行の外乱に対する適応メカニズムを解析しています。
9軸センサ(加速度3軸+ジャイロ3軸+地磁気3軸)を用いて、日常生活の歩行をモニタリングするシステムの構築を行っています。
動物の四足歩行の力学的メカニズムの解明を目的として、運動分析とシミュレーションを行っています。
ヒトの手の優れた把握運動の仕組みと進化を明らかにするために、筋骨格モデルによる把握シミュレーションを行っています。
ヒトのリーチング動作のシミュレーションを通して、ヒトの運動制御の仕組みを明らかにすることを目指しています。
歩行の適応能に本質的に寄与していると考えられる、足部筋骨格系の3次元動態を、X線カメラを用いて明らかにすることを目指しています
土圧などの影響により破損・変形した化石頭蓋の工学的復元手法の研究を行っています。
頭蓋骨のような複雑なかたちを定量化し、統計学的に比較する方法を開発しています。
現代人の頭蓋骨と脳形態の対応関係に基づいて、化石人類の脳形態を復元することを目指しています。
京都大学が発見した1500万年前の化石類人猿「ナチョラピテクス」、特にその上肢骨の形態分析を行っています。
筋骨格系の解剖学的情報を用いることにより、無拘束カメラから自然環境下の動物の身体運動の計測を試みています。
多様に進化した霊長類の形態情報をCTなどを用いて定量化し、形態と運動機能の力学的相互適応関係を明らかにしています。
胎児期におけるヒト頭蓋骨とそこに収まる脳の形態形成のプロセスをCT, MRIを用いて調べています。
種間の形態差が発現する仕組みを明らかにするため、ニホンザル二亜種を対象として形態形成プロセスの比較を行っています。
中東および日本人の頭蓋骨の形態変異を、3次元幾何測定学手法を用いて分析しています。