東京大学グローバルCOE 生体シグナルを基盤とする統合生命学

交流会を振り返って

生物科学専攻・分子生理学研究室(神谷研)柳澤春明(GCOE特任助教)

 11月17〜18日にわたって生物科学・生物化学・医科研から120名余りが参加して「理学系生命科学研究室・研究交流会」が大崎プリンスホテルにて開催された.各研究室からの発表内容は生体高分子の構造・機能から生物の行動や進化に至るまで多岐にわたり,本学における生命科学系研究の幅広さを実感できた.また他分野の聞き手を意識した分かり易くも興味深い発表が行われ,発表後には活発な議論が交わされる等,研究者間の交流という面でも有意義であった.

 生物化学科・医科学研究所の発表は研究の手法やアイデアの点で特に興味深かった.今回の発表で紹介された生体高分子の構造解析や遺伝子抑制の技術は様々な研究分野で有用であり,本会が共同研究等のきっかけとなることが期待できる.神経科学分野の発表では分子・細胞レベルから生物の行動に至るまでを説明する画期的な研究に感心した.また細胞分裂に関わる蛋白質や制御機構についての発表では,細胞の基本機能である分裂という現象の奥深さを再認識した.

 本会は,異なる分野の研究者が一堂に会して発表し意見を交わす貴重な機会であった.今後も今回のような交流の場を定期的に持つことが,本学における生命科学系研究の発展のためにも有効であろう.