東京大学大学院理学系研究科 生物科学専攻

Department of Biological Sciences
Graduate School of Science
The University of Tokyo

研究室・教員一覧 塚谷研究室

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基幹講座/生物学講座 生物学科・B系/植物学分野 塚谷研究室 発生進化

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研究課題

  1. 1. 葉形態を司る遺伝子群と制御ネットワークの解明
  2. 2. 葉の器官サイズを決定する機構の解明
  3. 3. 葉の適応形態進化の遺伝子的背景の解明
  4. 4. 植物の形態多様性の理解
  5. 5. 陸上植物進化に伴う葉の形態形成遺伝子ネットワークの変遷の理解

「葉」の発生およびエボデボ研究から植物を理解する

種子植物の地上部は葉と茎だけでできている.花も葉が変形した器官の集合体である.したがって葉の発生の制御機構の理解は,植物の形態形成メカニズムの解明や,その多様性形成の理解にとって必須である.本研究室はシロイヌナズナを用い,世界に先駆けて葉の形・サイズを制御する重要遺伝子群を同定してきた.また細胞数が減少したとき,それを補うかのように細胞が異常肥大する現象「補償作用」を見いだし,そのメカニズム解明にも当たってきた.こうしたモデル植物での研究蓄積を背景として,葉の形態進化に関するエボデボ研究も進めている.例えばアワゴケ属の水陸両生植物が水環境に対して示す葉の可塑性,あるいは単面葉,ボルネオ産アリ植物や中南米産の無限複葉植物,タイ産の一葉植物といった非モデル植物に見られるような,独特な葉形態の発生機構の解明である.またRNA-seqとインフォマティクスを駆使し,陸上植物の進化過程における葉の形態形成遺伝子ネットワークの変遷の理解も進めている.これらの目的のため,多種多彩な植物種を研究材料に用い,分子発生遺伝学を柱としつつ,数理生物学,生理学等幅広い研究手法を駆使して「葉」をキーワードに「植物」を理解しようというのが,本研究室の主題である.

  • シロイヌナズナのシュート頂における葉原基の発生