東京大学理学部 生物学科
2025年度 進学案内
担当教員・研究室一覧、講義一覧、カリキュラム
卒業研究紹介、卒業生からのメッセージ、Q&Aなど
生物学は、分子から地球規模の生態系に至る様々なレベルの現象を研究対象とする学問であり、化学、物理学、数学、統計学、情報科学への広がりを見せています。本学でも理学部生物学科だけでなく、多くの学部や学科で、生命科学に関連する多様な教育研究が行われています。この中で、本学科の大きな特徴は、ヒトを含む多様な生物の示す生命現象に、直接接することを原点とした研究・教育を行っている点でしょう。附属の臨海実験所や植物園を使った実習や、さまざまな 野外実習にも特徴があります。ヒトを一つの生物種として、その進化や適応の観点から総合的に学ぶことも大きな特徴です。
教員は、ヒトを含む多様な生物の、分子から、個体、集団にいたる様々なレベルの生命現象に取り組んでいます。モデル生物を使う研究では、新たな 視点や手法を導入し分野をリードしています。また、新しい生物現象の解析に適したモデル生物を新たに作り出すような研究、新分野を開拓する研究でも世界第一級の業績をあげています。これらの研究の成果は、理学としての基礎生物学の発展をもたらすばかりでなく、医学の発展や、食料危機や生物多様性の維持な ど、21世紀の人類に突きつけられた難問の解決にも大きく寄与しています。生物種としてのヒトを学ぶことを通して、人間を深く理解することにも繋がっています。いわゆるモデル生物を使いこなせるようになることはもちろん重要ですが、現象の解析に適切な生物を見つけ出し、それを新たなモデル生物として「使い始める」ことも、生物を良く知る生物学科出身者に期待されることです。