東京大学グローバルCOE 生体シグナルを基盤とする統合生命学
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報告書

理学系研究科 生物化学専攻坂野研究室 井上展子

 2009年9月20日〜9月22日のAsilomerで開催されたNeuroscienceリトリートに参加、その後3日間はUCSFの研究室を訪問しました。全体を振り返っての感想を述べさせてもらうと、ただ一人の学生に対してであるにも関わらずPIや多くのポスドクの方と真剣に研究について議論し、大変有意義な時間を過ごせたと思います。

 リトリートでは、学生が非常に積極的に質問する姿を目の当たりにし、大変いい刺激を受けました。より研究分野を狭めて専門性を高め、権威も得た人と、様々な分野を学ぶ自由をもち、視野が柔軟で実験実現性もまだはっきりとわかっていない学生が積極的に交流することは、お互いに研究に対する姿勢や考えの可能性を広げるのに必要であると強く感じました。お酒を片手にポスターについての議論するというのも、お酒の強い海外の方にとってはより議論に拍車をかけ、積極性を増幅させるものなのだと思いました。楽しみながらも熱く研究について討論するというの雰囲気は日本ではあまりまだ感じられないので、もっと多くの人がこの雰囲気を味わい、それを伝えていければいいと思います。
レベルの高い様々な研究に交じって自分のポスターを張ることで、今後はより一層頑張らねばならないと身が引き締まる思いを強めました。また、向こうの反応は非常に明快でいい、悪いという評価を遠慮することなく受けることが出来、自分の考えや研究を見直す非常にいい機会でした。

 ラボ訪問ではDr. Graeme Davis 、Dr. David Copenhagen 、Dr. Herwig Baierの研究室を訪問し、PI、ポスドクの方々と一対一で研究の話をしました。自分の研究を発展させるために関連しつつも様々な分野の研究をするラボを選びましだおかげで、違う観点からの指摘をもらえ、各分野における先端の研究の話をきくことができ、とても貴重な経験をしました。また、向こうの研究室はポスドクがほとんどで、各個人が確立したテーマを持ち、研究を進めるといったいい雰囲気を感じました。少人数の学生にとっても非常にいい環境だと思いました。日本ですぐ同じ環境を作る、ということは不可能なので今は自分の研究にいそしみ、自分のテーマと研究内容をしっかり持ちたいと強く思いました。ラボの雰囲気もそのおかげかよく、互いに切磋琢磨している様子が見て取れました。 自分の英語能力、知識不足のせいで、聞き取れない部分や議論しきれない部分がありとても歯がゆい思いをしたことも事実です。いろいろ勉強になった以上の経験ができ、今後の励みになりました。

 また、プログラムとは別ですが、夜にCalifornia Academy of Scienceで行われたnightlifeというイベントに一緒にいった日本人の学生と参加しました。クラブのような雰囲気を楽しみつつ、科学のおもしろさに触れるイベントでした。普段は博物館には足を運ばないような人々が訪れているようで、主催しているのは科学館の学芸員の方々です。このように科学のおもしろさを多くの人へ分け隔てなく伝える工夫に開眼させられました。 自分の英語能力、知識不足のせいで、聞き取れない部分や議論しきれない部分がありとても歯がゆい思いをしたことも事実です。いろいろ勉強になった以上の経験ができたと思います。

 ごく限られた人数の学生のみを対象とした交換留学プログラムに参加できたことを本当に感謝したいです。このプログラムの組織者である多羽田先生、Dr. Tom Kornberg、その他多数の多くのお世話になった皆様、参加を後押ししてくださった坂野先生には深く感謝しています。