東京大学大学院理学系研究科 生物科学専攻

Department of Biological Sciences
Graduate School of Science
The University of Tokyo

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基幹講座/生物化学講座 生物化学科 反町研究室 分子炎症免疫学

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研究課題

  1. 1. 炎症シグナルと代謝シグナルの統合的制御メカニズム
  2. 2. エンドリソソームが担う疾患と老化の制御メカニズム
  3. 3. 呼吸器感染症の増悪メカニズムと制御戦略
  4. 4. 難治性炎症性疾患を対象としたアカデミア創薬
  5. 5. 動物の光環境応答のメカニズム

エンドリソソームの生物科学から新規疾患治療戦略を見つけ出す

慢性化した炎症(慢性炎症)はアレルギーや自己免疫疾患といった免疫疾患のみならず,神経変性疾患,循環器疾患,生活習慣病,さらにはがんや老化まで,幅広い疾患病態の形成に関わるため,炎症制御が病態改善につながる例は数多く知られています.しかしながら治療オプションは限られており,依然として大きなアンメットニーズが存在します.慢性炎症で中心的役割を果たす免疫細胞,特にマクロファージや好中球といった自然免疫細胞は,炎症を媒介すると同時に組織修復も媒介しています.こうした機能変容(可塑性)がどのように制御されているかは大きな謎です.自然免疫細胞は病原体や自己の死細胞など様々な起炎剤を感知し,そのシグナルはエンドリソソームにおいてエネルギー代謝と統合的に制御されて細胞応答に変換されます.エンドリソソームは炎症の場における複雑かつ多彩なシグナルを中継・統合するハブとして機能しており,自然免疫細胞のエンドリソソームの酸性化や輸送制御をかく乱すると,驚くほど良好に複数の疾患病態の改善と組織修復がもたらされます.このことは,エンドリソソームが機能的可塑性に重要であることを意味しています.私たちは自然免疫細胞の機能的可塑性の鍵を握るエンドリソソームシステムに焦点を当て,自然免疫細胞の組織修復能獲得とその破綻のメカニズムを明らかにすることで新たな疾患治療標的を同定し,アカデミア創薬へとつなげています.私たちと一緒に研究成果の社会実装,ベッドサイドに繋がる研究を目指してみませんか?

  • 慢性炎症は多くの難治性疾患を増悪させるため,その分子基盤の解析を通じて新しい治療戦略を提示することは喫緊の課題です.

  • 当教室ではまた,生物にとって重要な光環境応答のメカニズムも解析しています. 体色変化や体内時計の光同調など多様な光生理現象に関わる光受容分子のシグナリング研究を進めています.