細胞の動きと配置の決定は,形態形成,免疫,神経ネットワークなどの細胞間連携の根源にあります.その基本ツールを動物とアメーボゾアの共通祖先が獲得したことが,複雑で多様な組織構築とその進化に重要な前提条件であったと考えられます.当研究室では,アメーボゾアに属する細胞性粘菌と動物の形態形成運動の類似性に着目し,GPCRやIg様受容体を介したシグナル処理と,タリンやビンキュリンを介したアクチン制御機構を明らかにするするとともに,これらの相同性,収斂性から多細胞体制の進化に潜む一般則に迫ろうとしています.