東京大学大学院理学系研究科 生物科学専攻

Department of Biological Sciences
Graduate School of Science
The University of Tokyo

研究室・教員一覧 川北研究室

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協力講座・併任教員(学内)/基盤生物科学 生物学科・B系/植物学分野 川北研究室 附属植物園

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研究課題

  1. 1. 被子植物の送粉様式の多様性の解明
  2. 2. 植物と植食者,植物と種子散布者の関係の多様性の解明
  3. 3. 標高傾度に対する植物の環境適応戦略の解明
  4. 4. 維管束植物の分類学的研究
  5. 5. 植物標本資料を用いたミュゼオミクス

植物園のリソースを活用し,植物多様性を多面的に理解する

植物園には文京区白山の本園(小石川植物園)と栃木県日光市の分園(日光植物園)があり,あわせて 6000 種にのぼる植物を栽培しているほか,タイプ標本 1 万点を含む約 80 万点の植物標本を所蔵している.本園には大温室と冷温室があり,世界のさまざまな地域から集められた熱帯の植物や,冷温帯の植物が栽培され,これらが研究に活用されている.本園では,被子植物の送粉様式に関する研究をはじめとした生態学的,分類学的研究を行っている.代表的な成果に,コミカンソウ科植物とハナホソガ属の送粉共生の発見,キノコバエ類に送粉される植物の多様性の発見,風変わりな葉の形の植食者への機能の解明などがある.日光分園では,光合成能力や水利用などの生理生態学的な性質の測定を通して,植物の多様な環境適応戦略の解明を目指している.例えば,低温や乾燥に対する植物の生理応答,植物の形態的多様性と環境適応,標高傾度に沿った植生の違いを決める要因を明らかにする研究を行っている.本園・分園の豊富な植物コレクションや研究設備を活用し,自生地でのフィールドワーク,形態解析,化学分析,分子系統解析,標本を用いた解析など,多様なアプローチで植物の多様性に関する研究が行われていることが特色である.

  • カンコノキの花を受粉するハナホソガ

  • 冬に強い低温・乾燥ストレスを経験する常緑針葉樹の越冬戦略