東京大学大学院理学系研究科 生物科学専攻

Department of Biological Sciences
Graduate School of Science
The University of Tokyo

研究室・教員一覧 林研究室

EN

基幹講座/生物学講座 生物学科・B系/動物学分野 林研究室 睡眠生理学

研究室サイト

研究課題

  1. 1. 睡眠の役割
  2. 2. 睡眠制御を担う分子や細胞とその進化
  3. 3. 夢のメカニズムや作用
  4. 4. 老化や認知症,精神疾患と睡眠の双方向性の関係

なぜ動物は眠るのかを解き明かす

睡眠は生命に必須です.しかしながら,その具体的な役割はよく分かっていません.睡眠中は意識が低下し,敵に襲われるリスクが上がります.このような一見不利益な生理状態をなぜ動物が有するのか,その進化的背景や意義の解明を目指しています.そのために様々な動物種を対象として研究しています.例えば,線虫はわずか302個の神経細胞しか持ちませんが,私たちはこのシンプルな動物の睡眠が,哺乳類の睡眠と進化的に保存されたものであることを裏付ける証拠を得ることに成功しました.またマウスでは,夢を生じるレム睡眠の制御に重要な神経細胞を発見し,レム睡眠を操作できるマウスやレム睡眠中にあたかも夢を演じるかのように動き出すマウスの開発に成功しました.こうしたアドバンテージを活かして,睡眠の意義を分子レベル・細胞レベルから個体レベルまでのあらゆる階層で解明します.さらに,得られた研究成果は,認知症や精神疾患など,睡眠の異常を伴う疾患の病因の理解と予防治療法の開発へとつなげます.

  • 睡眠はあらゆる動物に見られる