生物システムは,様々な環境変化や揺らぎの下で機能し続けられる頑強性(ロバストネス)を持つ一方で,柔軟に内部状態を変化させる可塑性を持ちます.このロバストネスと可塑性の両立は,生物システムが持つ重要な特性ですが,それを実現するメカニズムは不明です.それに対し,大規模な実験データに基づきシステムの状態遷移やそのロバストネスを議論できるようになりつつあります.我々のチームでは,微生物の適応進化や,多細胞生物の発生過程などを題材とし,理論と実験の両面から細胞状態のロバストネスと可塑性の理解を目指しています.