東京大学大学院理学系研究科 生物科学専攻

Department of Biological Sciences
Graduate School of Science
The University of Tokyo

内部情報 【4/10】人類学演習・談話会『教示が累積的文化進化を支える条件:認知科学的アプローチ』

人類学講座・人類学セミナー

【4/10】人類学演習・談話会『教示が累積的文化進化を支える条件:認知科学的アプローチ』

日時: 2026年4月10日(金) 16:50-18:35
場所: 理学部2号館201号室
演者: 中田 星矢  先生(理化学研究所 脳神経科学研究センター)
演題: 教示が累積的文化進化を支える条件:認知科学的アプローチ
主催:
共催:
後援:

要旨

ヒト文化の特徴は、世代を超えて知識や技術が改良・蓄積される累積性にある。累積的文化進化(cumulative cultural evolution: CCE)を可能にする要因として、高い忠実度の文化伝達が重要であるとされてきた。特に教示は、複雑な知識の正確な伝達を可能にする手段として注目されてきた。進化モデルに基づく研究では、教示は文化情報の忠実な伝達を可能にすることが前提となっており、その結果としてCCEを促進する要因であると議論されている。一方で、ヒトを対象とした実験研究においては、教示や忠実な伝達が必ずしもCCEを促進しない結果も報告されており、理論と実証の間にギャップが存在している。講演者の研究では、強化学習に基づくネットワーク探索モデルを構築し、文化学習における個人学習(イノベーション)と教示(忠実な伝達)の間に存在する時間的トレードオフを明示的に導入した。このモデルにより、教示の効果は課題の難易度に依存して反転し、課題が困難な条件下ではCCEを促進する一方、容易な条件下では抑制しうることを示した。本講演では、モデルの理論的意義を既存研究と比較しながら整理するとともに、認知科学的なアプローチが、これからのCCE研究にどう貢献しうるかを議論する。

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<今度の予定>
 4月 17日 海部 陽介 先生
   24日 修士課程中間発表のため休講
5月 1日 荻原 直道 先生
    8日 松本 優佳 先生(荻原)
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