東京大学大学院理学系研究科 生物科学専攻

Department of Biological Sciences
Graduate School of Science
The University of Tokyo

内部情報 第1568回生物科学セミナー『土壌・植物・微生物の相互作用を読み解き、デザインする』

生物科学セミナー

第1568回生物科学セミナー『土壌・植物・微生物の相互作用を読み解き、デザインする』

日時: 2026年12月9日(水) 16:50-18:35
場所: 理学部2号館223号室及びZoom
演者: 市橋 泰範 チームディレクター(理化学研究所 環境資源科学研究センター)
演題: 土壌・植物・微生物の相互作用を読み解き、デザインする
主催:
共催:
後援:

要旨

土壌・植物・微生物は、長い進化の歴史の中で相互作用しながら生態系を形成し、地球上の生命を支えてきた。本セミナーでは、これらの複雑な相互作用を「理解する」ことから、持続可能な農業や環境問題の解決に向けて「デザインする」ことを目指した私たちの研究を紹介する。
 
私たちは、実際の農地から得られるマルチオミクスデータとデータサイエンスを組み合わせ、土壌-植物-微生物間に存在する複雑なネットワークの理解を進めてきた。また、作物・土壌モデルと気象予測などを統合した「農業デジタルツイン」の開発を進め、精密農業やカーボンファーミングへの応用を目指している。一方で、土壌から5,000株を超える微生物を分離・収集し、マイクロドロップレットを用いたハイスループット解析などを通じて、植物の生育や環境適応に寄与する微生物機能の探索にも取り組んでいる。
 
こうした研究を進める中で、私たちの関心は個々の植物や微生物から、土壌、生態系、農業、さらには人間活動と自然との関係へと広がってきた。本セミナーでは、これまでの研究成果と社会実装への取り組みを紹介するとともに、データサイエンスや生命科学が、複雑な自然システムと人間社会のよりよい関係をどのようにデザインできるのか、現在考えている将来の研究の方向性についても議論したい。
 

参考文献

Ichihashi et al., PNAS 2020: https://doi.org/10.1073/pnas.1917259117
Fujiwara et al., Biosci. Biotechnol. Biochem. 2022: https://doi.org/10.1093/bbb/zbac191
Fujiwara et al., Plant Biotechnol.2025: https://doi.org/10.5511/plantbiotechnology.25.0605a
Yabe et al., mSystems 2026: https://doi.org/10.1128/msystems.00197-26

担当

東京大学大学院理学系研究科・生物科学専攻・遺伝学研究室
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