東京大学大学院理学系研究科 生物科学専攻

Department of Biological Sciences
Graduate School of Science
The University of Tokyo

内部情報 濡木研究室公開ラボセミナー『生体内でリアルタイムに変化するタンパク質-タンパク質間相互作用解析のための近接標識法の応用』

ラボセミナー

濡木研究室公開ラボセミナー『生体内でリアルタイムに変化するタンパク質-タンパク質間相互作用解析のための近接標識法の応用』

日時: 2026年10月8日(木) 16:00~17:30
場所: 理学部1号館中央棟340号室
演者: 山田航大(愛媛大学プロテオサイエンスセンター無細胞生命科学部門 特定研究員)
演題: 生体内でリアルタイムに変化するタンパク質-タンパク質間相互作用解析のための近接標識法の応用
主催:
共催:
後援:

要旨

細胞内のタンパク質は単独で機能していることは少なく、他のタンパク質と相互作用することで機能を発揮する。例を挙げると、細胞の外部刺激に対する応答では細胞内でタンパク質の相互作用リレーが行われることで刺激に応答する細胞環境を整える。このように細胞の機能を理解するためには、各々のタンパク質がどのようなタンパク質と相互作用して複合体を形成するかを理解することが必要である。そのため、これまでに酵母ツーハイブリッド法や免疫沈降法など、さまざまなタンパク質-タンパク質間相互作用(PPI)解析法が開発されてきた。これまでに酵母ツーハイブリッド法や免疫沈降法など、さまざまなPPI解析法が開発され、相互作用するタンパク質の同定や機能の解明に大きく貢献してきた。一方で、生理的な細胞内環境において、刺激に応じて動的に変化する相互作用を捉えるには、さらなる解析技術の拡充が求められる。近年、細胞内の直接的な相互作用を解析するツールとして近接標識技術が開発された。近接標識技術によって細胞内環境下でのリアルな相互作用を捉える技術が格段に進化を遂げている。近接標識法は、近接ビオチン化酵素や光依存性の近接標識技術を使用して目的のタンパク質の近傍にあるタンパク質をビオチン標識する事によって、相互作用を直接的に解析することができる技術である。一方、用いる標識系や実験条件によっては、細胞毒性や非特異的な標識が課題となり、適用範囲の拡大にはさらなる改良が必要である。
本セミナーでは、所属研究室で独自に開発された近接ビオチン化標識酵素AirIDを用いたPPI解析について、その特徴と応用例を概説する。特に、従来の手法では解析が難しかった刺激依存的な膜タンパク質PPI変化、膜タンパク質E3リガーゼ基質同定およびマウス個体内でのインタラクトーム解析に着目し、近接標識法の適用範囲を拡張するための技術開発とその可能性を紹介する。

担当

東京大学大学院理学系研究科・生物科学専攻・濡木理
 
*学内限定
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