【5/21】第1519回生物科学セミナー『「自己」と「他者」は脳内でどう表象されるのか?』
2025.04.02
日時:5月21日(水) 16:50-18:35
場所:理学部2号館223号室及びZoom
演者:奥山輝大 教授(演者所属)定量生命科学研究所
演題:「自己」と「他者」は脳内でどう表象されるのか?
要旨
私たちが他者を記憶・想起できるということは、すなわち脳内でその他者を「表象している」と考えられ、私たちの研究室は、海馬の腹側CA1領域に注目しながら、他者の脳内表象のメカニズムを解明してきました。他方、私たちが他者に共感する際には、他者の情動を自身の情動として捉えることができます。近年、このような情動伝染時の神経活動を解析することで、「自己」と「他者」を脳内で同時に表象するためのメカニズムの一端が垣間見えてきました。本セミナーでは、「自己」と「他者」の脳内表象メカニズムに主眼を置きながら、そのシステムに異常を示す自閉スペクトラム症の病態ついてもご紹介したいと思います。
参考文献
- Watarai et al., Science, in press (2025), https://doi.org/10.1101/2024.04.01.587523
- Chung et al., Nature Communication, 15:4531 (2024)
- Huang et al., Nature Communications, 14:3458 (2023)
- Tao et al., Molecular Psychiatry, 27:2095 (2022)
- Okuyama et al., Science, 353:1536 (2016)
担当
東京大学大学院理学系研究科・生物科学専攻・細胞生理化学研究室