人類学演習・談話会
古代DNAから解き明かす古代のウイルス
西村 瑠佳 先生(東京大学 医科学研究所 感染・免疫部門)
2024年07月19日(金) 16:50-18:35 理学部2号館201号室
ウイルスは人類をはじめとする生物の歴史の中で感染を繰り返し、何度もパンデミックを引き起こしてきた。このようなウイルス感染の歴史については、古代の文献を調査するだけでなく、ウイルス感染した古代人の骨などに残された古代DNAを調べることが重要である。数百年から数千年ほど前の古代人の歯などから取得された古代DNAを次世代シーケンサーで解析することで、古代ウイルスのゲノム配列を復元することが可能である。例えば、これまでに古代のB型肝炎ウイルスや天然痘ウイルスなどのゲノムが復元されてきた。得られたゲノム配列に対し、バイオインフォマティクス解析を行うことで、古代のウイルス感染動態を解明できるだけでなく、現代のウイルス配列のみからは推測しきれないようなウイルスの起源や長期的な進化過程を推測することができる。本講演では、古代ウイルス学研究を概説すると共に、先行研究や演者が取り組んできた縄文時代のウイルスに関する研究を紹介する。
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<今後の予定>
10月 4日 海部 陽介 先生
11日 人類学会のため休講
18日 小藪 大輔 先生(荻原)
25日 河村 正二 先生