木質細胞壁の空間パターンを制御する分子機構


<図の解説>
植物の細胞壁は、細胞膜直下に並ぶ表層微小管がセルロース微繊維の方向と沈着部位を制御することによって構築される。これまでの研究から、新規に同定した微小管付随タンパク質MIDD1が局所的に表層微小管の脱重合を促進することにより、木質細胞壁の壁孔が形成されることを明らかにした。この写真は、高感度の共焦点レーザー顕微鏡を用いて、生きた木質細胞におけるMIDD1(写真内、グリーン)の挙動を捉えたものである。MIDD1は細胞膜に局所的にアンカーされているため、その領域内においてのみ表層微小管のダイナミクスに作用し、それらの脱重合を促進している。MIDD1が局在する領域では表層微小管が減少し、木質細胞壁(写真内、ピンク)の形成が抑制される。この結果は細胞膜と表層微小管の高度な連携によって木質細胞壁のパターンが制御されていることを示唆している。
写真撮影:小田祥久