東京大学グローバルCOE 生体シグナルを基盤とする統合生命学
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参加報告書

理学系研究科生物科学専攻動物発生学研究室 津田佐知子

 今回、1月11-12日に行われた、UCSFのDevelopmental biology retreatに参加させていただきました。サンフランシスコ市街から北へ車で約1時間半、州立公園内の入り江に面した丘陵地に、年1回UCSF発生グループのメンバーが集い交流を図る恒例行事です。こじんまりとしたセミナーハウスに70名程が集まり、初日は午後から教授陣と若手による研究紹介、夜は日付が変わる頃まで私たちも含めた若手によるポスター発表、翌日も教授陣によるtalk、と密度の高い時間でした。活発な議論が既に互いに知り合った上で非常にfrankに行われること、また、近くのUC berkeleyやStanford大からの方向性の異なるinvited talkで、会の多様性が増していたのが印象的でした。

 また、Retreat前後に、UCSF mission bay campusの研究室を訪問しました。ホストであったYuh Nung Jan研では、共にPIであるJan夫妻の温かい応対とdiscussionで、大変意味ある時間を過ごせました。また私の研究室とも関係の深いDidier Stainier研を訪ねました。教授に加え、両研究室のポスドクや院生と、研究や生活について色々と話ができたことは大変楽しく有意義でした。その後さらに、UC berkeleyやStanford大の研究室にも足を伸ばしました。面識のない海外の研究室に直接アポを取り訪問するというのは、当初敷居の高いものでしたが、実際に訪問すると、その研究室の研究内容、ボスの見る未来、自分の仕事についてのdiscussionと、極めて刺激ある時間となりました。

 ここまでで既に明らかですが、今回の渡航の一番の収穫は、人との出会いです。Retreatや研究室訪問で、新旧含め実に多く研究者と交流の機会を持てたことは、今後の仕事の上でも大きな意味をもつと強く思います。その上で、このような、国際交流の企画の有効性を感じました。と同時に、その基にあるべき国内での研究室間交流が、UCSFretreatのような恒例行事となる重要性も感じました。

 最後になりましたが、今回の渡航に関し多大なご尽力をいただきました、多羽田先生、UCSFのTomas Kornberg博士をはじめとする多くの方々に、心より感謝いたします。