東京大学グローバルCOE 生体シグナルを基盤とする統合生命学
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報告書

医科学研究所分子細胞情報分野 博士課程3年 田中慶一郎

 今回クローバルCOEの国際交流プログラムの一環で、2008年9月11日から13日に開催されたカリフォルニア大学サンフランシスコ校のTetrad リトリートに参加させて頂きましたので、その報告を致します。

 まず初めに、本来ならば参加の難しい私が参加を希望するにあたり尽力してくださったオーガナイザーの多羽田教授、参加を認めてくださった指導教官の斎藤教授、そして貴重な参加枠を提供してくださった山本教授に心より感謝致します。

 Tetrad リトリートはサンフランシスコ市内から車で4時間弱ほどの距離にあるタホ湖のほとりにあるGranlibakkenというリゾート地で毎年9月に行われます。このリトリートは、tetrad courseに在籍する大学院生やポスドクの交流の場となっており、さらにUCSF tetrad courseに新たに入学した大学院生の歓迎会を兼ねています。Tetrad courseに所属する研究室の各PIが研究内容を紹介し、また2日目にはポスターセッションが設けられていました。このセッションでは私たちもUCSFの学生たちに混ざって、ポスター発表を行い、同年代のUCSFの学生たちとお互いの研究について議論を交わしました。

 リトリートでの研究交流では充実した時間を過ごせましたが、リトリート1日目の夜に行われるSkitsではより楽しい時間を満喫できました。Skitsとは上級生が行うビデオ上映&パロディ劇のことで、そこでは何人かのPIもゲスト出演しており、UCSFのオープンな雰囲気を強く感じました。さらに、Skitsのあとに行われたパーティーにも多くのPIが参加し、学生とPIの距離が近いことにとても感銘を覚えました。

 リトリート終了後はサンフランシスコに戻り、UCSFのMission BayキャンパスにあるホストラボのJohnson研を訪問しました。Johnson研では、PIのSandy Johnsonを始めラボにいる学生やポスドクとお互いの研究について深く議論を交わし、また午後にはJohnson研で行われている小規模の研究発表会に参加しました。そこで、ラボで日常的に行われている議論を直に感じられたのはいい経験でした。海外の研究室訪問や海外での研究発表は今回が初めてだったのですが、常日頃から英語でコミュニケーションする機会に恵まれていたおかげもあり、不慣れなところはあったものの余裕を持って発表でき、自分の研究にも自信を持つことが出来ました。続く2日間では同じMission BayキャンパスにあるLim研、Madhani研を訪問し、同様に研究交流する機会を頂き、有意義な時間を過ごせました。

 今回の企画に参加する中で何よりも強く印象に残ったのは、UCSFでは研究室の中だけではなく、研究室間でもコミュニケーションがオープンに行われていることでした。また、このオープンな環境を維持するために大学や企業などが積極的に協力し合っているのは、もちろん文化の違いはありますが、それでもなかなか見られないことだと思います。今回の交流で自分の研究環境とは全く異なる環境を体験できたことは、研究に対する視野を広げてくれ、そして今後研究者としてのキャリアを歩んでいく上で役立つ経験になると確信しています。

 最後になりましたが、改めて今回の企画への参加に尽力してくださった多くの方々に心より御礼申し上げます。ありがとうございました。