東京大学グローバルCOE 生体シグナルを基盤とする統合生命学
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USCF Neuroscience Retreat 2010 参加報告書

医学系研究科 細胞分子生理学教室 村田 航志

私はこの度、グローバルCOEのサポートにより2010年度のUCSF Neuroscience Retreatに参加し、その後、研究室訪問をさせていただきました。簡単ではございますが、ここに報告いたします。

9月19日 – 21日

Neuroscience RetreatはSan Franciscoから南へ車で3時間程度の距離に位置するAsilomarという会場で行われました。Dr. Jonathan Hortonが車で連れて行ってくださいました。2人きりの車内ではUCSFと東大のRetreatのことや、研究室生活や文化の違いなどについて話しました。出発前には英語でうまく交流できるかどうか不安でしたが、優しくかつ真摯に話をしてくださるDr. Hortonのおかげで緊張がほぐれました。

Retreat初日は主にPIの方々によるspeaker sessionが行われました。先生と学生の間だけではなく、先生方どうし間での議論が非常に活発にされていたことが印象的でした。

2日目は午前にspeaker sessionがあり、午後はposter sessionとfree time、夜には学生によるskitが行われました。Poster sessionではお酒を手にしながらも鋭い議論が行われ、私も発表時間の間中、議論することができました。

3日目は午前のspeaker sessionの後に解散し、再びDr. Hortonが車でSan Franciscoに連れて帰ってくださいました。日本とアメリカどちらで研究をしたいかについて話をした際に、Dr. Hortonが全く新しい環境で生活をスタートすることは、とても貴重な経験になると話されたことが心に残っています。また、この日はリトリート参加者と理研の谷藤先生が一緒にDr. Louis Reichardtのお宅に招待され、夕食をごちそうになりました。Dr. ReichardtとDr. Thomas Kornbergがホテルまで迎えに来てくださいました。

9月22日

午前中はUCSFのDr. Arturo Alvarez-Buyllaを訪問し、研究室でセミナーをさせていただきました。Retreatのposter sessionとはまた違った緊張感の中、研究室の方々と議論ができました。セミナー後はDr. Alvarez-Buyllaに昼食に誘われ、私の研究内容についてポジティブなコメントいただき、とても勇気づけられました。

午後はUCSFの同じ建物のDr. Scott Barabanを訪ねました。とてもfrankに話をされる先生で、これまでの発表論文の経緯や現在の研究の状況を話してくださいました。お話の後、研究室のポスドクの方に実験装置やUCSF内の設備を紹介していただきました。

9月23日 - 24日

飛行機でBostonへ移動し、Harvard UniversityのDr. Naoshige Uchidaを訪問し、研究室でセミナーをさせていただきました。セミナー後はDr. Uchida が夕食に誘ってくださり、海外でPIになるまでのいきさつを話してくださいました。

9月25日

Boston UniversityでポスドクをされているDr. Yusuke Tsunoとお会いし、またDr. Tsunoの紹介でMITに留学されている方々と一緒に昼食をとりました。海外留学のことや将来のキャリアパスについて話し合い、とても参考になりました。

UCSF Neuroscience Retreatとその後の研究室訪問は、海外の研究者の知り合いが増えたことと、海外で研究生活をすることへの意識が変わったことの2点で非常に有意義なものでした。出身地も母国語も違う者どうし、しかも初対面だったとしても、Neuroscienceへの興味と研究生活でのできごとを共有することで深く交流できることを経験したことで、海外での研究生活がより身近なものとして感じられるようになりました。同時に、世界中の研究者とより深く円滑に交流するためにも、英語の運用能力をまだまだ磨く必要があると痛感しました。

最後に、多羽田先生、Dr. KornbergをはじめとするグローバルCOEプログラムの関係者の皆様と、訪問を快く受け入れてくださった先生方と研究室の皆様に心より感謝申し上げます。