東京大学グローバルCOE 生体シグナルを基盤とする統合生命学
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報告書

医学系研究科 統合生理学分野 神垣司

9月19日
成田からサンフランシスコに向けて出発。

20日
リトリート初日。滞在先のホテルから、Dr. Fen-Biao Gaoの車に乗せていただき、リトリート会場であるAsilomarに向け移動。Asilomarに到着後、リトリートに参加し、Dr. Allan Basbaum, Dr. Scott Baraban, Dr. Sarah Nelson, Dr. Donna Albertsonらの講演を拝聴した。夜はポスドク・学生らによるポスター発表が行われた。アルコール片手に議論し合うsocialな場であった。その中で私自身も発表をおこなったが、多くの人が非常に熱心に興味をもって聴いてくださった。アルコールが回っているとは思えない鋭い質問も受けた。

21日
リトリート2日目。午前中はDr. Ben Cheyettラボの学生, Dr. Louis Reichardtラボのポスドク, Dr. David Rowitch, Dr. Fen-Biao Gao, Dr. Louis Ptacek, Dr. Jennifer Whistlerらの講演を拝聴。夜はポスター発表2日目。栄えあるポスター賞をいただいたときは本当にうれしかった。ポスター発表後は学生主体のstudent skitがおこなわれ、非常に盛り上がった。

22日
リトリート最終日。午前中はDr. Ben Cheyette, Dr. Mark Diamond, Dr. Erik Ullian, Dr. John Rubenstein, Dr. David Sretavanらの講演を拝聴した後、Dr. Fen-Biao Gaoの車で、サンフランシスコに戻った。夜は、リトリートに同行した大学院生、理研の先生、他のゲストとともに、Dr. Louis Reichardtのお宅で夕食をごちそうになった。非常に楽しいひとときであった。

23日
Stanford大学において、Dr. Bill Newsome, Dr. Tirin Moore, Dr. Anthony Wagnerのラボを訪問。先生方はそれぞれ、サル電気生理・微小電気刺激手法(Dr. Newsome, Dr. Moore)、ヒトニューロイメージング手法(Dr. Wagner)を主に用いて大脳高次機能の研究をおこなってきた代表的な研究者である。まだ論文として発表される前の最新のデータも含め、現在進行中の研究の話を聴くことができた。私の現在おこなっている研究についても興味をもっていただき、議論することができた。各研究室に所属するポスドク・大学院生とも話し、双方の研究内容について意見交換をおこなうこともできた。

24日
UCSFメディカルセンターの3つのラボを訪問。はじめにDr. Michael Merzenichラボを訪問し、ラットをモデル動物として用い、さまざまな大脳領域において神経可塑性を外因的に誘導する手法を開発しているという非常に興味深いお話を伺った。また私の研究の話も聴いていただき、先生の研究と絡めた議論をさせていただいた。続いて今回私のホストを引き受けてくださったDr. Michael Strykerのラボを訪問。先生は神経可塑性のメカニズムをchemical-genetics, 光学イメージング、電気生理学的手法という実に多岐にわたる手法を用いて研究されており、最新の研究状況をお話いただいた。その後に実験設備も見せていただいた。最後にDr. Loren Frankのラボを訪問。先生はラット空間学習に関与する海馬メカニズムを研究されており、実験に用いる設備(行動実験設備、多チャンネル神経活動記録用デバイス、薬液投与用の機器)を見せていただき、非常に参考になった。

25日
UCSFメディカルセンターにおいて、Dr. Allison Doupe, Dr. Michael Brainardのラボを訪問。お二方は夫婦であると同時に共同研究者であり、song birdがさえずりを学習し、維持する神経メカニズムを電気生理・局所薬剤投与・微小電気刺激といった多岐にわたる手法を用いて勢力的に研究されている。これまでの研究内容の概要、そして最新の実験結果についてお話していただいた。私自身の研究にも興味をもっていただき、活発な議論をすることができた。

26-27日
サンフランシスコから成田に向けて出発。

最後になりましたが、ホストになっていただいたDr. Strykerをはじめ、研究室訪問を快く受け入れてくださったUCSFおよびStanford大学の先生方にこの場をかりて感謝いたします。またこのような貴重な機会を与えてくださった多羽田先生をはじめとするGCOEプログラム関係者の皆様に心から感謝申し上げます。