東京大学グローバルCOE 生体シグナルを基盤とする統合生命学
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UCSF Developmental Biology retreat 参加報告書

分子細胞生物学研究所 分子情報研究分野 船戸洸佑

 UCSF Developmental Biology Retreatに参加させていただきましたので、ご報告いたします。

 今回のリトリートは、サンフランシスコ中心部から車で1時間半ほどのMarconi Conference Centerで行われ、自然豊かな環境の中、オーラルセッションとポスターセッションが行われました。オーラルセッションではUCSFの著名な研究者の、興味深く、そして時にユーモラスな発表を聞くことができました。また、ゲストスピーカーとして招かれていたUC Berkeley のDr. Nicole Kingの発表は、生物進化の根底にせまる意欲的な内容であり、深い感銘を受けました。

 ポスターセッションは夕食後から夜中まで行われ、UCSFの学生やポスドクと交流を深めるだけでなく、Dr. Nicole KingやOvarian Stem Cellの研究をしているDr. Todd NystulなどPIの方々ともディスカッションすることができ、とても有意義な時間になりました。

 リトリート以外では、まずサンフランシスコに行く前にシアトルに立ち寄り、Fred Hutchinson Cancer Research Center(Hutch)とUniversity of Washington(UW)をそれぞれ訪問しました。HutchではDr. Patrick PaddisonおよびDr. Toshio Tsukiyamaと面会し、自分の研究やアメリカでの研究生活について、お話を伺いました。特にDr. Patrick Paddisonには、研究テーマが近いこともあって、貴重な情報やアドバイスをたくさん頂き、今後の自分の研究に是非とも生かしていきたいと思います。

 リトリートに参加した後は、UCSFのDr. Christopher Voigt、Stanford大学のDr. Irving WeissmanそしてCaltechのDr. David Andersonのラボをそれぞれ訪問し、学生やポスドクとディスカッションすることができました。

 この旅行を通して、アメリカの学生が自分の研究テーマに誇りを持ち、大御所の先生に対しても堂々と発表したり、議論したりしている姿が印象的でした。また、PIの先生方も、私を含めた学生を一人の研究者として扱ってくれ、オープンでフラットなアメリカの気風を感じることができました。さらに、円滑なコミュニケーションが、研究の質とスピードを高めるという考えが定着していることを実感する機会が数多くありました。実験室のオープンなデザインや学生のローテーション、金曜夕方のBeer timeなどがその一例だと思います。

 今回のリトリートでは、アメリカにおける最先端の研究の一端に触れることができ、私にとって大変貴重な経験になりました。最後になりましたが、多羽田先生、Dr. Thomas Kornbergを始め、今回のリトリートでお世話になった多くの方々に、この場を借りてお礼申し上げます。