東京大学グローバルCOE 生体シグナルを基盤とする統合生命学
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ドイツでの国際交流プログラム 2011 参加報告書

理学系研究科 生物化学専攻 横山研究室 伊藤瑛海

このたび,グローバルCOE国際交流プログラムの一環で,11月17日—27日に,ドイツのDr. Schumacher(ハイデルベルグ大学),Dr. Jügens(チュービンゲン大学),Dr. Isono(ミュンヘン工科大学)の研究室を訪問させていただきましたので,ここに報告いたします.

ハイデルベルグは,フランクフルトから電車で一時間ほどにある街で,中央駅からネッカー川を渡り,徒歩30分ほどにハイデルベルグ大学は位置します.Dr. Schumacherのラボは,植物プロトンポンプの役割や,植物のオルガネラダイナミクスについて先駆的な研究を行っており,今回の訪問では,博士課程学生やポスドク研究員の方々に,最近の研究内容について紹介していただきました.また,ラボが保有する顕微鏡や植物培養施設,電子顕微鏡試料のサンプリング方法などについて,とても丁寧に紹介していただきました.さらに,ランチや夕飯にも誘っていただき,ドイツでのポスドク雇用事情や研究生活などについて伺うことができました.チュービンゲンは,ハイデルベルグから電車で二時間ほどにあり,チュービンゲン大学は中央駅からバスで15分程のところにありました.Dr. Jügensのラボでは,細胞分裂や低分子量GTPaseについて活発な研究を行っています.ここでも,これらの研究に従事しているポスドク研究員の方々に,最近の内容について紹介していただきました.また,Dr. Jügensとポスドクの方々に,夕飯に連れて行っていただきました.ドイツの特産品などのフランクな話や,研究生活の話を通じて,親睦を深めることができたと思っています.そして,Dr. Isonoのラボがあるミュンヘン工科大学ヴァイエンシュテファンキャンパスは,ミュンヘン空港近傍で,ミュンヘンから電車で40分程のフライジングという街にありました.Dr. Isonoのラボは,植物の脱ユビキチン化酵素についてとても興味深い研究をおこなっており,所属する博士課程学生の方々に,研究内容について紹介していただきました.ここでもまた,ランチや夕飯などに連れて行ってくださり,学生やポスドクの方々と交流を深めることができました.

今回の訪問では,それぞれの研究室での研究内容について紹介していただくだけではなく,私自身の博士研究内容について発表させていただきました.初めての英語でのプレゼンテーションにとても緊張しましたが,大変よい経験になったと思っています.また,自分の研究内容についてたくさんのコメントをいただき,とても有意義なディスカッションをさせていただきました.そして自分の研究内容をアピールする良い機会にもなりました.

この度,訪問させていただいた研究室は,植物細胞生物学分野で先駆的な研究を行っており,自分の研究分野にも近いことから,交流を通じて多くの刺激を受けました.また,ドイツに発つ前は,日本との文化や考え方の違いに戸惑うのではないかと思っていましたが,顔を合わせお話してみると,同じ研究者として共通する・共感できる部分が多く,海外留学に憧れはありつつも漠然とした不安を抱えていた私にとって,大きな収穫になりました.

最後になりましたが,このような機会を与えてくださった多羽田先生,指導教員の中野先生,手続きをしてくださった朝倉さま,ドイツでお世話になった先生方をはじめとする多くの方々に心より感謝しております.