東京大学グローバルCOE 生体シグナルを基盤とする統合生命学
ホーム > 研究ハイライト > 新規生体膜生合成酵素(リゾリン脂質アシル転移酵素)ファミリーの発見

新規生体膜生合成酵素(リゾリン脂質アシル転移酵素)ファミリーの発見

(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 105, 2830-2835, 2008)

全ての生き物は細胞で構成され、その細胞は生体膜で覆われており、その生体膜にはグリセロリン脂質が多種存在しています。細胞膜グリセロリン脂質は非対称的に配置され、膜は多様性に富みます。細胞によって膜の成分は異なり、細胞の形も様々です。これら細胞の形や多様性を決めていると思われる脂質生合成酵素は1950年代にその存在が報告されていましたが、分子同定に至っていませんでした。今回、その酵素ファミリーを清水研究室の進藤助教と大学院生の菱川らが発見しました。このファミリーはリゾリン脂質にアシルCoAより脂肪酸を転移させ、様々なリン脂質を合成するアシル転移活性を持ちました。この酵素ファミリーの発見により、生体膜の多様性や、細胞によって異なる形を形成するメカニズムの解明が飛躍的に進むことが期待されます。

本GCOEプログラム事業推進担当者
医学系研究科分子細胞生物学専攻細胞情報学部門教授 清水 孝雄

From Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 2008

From Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 2008