第1032回生物科学セミナー

生物間コミュニケーションにおける化学感覚シグナルの情報処理

東原 和成(農学生命科学研究科)

2015年07月01日(水)    16:50-18:35  理学部2号館 講堂   

多様かつ複雑な化学物質で充満している複雑生態系において、生物は、仲間、敵、異性などのシグナルを、化学感覚神経系で正確に識別する。これら化学シグナルは、匂いやフェロモンといった物質であるが、マウスにおいては鼻腔の主嗅覚系と鋤鼻系で感知される。本セミナーでは、マウスの行動を支配する活性物質とそれらの受容体の同定、そして行動や生理的変化を引き起こすまでの脳神経回路の解明への取り組みについての話をする。

参考文献
・「化学受容の科学」東原和成編、化学同人 2012
・Touhara, K. & Vosshall, L.B.:
Annu. Rev. Physiol. 71, 307−332 (2009)