人類学演習/人類学セミナーⅠ・Ⅱ(人類学談話会)

哺乳類型と両生類型におけるPou3f3(Brn-1)遺伝子におけるin vivo解析

五十嵐 惇さん(理学系研究科生物科学専攻分子人類・分子進化学研究室 博士課程)

2015年01月30日(金)    16:40-18:10  理学部2号館 323号室   

遺伝子中の反復配列はその配列内で様々な調節ドメインとして働く報告が多数されてきた。Pou3f3(Brn-1)はその配列中に8箇所もの反復配列の挿入があり、その挿入パターンは非常に種間にて特徴的なバリエーションを示す。
 本研究にて、哺乳対型Pou3f3を両生類型へとノックインしたxPou3f3マウスが作成され、行動学的解析から精神疾患様反応が明らかとなってきた。一方、ストレス負荷環境にて自己防御反応・酸化ストレス反応における障害が明らかとなり、血中物質や骨代謝に特徴的な反応を示した。遺伝子中のmammalizationの挿入によって、特徴的な生体機能が進化の過程で方向付けられてきたと考えられる。