人類学演習/人類学セミナーⅠ・Ⅱ(人類学談話会)
現代日本人における「縄文系子孫」と「弥生系子孫」の比率―ミトコンドリアDNAとY染色体DNAの多型現象の視点から―
針原 伸二 助教(理学系研究科生物科学専攻)
2015年01月23日(金) 16:40-18:10 理学部2号館323号室
日本人の成り立ちについては、縄文人の子孫と主に弥生時代に渡来した集団との混血によって日本人は成立したとの二重構造モデルが、妥当な仮説だと考えられている。現代日本人において、これら二つの祖先からどの程度の影響があるのか、ミトコンドリアDNAとY染色体の多型の観点から検討した。ミトコンドリアDNAのハプログループの頻度分布から求めた縄文系と弥生系の比率に日本国内での地域差がみられたが、Y染色体のハプログループ分布で推定される比率は地域間の差はほとんどない。日本人全体として見ると、縄文系の比率は4割以上だと考えられる。