人類学演習/人類学セミナーⅠ・Ⅱ(人類学談話会)

狩猟具の発達と人類進化

佐野 勝宏 特任助教(東京大学総合研究博物館)

2014年12月19日(金)    16:40-18:10  理学部2号館 323号室   

遠隔射撃を可能にする投槍器や弓矢の出現は、狩猟効率の向上と対象獣の拡大をもたらし、先史時代における狩猟発達史の画期とされる。また、道具の複合的な組み合わせで成り立つこの投射技術は複合的投射技術と呼ばれ、その出現は人類の認知能力の発達を反映していると考えられている。本講演では、旧石器時代の狩猟技術の発達史を総括し、狩猟具の製作・使用工程が複雑化していく過程と人類進化との関係について見ていく。また、複合的投射技術の出現期を探る最新研究を概観し、その可能性と意義について解説する