人類学演習/人類学セミナーⅠ・Ⅱ(人類学談話会)

双極性障害の神経生物学

加藤 忠史(理化学研究所脳科学総合研究センター精神疾患動態研究チーム)

2014年11月28日(金)    16:40-18:10  理学部2号館 323号室   

双極性障害(躁うつ病)は、躁状態とうつ状態の反復により社会生活の障害を引き起こす疾患である。双極性障害研究では、Ca2+チャネルに関わる遺伝子多型および小胞体やミトコンドリアの遺伝子疾患との関連が指摘されている。我々は、うつ病や双極性障害をしばしば合併するミトコンドリア病、慢性進行性外眼筋麻痺の原因遺伝子であるPOLGの変異型を脳特異的に発現させたトランスジェニックマウスにおいて、興味深い気分障害様の行動変化を見出し、このマウスにおける変異mtDNAの蓄積部位を手がかりに、その病態の神経基盤について探索している。