人類学演習・談話会

ヒトゲノムと環境ゲノムから、ヒトを総合的に理解する試み

小金渕 佳江 先生(東京大学 大学院理学系研究科 生物科学専攻)

2023年05月30日(火)    16:50-18:35  理学部2号館201号室   

ヒトの系譜と彼らを取り囲む環境の双方を通時的に理解することは、過去のヒトの営みを高い解像度で描写するための重要な手がかりとなる。発表者は現在、日本列島の南端に位置する琉球列島の人々の形成過程をゲノム解析の観点から復元する研究に取り組んでいる。琉球列島は本州日本とは異なる文化的な変遷を経験しているが、この地域への人間の移住に関してはまだ解明されていない部分がある。本セミナーでは、奄美諸島から八重山諸島までの地域の人々を対象にした集団形成史の推定について紹介する。また最近ではヒトの集団史を理解するだけでなく、彼らが生活していた周辺環境をより深く理解するために古代の環境ゲノム解析にも取り組んでおり、その一端を取り上げる。

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<今後の予定>
6月  9日 福田 正宏 先生(近藤)
   16日 金原 秀行 先生(荻原)
   23日 海部 陽介 先生
7月  7日 未定