第1010回生物科学セミナー

冠輪動物の貝殻形成機構と進化

遠藤 一佳 教授(理学系研究科地球惑星科学専攻)

2014年11月13日(木)    16:40-18:10  理学部2号館 講堂   

冠輪動物の主要なメンバーである軟体動物や腕足動物は、ボディプランの重要な構成要素として外骨格(貝殻)を形成する。これらの貝殻は、「カンブリア紀の爆発」以来現在まで連続的な化石記録を残し、多様な形態進化を遂げた。本講演では、貝殻の(1)そもそもの起源(初期発生)、(2)すべてに共通する成長ルール(らせん成長)、(3)分泌機構(バイオミネラリゼーション)に関与する遺伝子とその働きに関する最近の研究を紹介し、その多様な形態の起源と進化過程について議論する。

参考文献
Endo, K. and Takeuchi, T. (2013) Annotation of the pearl oyster genome. Zoological Science, 30, 779-780. doi: 10.2108/zsj.30.779
Shimizu, K. et al. (2013) Left-right asymmetric expression of dpp in the mantle of gastropods correlates to the asymmetric shell coiling. BMC EvoDevo, 4:15 doi:10.1186/2041-9139-4-15