人類学演習Ⅳ/人類学セミナー4

中新世化石類人猿ナチョラピテクスから探る類人猿の進化

菊池 泰弘 先生(佐賀大学 医学部)

2019年11月15日(金)    16:50-18:35  理学部2号館 201号室   

 ナチョラピテクスは、1980年に日本―ケニア共同発掘隊によって調査が始まって以来、京都大学自然人類学教室が継続して発掘をおこなってきたことで、多量の資料を発見することに成功した1500万年前のアフリカ産化石類人猿である。現在までに発見された標本数は800点以上で、他の化石類人猿には例を見ない多さである。それゆえ、ヒト科の進化を見据えた現生類人猿の進化を読み解くためには欠かせない貴重な標本が揃っている。本セミナーでは、化石化しにくくなかなか多量資料の発見に至らない体幹骨の一部、そして、体部姿勢の推定に欠かせない「脊椎骨」を分析した結果を示す。また、多数の標本より「体重性差」を推定し、社会構造のパターンを推測することも可能となった。移動運動様式と社会構造の2つの側面から類人猿の進化について紹介する。
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<今後の予定>
 11月 22日 澤野 啓一 先生
    29日 田村 光平 先生
 12月 6日 近藤研担当回