人類学演習Ⅳ/人類学セミナー4

同位体景観法に基づく家畜飼育文化圏の可視化への試み

覚張 隆史 先生(金沢大学 人間社会研究域 附属国際文化資源学研究センター)

2019年10月18日(金)    16:50-18:35  理学部2号館 201号室   

 ヒトは野生動物を管理する高度な技術を生み出し、他の生物種では見られない複雑な給餌管理と生殖管理を組み合わせた家畜利用技術を発展させてきた。ヒトが最初に家畜化したイヌや、食料確保のために家畜化されたヤギ・ヒツジ・ウシ・ブタなどは、中世になるまでに粗放的な飼育管理技術が適用されることが中心的であった。一方、軍事的利用の側面が強いウマの飼育管理技術の発展は、他の家畜種とは異なり、急速に複雑化・高度化し、先史時代においてその技術が長期的に継承されてきた可能性が指摘されている。しかし、家畜馬の管理技術の時空間的変遷を統一的なデータに基づいて議論した研究は皆無である。本発表では、東ユーラシアにおける遺跡出土馬の同位体分析から家畜馬の生態情報を取得し、各時代・各地域における馬の飼育管理技術の特徴を可視化することを試みた。また、これらのデータに基づいて、東アジア及び日本列島における家畜馬の飼育管理技術の伝播と受容の変遷について考察する。
***************************************************

<今後の予定>
 10月 25日 未定
 11月 1日 野外実習のため休講
    8日 荻原研担当
    15日 菊池 泰弘 先生