第1266回生物科学セミナー

自己組織化による灌流可能な血管網の再構成

三浦 岳 教授(九州大学大学院医学研究院)

2019年10月02日(水)    16:50-18:35  理学部2号館 講堂   

我々の体内には酸素、栄養分を分配するための血管網が張り巡らされている。この血管網の形態形成は、通常の発生におけるパターン形成に用いられるツールキット(モルフォゲンの濃度勾配、細胞運動、細胞接着など)の他に_血流_という要素が存在して問題を難しくしている。我々は、血管の形態形成の各段階(脈管形成(vasculogenesis)、血管新(angiogenesis)、リモデリング)それぞれに関して数理モデルによるパターン形成の理解を試みてきた。また、再構成系を立ち上げてこれらの数理モデルを検証しようとしている。今回の講演ではこれらの試みのうち、灌流可能な自己組織化血管網を用いた実験とモデリングに関して詳細を紹介する。