人類学演習Ⅱ/人類学セミナー2

霊長類の中で見る、寿命と性的二形

佐々木 智彦 先生(京都大学総合博物館)

2018年11月30日(金)    16:50-18:35  理学部2号館 201号室   

我々ヒトは非常に長生きする動物です。比較的長寿な霊長類の中でも突出しています。この特徴が単に医療技術の発達などによるものではなく、生物学的な特徴であるということを、私がこれまで研究してきた縄文時代人の寿命などを通して考察していきます。
一方、霊長類の中には様々な形の性的二形が存在し、その配偶システムと密接なかかわりを持っています。一般的には性的二形の度合いが大きいほど、雄が雌をめぐって激しく戦う配偶システムをとる傾向にあります。本講演では犬歯の大きさや形に見られる性的二形に着目し、現在までに見つかっている人類化石から、初期人類の配偶システムについて何が推測できるかについてお話しします。
寿命と性的二形、一見あまり関係がなさそうですが、実は興味深いかかわりを持っています。そのあたりについてもお話しできればと思います。

<今後の予定>
 12月 7日 松本 晶子 先生
   14日 熊谷 真彦 先生
   21日 諏訪 元 先生(年内最終)