人類学演習/人類学セミナーⅠ・Ⅱ

ヒトの「埋葬」の進化

近藤 修先生(形態人類学研究室)

2014年06月27日(金)    16:40~18:10  理学部二号館 402教室   

ヒトの「埋葬」は、「現代人的行動」の一つとして考えられてきた。一方で、 「埋葬」を、仲間の死を認知し弔いの感情を表現することと考えると、チンパン ジーの「子殺し」等の行動にもその萌芽を見ることができる。 ネアンデルタール人と初期ホモ・サピエンスでは、この「弔い」行動が死体の「埋葬(お墓)」として記録されるようになり、上部旧石器時代(Upper Paleolithic)以降、中石器・新石器時代を経て、定住化とともに、いわゆる「墓 地」を作るようになる。私が現地調査で体験した事例を紹介しつつ、これらをレビューしたい。