第1189回生物科学セミナー

進化細胞生物学のモデル系としての線虫

杉本 亜砂子 教授(東北大学 生命科学研究科)

2018年03月30日(Fri)    17:10-18:10  理学部3号館 327号室   

 動物の進化過程において、ゲノム配列の変化は細胞動態に影響をおよぼし、その蓄積の結果として組織・個体レベルでの形態変化が生じる。一方で、組織や個体の形態は維持したままで、その形成を制御する遺伝子経路が変化し得ることも知られている("Developmental Systems Drift": DSD)。私たちはこれらのプロセスの理解を深めるために、モデル系として広く用いられてきた線虫Caenorhabditis elegansとその近縁種の細胞動態を制御する遺伝子ネットワークの比較解析をすすめている。本セミナーでは、1) C. elegans近縁種Pristionchus pacificus受精卵で新たに見いだした非対称分裂制御メカニズム、2) 2013年に沖縄県石垣島のイチジク花嚢から発見されたC. elegans最近縁種(C. inopinata)のゲノム・発生・生態比較解析、について紹介する。