岩崎研公開ラボセミナー

カラスの採餌行動に関する形態・運動学的研究

松井 大(慶應義塾大学社会学研究科)

2018年03月08日(Thu)    10:00-11:00  理学部3号館 310号室   

 ニューカレドニアの固有種であるカレドニアガラスは、棒状の道具を巧み用いて朽木に潜む昆虫を釣り上げる行動を示します。このカレドニアガラスに代表されるように、カラス属の動物種は柔軟な行動レパートリーを有することが知られています。例えば、野生下では道具を用いないハシブトガラスも実験室環境下では道具を用いて餌を取得する課題をクリアすることが報告されています。
 そのような一見「知的」な行動がいかにして実現されているのか?この問いに対し、効果器であるクチバシの「形態」及び「操作」という、より基本的な観点から迫ろうというのが、私の試みです。具体的には、3次元幾何学的形態測定、並びに高速カメラとトラッキングソフトを用いた運動学的計測をカラスに対し行なっています。本発表では、そこから明らかになりつつあることとして、(1) カレドニアガラスのクチバシ形態が安定した道具の把握に適した形状に進化していること (2) カラスのクチバシ操作が他種鳥類と比較して運動の視覚的制御に優れていることという2つの知見を紹介します。